ツール・ド・フランス第5ステージ:お待たせしました!怪童サガンが会心のスプリント勝利!元シクロ王者も勢い止まらず!ファン・アールトがスプリントで2位!アラフィリップもステージ10位
怪童と呼ばれた男はすでに最強の称号を手にしているが、好不調の波で僅差で勝利を逃すこともしばしばだ。今大会も開幕ステージでまさかの敗北、初日勝利での特権のマイヨ・ジョーヌを逃して悔しさをにじませた。しかし腐ることのない男は貪欲に勝利を追い求め、この日は圧倒的な強さを見せ勝利。ポイント賞ジャージのグリーン繋がりで、アメコミヒーローのハルクのポーズを決めた。
この日のステージはピュアスプリンター向けではなかった。コースに配置されたアップダウンはクラシックさながらであり、上りが苦手な平地スプリンターたちは苦戦することとなる。そんなステージ後半を支配したのはチームサンウェブ、チーム所属の総合系エース、トム・デュムランが出場できなかっただけではなく、その怪我が追加の検査でより深刻であるということが分かったばかりだったが、エーススプリンターのマイケル・マシューズは今大会好調を維持している。しかしやはりゴール前になると荒れた展開となり、マシューズは良い位置取りができない。
そんなスプリントで先に仕掛けたのはミッチェルトン・スコット、ダリル・イムピーのアシストからマッテオ・トレンティンが仕掛けるが、仕掛けが速すぎた。自分の間合いまで十分に引き付けたサガンはそのまま爆発的なスプリントで加速、あっという間に後続を引き離す。そしてゴールではお得意のポーズを決め、嬉しいツールステージ優勝を飾った。3度の世界チャンピオンでありながら、今シーズンはなかなか勝利が出来ずに苦しんできた男が納得の勝利を飾った。
そしてステージ2位に飛び込んできたのは元シクロ王者のワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)、今シーズン好調さを見せている男は大会直前のレースでも結果を残していたが、チームの勢いそのままにここでもサガンに迫る走りを見せその可能性を感じさせた。先駆けをしたトレンティンは3位に沈んだ。
総合リーダージャージのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)はこのステージでも積極的な動きを見せただけでなく、最後のスプリントでもキッチリ絡みステージ10位、自らのマイヨ・ジョーヌをしっかりと誇示して見せた。
「我慢だね。そうすれば勝利は必ず訪れるよ。今日はとにかくチームメイトに感謝だよ。ようやくツール・ド・フランスで勝てたよ。今日は積極的にチームがレースコントロールをして、それが結果に繋がったね。でもまだこれからだよ。僕が勝てないと、皆何が不足しているのかを勝手に推測するけど、何も欠けているものなんてないんだよ。ただレースの場では”運”も持ち合わせていないと勝利することは難しいということなんだよ。」
ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) ステージ1位
「僕の今日の目的は、リスク回避とマイヨ・ジョーヌキープだったんだよ。スプリントでいい位置にいられれば、最高だからね。結果的にステージ10位に入れたしいいステージになったよ。問題は明日のステージで、多くの総合系選手が動くだろうから、いかにこの総合リーダーの座を守るかの勝負になるよ。きついだろうけどできる限りのことはやるよ。」
ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
「今日はようやく元通りチームメイトたちの役に立ててよかったよ。(数日前のステージでフレーム真っ二つの大きな落車)」
キャスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)
「いいツールのスタートを過ごせているよ。ここまでは脚も、天候もいいし、落車も免れているからね。まあここからだよ・・・」
サイモン・ゲシュケ(CCC)
「いろんなホテルに泊まるんだけど、昨日は頭の上からこのおっさんが見下ろしているという・・・落ち着かねぇ・・・で今日はペアのペア(なし)・・・」
ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ)
ツール・ド・フランス第5ステージ
1位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) 4h02’33”
2位 ワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)
3位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
4位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)
5位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC)
6位 ジュリアン・シモン(コフィディス・ソルーションクレジッツ)
7位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
8位 ニルス・ポリット(カチューシャ・アルペシン)
9位 ジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
10位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 18h44’12”
2位 ワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ) +14”
3位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +25”
4位 ジョージ・ベネット(ジャンボ・ヴィズマ)
5位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ) +40”
6位 イーガン・ベルナル(チームイネオス)
7位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) +45”
8位 エンリック・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ) +46”
9位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) +50”
10位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC) +51”
H.Moulinette