ジロ・デ・イタリア第1ステージ:いきなり総合勢の激しいバトル!開幕個人TTは激坂ありのわずか8km、制したのは今シーズン勢いに乗るログリッチ!
今年のジロ・デ・イタリアオープニングステージの個人TTは、間違いなく総合勢がタイムロスをしないために全開で挑んでくることが予想できた。そして予想通り激坂を含む僅か8kmのコースで、総合優勝を狙うメンバーがキッチリとタイムをたたき出していく。しかし最後に笑ったのは今シーズンここまで主要ステージレース3つを制したきたプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)、圧倒的なタイムをたたき出し、早くも総合リーダーの証マリア・ローザを獲得、ライバルたちにいきなりの宣戦布告だ。
雷雨の予想が出ていたために、多くの総合系選手は早いスタート順を選択する。なんと今大会の優勝候補の一人トム・デュムラン(チームサンウェブ)が第1走者でまずは好タイムをマークすると、こちらも総合優勝候補のミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)がそれを更新する。そしてその直後今度はもう一人の総合系、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)がさらにそのタイムを上回りトップに躍り出る。
ログリッチも今回も早いスタート順を選択、12番目のスタート順でここで一気に暫定トップタイムをたたき出す。ただ一人13分を切るタイムをたたき出し暫定トップの選手が座るホットシートを奪取すると、ここからは後続のタイムを見守りながらホットシートを温める。
8kmのコースで後半2kmが9.7%の勾配というハードなコースは、山岳系と総合系でなければタイムを出すことができないルート、さらには前半は平坦なだけにTTスペシャリスト並みの速さがなければタイムロスは必至、ログリッチにタイムを出されたことがそれ以降の選手には一気にプレッシャーとなる。
総合系の選手の中では珍しく後半スタートとなったサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)はログリッチに迫るタイムで快走、ステージ2位に食い込んで見せた。しかしイルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン)とミケル・ランダ(モビスター)の二人は早くも1分以上のタイムロス、いきなり総合争いでハンデを背負うこととなった。
この日ログリッチから1分以内でゴールできたのはわずか24人、たったの8kmで早くもふるい落としがかかった形となった。もちろん大会は長くこれからの挽回は可能だが、初日に背負ったハンデは精神的にも重いものとなった。
「結果は嬉しいね。今日のパフォーマンスには大満足だよ。結構なタイムマージンを稼ぎ出せたからなお満足だね。正直言って大した戦略はなかったんだ。テクニカルでもないし、ただ全開で突っ走るだけだったね。ライバルとのタイム差はできる限り欲しいものだからね。初日からいいスタートが切れて嬉しいね。」
~プリモズ・ログリッチ ステージ1位 総合1位
「ログリッチを除いて皆総合系は似たり寄ったりのタイムだったからね。マリア・ローザは欲しかったけど結果オーライだよ。まあ惜しかったけど、ベストを尽くしたしね。」
~サイモン・イェーツ ステージ2位 総合2位
「いい感じで走れたんじゃないかな。コースはよく知っていたしね。まあ重要なのはこれからだよ。ログリッチはまぐれで強いのではないことはもう今シーズンの走りを見てくればわかること。最後に総合リーダーになっていた人間が最強なんだよ。そして敵は彼だけじゃないよ。まあそれよりも僕自身がデュムランより速かったのには驚いたね。」
~ヴィンチェンツォ・ニーバリ ステージ3位 総合3位
「きつかったね。でも自分のペースで走りぬいたよ。正直ペース配分がわからなかったんだ。でもこの順位はちょっと予想外だったね。まあ初日からきつすぎるんだよ。乳酸たまりまくりだよ。」
~トム・デュムラン ステージ5位 総合5位
ジロ・デ・イタリア第1ステージ & 総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 12’54”
2位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット +19
3位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ) +23”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +28”
5位 トム・デュムラン(チームサンウェブ)
6位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +33”
7位 タオ・ゲオグヘーゲン(チームイネオス) +35”
8位 ローレンス・デ・プラス(ジャンボ・ヴィズマ)
9位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +39”
10位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・メリダ) +40”
H.Moulinette