クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021第6ステージ:41歳大ベテラン健在!バルベルデが息子世代蹴散らし山岳ステージを制す!ルチェンコが総合リーダーに(ダイジェスト動画あり)
今年4月で41歳になった大ベテラン、息子でもおかしくない世代の選手たちに交じり世界最高峰の舞台で戦うアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)の辞書に、衰えという言葉はあるのだろうか?一体どれだけの大ベテランが、若手を山岳で力でねじ伏せることができるのだろうか?もはや疑問しか浮かばないほどに、バルベルデの勝利は印象的だった。
後半50キロに山岳が凝縮されたこのステージは、逃げ切りが容認されてもおかしくないステージだった。しかしこの日はメイン集団が活発に動き続け、逃げ集団の逃げ切りの可能性は限りなく低くなっていった。昨日までの総合リーダー、ルーカス・ポステルベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)は何とかチームメイトのアシストのおかげで耐え続けてきたが、結局追走の中で後れを取ってしまう。
大所帯だった逃げ集団は徐々に減っていき、最後はローソン・クラドック(EFエデュケーションNIPPO)ただ一人で最後の上りへ突入していく。その背後では下りで主導権を握ったモビスターがミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター)の為に攻めの姿勢を見せる。クラドックの必死の抵抗もむなしく、総合争いとステージ勝利を目指す面々が組み合わさったバトルは、クラドックを呑み込み、さら激しさを増していく。
タオ・ゲオゲガン・ハート(イネオス・グレナディアス)、セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)、ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)、ロペスが飛び出すが、後続のメイン集団もペースを上げこれを捉えにかかる。あまりのハイペースに勝利は無理だと判断したロペスは、ここでバルベルデのアシストに切り替えを見せる。
残り300m昨年のジロ・デ・イタリア覇者のゲオゲガン・ハートが飛び出し、これで勝負あったかに思えたが、ここからバルベルデが驚異の走りを見せる。コース右側を豪快に駆け上がり、ゴールライン間際でゲオゲガン・ハートを捉えると、そのままパス、トップでゴールラインを駆け抜けた。これで今シーズン2勝目。衰え知らずの男の勢いは今年も健在だ。
「いや~41歳でビッグレースで勝ててすごく嬉しいね!まずはチームメイトに感謝だね。最後はロペスが僕のところへきて、”牽引しようか?”って聞いてくれたんで、”オッケー!”って答えたんだよ。この勝利は彼のアシストなしには成し得なかったから感謝感謝だよ。ゲオゲガン・ハートが加速したときに、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)が少し遅れたんだ。だから仕掛けるのに躊躇はなかったよ。冷静でいようと思ったけど、ゴールバリアが見えてゴールが近いことがわかったら、もうそこからはがむしゃらだったよ。」バルベルデは若さ溢れるコメントを残した。
何とか先頭集団についていったこれで第4ステージの個人TT覇者のアレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック)が、一気に総合リーダーに躍り出た。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージ
1位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 3h52’53”
2位 タオ・ゲオゲガン・ハート(イネオス・グレナディアス)
3位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ)
5位 エンリック・マス(モビスター)
6位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
7位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック)
8位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ビクトリアス)
9位 ベン・ヘルマンス(イスラエル・スタートアップネーション)
10位 スティーブン・クライズワイク(ユンボ・ヴィズマ)
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合順位
1位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック) 20h52’16”
2位 ヨン・イザギーレ(アスタナ・プレミアテック) +08”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +12”
4位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +13”
5位 イラン・ファン・ワイルダー(チームDSM)
6位 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアス) +15”
7位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +27”
8位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ビクトリアス) +34”
9位 スティーブン・クライズワイク(ユンボ・ヴィズマ) +39”
10位 ミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター) +42”
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージダイジェスト
H.Moulinette