ツール・ド・フランス第12ステージ:山岳大逃げのサイモン・イェーツが巴戦スプリントを制してステージ制覇!嵐の前の静けさか、個人TTを翌日に控え総合勢は沈黙の一日
翌日が今大会のカギとなる個人TT、それだけに無駄な動きと無駄なタイムロスを割く得体総合勢は沈黙するステージとなったが、だからこそ逃げにはチャンスあり、総合に関係のない大逃げから飛び出したサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が勝利を掴み、チームに貴重なグランツール勝利をもたらした。
最大42人の大所帯の逃げが徐々に人数を減らし、最後の頂上から4km、サイモンが仕掛ける。これでペッロ・ビルバオ(アスタナ)とグレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)との3ウェイバトルとなる。後続との距離を保ちながら逃げ続けた3人は、そのまま直接対決のゴール勝負となる。そこで仕掛けたのはサイモン、一気に加速をしてゴール目指して全力でスプリントを開始する。ビルバオとミュールベルガーもそのまま仕掛ける。サイモンのハングリーさにじむ真っ向勝負の前に屈することとなった。
「ここまで山岳ステージの為に脚を残してきたからね。このステージはようやく僕が自分の為に走れる日だったんだよ。チャンスを思いきり両手でつかみ取ることが出来たよ。これで心置きなくアダムのアシストに戻れるよ。正直ビルバオとミュールベルガーに勝てるとは思っていなかったよ。でもチームからの指示で、先行しなければ負けると伝達があったんだ。だから最終コーナーを曲がるところから気を使っていたよ。この調子でチームが勢いに乗って行けるといいね。」サイモンは納得気に語った。
総合勢はこの日は安泰、チームイネオスが万全の態勢で集団をゴールまで導いた。しかしこの日は現TT世界チャンピオンでもアリアスの優勝候補筆頭だったローハン・デニス(バーレーン・メリダ)が突如としてバイクを降りリタイア、その理由が不明で、コース上でチームカーと口論をしていたという情報もあり、チームも調査中としていることから、何らかのハプニングがあったものと思われる。
「サイモンは爆発的だったよ。彼が誰よりも早かった、僕もミスはなかったよ。僕はメンタルな部分で気後れしてしまうから、自分にはっぱをかけて何度かペースアップをして揺さぶりをかけたんだよ。いい感じだったんだけど、彼のほうが上手だったよ。」
グレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグロエ) ステージ2位
「今日は静かな一日だったね。でもまだ総合リーダージャージを守っているし、明日もマイヨ・ジョーヌでスタートできるよ。どうあろうとまた特別な一日になるよ。明日は27キロのアップダウンと8キロのフラット、とにかく苦しむことを楽しむよ。マイヨ・ジョーヌがモチベーションをくれるよ。」
ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ
ツール・ド・フランス第12ステージ
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 4h57’53”
2位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ)
3位 グレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ティス・ベノート(ロット・ソウダル) +1’28”
5位 ファビオ・フェリーネ(トレック・セガフレド)
6位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
7位 オリビエ・ナーセン(AG2R)
8位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)
9位 サイモン・クラーク(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
10位 ジャスパーストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 52h26’09”
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス)) +1’12”
3位 イーガン・ベルナル(チームイネオス) +1’16”
4位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’27”
5位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’45”
6位 エンリック・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ) +1’46”
7位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +1’47”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +2’04”
9位 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ) +2’09”
10位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +2’33”
H.Moulinette