ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ:総合争いは一気に4人に絞られる!ステージ優勝はバルベルデで総合3位へジャンプアップ!ログリッチがステージ2位で総合でロペスに肉薄
今年のブエルタ・ア・エスパーニャは本命なき戦いと言われていたが、だからこその大混戦、そしてその混戦が7ステージ目にして早くも大きく絞られることとなった。このステージのトップ4がそのまま総合トップ4となり、今大会の総合争いは間違いなくこの4人によるバトルとなりそうだ。
ステージを制したの大ベテランのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、今大会では「ステージ優勝を狙う」と公言しており、年間総合世界ランキングでの1位を狙いポイントを稼ぐ予定だったが、エースのナイロ・キンターナ(モビスター)とのダブルエースで、総合優勝も狙えるポジションとなっている。
昨日は一度は総合リーダーの座を手放したルイス・アンヘル・ロペス(アスタナ)だったが、この日の頂上ゴールではロペスが宣言通り「魅せる走り」に徹する。この日最後まで逃げていたフィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ)とセルジオ・エナオ(UAEチームエミレーツ)がついに捕まると、最後の上りで激しい駆け引きが始まる。すると次々と総合系の選手たちが脱落、最大勾配25%の激坂で集団は散り散りになっていく。気がつけば先頭集団はロペス、バルベルデ、キンターナ、そしてプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)の4人に絞られてしまう。
キンターナは積極的に動きを見せ、その都度ログリッチやロペスが反応をする。バルベルデはそれに一歩遅れるシーンが目立ったが、最後の激勾配に入ると、クラシックで激坂を得意とするこの男がついに動く。一気に急加速でキンターナとロペスを置き去りにすると、最後まで粘るログリッチもついていくので精いっぱいだった。バルベルデは余裕でゴールで手をあげての勝利、」大会前の宣言通りステージ優勝をつかみ取った。
これで総合トップ4までが30秒差以内にひしめき合い、ロペスが3たびマリアロホ獲得となった。そしてログリッチが僅か6秒差の2位、そしてバルベルデが16秒差の3位にそれぞれジャンプアップを果たした。
「総合優勝?僕40才だよ、自分でも今の走りに驚いているんだよ。まあ現実的に考えれば、まだまだ長丁場が続くうえに、ログリッチが個人TTでタイムを稼ぎ出すだろうからね。今日は途中で遅れそうになったのではなくて、無理をしなかっただけだよ。僕は僕のペースで上っていただけだよ。」バルベルデはまだまだ衰え知らずだ。
「気にしてないよ。うちはチームがいいからね。まだまだ上りもあるし、ログリッチにTTでやられても十分にやり返せるよ。あの激坂はバルベルデ向きだったね。まあ今日は4強そろい踏みっていう形になったね。」ロペスはまだまだ余裕の表情を見せた。
対して優位が予想されるログリッチは、「今日のバルベルデの走りは凄かったね。まあでも僕もぼちぼちだよ。この調子でいくよ。」とこちらも余裕の表情を見せた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ
1位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 4h34’11”
2位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)
3位 ルイス・アンヘル・ロペス(アスタナ) +06”
4位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
5位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +42”
6位 ヨン・イザギーレ(アスタナ) +48”
7位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +51”
8位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ)
9位 ジョージ・ベネット(ジャンボ・ヴィズマ) +1’07”
10位 オスカル・ロドリゲス(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス) +1’20”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) 28h19’13”
2位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +6”
3位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +16”
4位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +27”
5位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’58”
6位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +2’36”
7位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +2’52”
8位 ジョージ・ベネット(ジャンボ・ヴィズマ) +3’34”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +3’36”
10位 ファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ)
H.Moulinette