ロンド・ファン・フランデーレン2019:まさかの大逃げ勝利!ベッティオールが残り18kmで独走個人TT! クイックステップは優勝逃すもアスグリーンが大殊勲の2位!クリストフは3位
今年のモニュメントのロンド・ファン・フランデーレンは大会前から本命が多いと言われるほどに強豪が顔を揃える大会となった。誰にとっても喉から手が出るほど欲しい、クラシックのメジャータイトル、そんな飢えた選手たちを一気に現実に引き戻し、そして落胆へと導いたのはアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションファースト・ドラパック)だった。今シーズンここまで表彰台2回、先日のE3ビンクバンククラシックでも4位に入るなど好調さは見せていたが、プロ初勝利がなんと超ビッグタイトルという出来すぎたストーリー、勝利した当人もびっくりの独走勝利だった。
「信じられない・・・ただただしんじられないよ・・・ぼく勝ったんだよね・・・初勝利・・・。正直自分でもどうやって勝てたのかがわからないよ。でも調子がよかったんで、”いける”という確信はあったんだ。だから後はただ目をつぶって”えいっ”っていう感じだったんだ。それで振り返ったらいい距離が開いてて、次のパテルベルグも乗り切ったら、後は人生で最も長い14kmだったよ。チームのエースたちまでが僕をサポートしてくれたんだよ。すごいよね。これでうちのチームも勝てるということが証明できたよね。」ベッティオールは興奮の中語った。
レースは序盤から激しく動く。現シクロ王者で先日E3ビンクバンククラシックで勝利したマシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)がハンドルバーを飛び越え派手に落車、ホイール交換など大幅にタイムを失うも、これで諦めることなく根性で先頭集団に復帰を果たす。
アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)やピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)らが虎視眈々と勝利を伺う中、今シーズンここまで絶好調のドゥクーニンク・クイックステップはボブ・ユンゲルスとキャスパー・アスグリーンの二人しかおらず、集団を支配することができない。それでも残り50kmからアスグリーンが飛び出し先頭集団を形成するなど積極性は見せ続けた。
そしてクルイスベルグの2.5kmで勝負は一気に絞られる。ディラン・ファン・バーレ(チームスカイ)のアタックで勝負は一気に動き、アスグリーンとセップ・ファンマルケ(EFエデュケーションファースト・ドラパック)がそれを追走する。その背後でも人数が減り、サガン、バルベルデ、グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC)、落車からここまで追いついたファン・デル・ポエル、先日勝利したアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ・アルペシン)らが続く。
残り18km、オウデ・クワレモントでレースは動く。ベッティオールは単独で飛び出すと、一気に加速しそのまま単独で頂上を越えていく。しかしここでも積極的な追走を誰も仕掛けられない。最後の丘、パテルベルグを単独で乗り越えると、得意のTTポジションでベッティオールはそのまま勝負に出る。タイム差は20秒ほどで推移するも、後続の追走の手は一向に強まらない。それどころか追走も疲れからペースを維持するのがやっとで追走どころではない。
そのままベッティオールは最後まで独走で自身もびっくりの勝利を決めた。そして2位にもアスグリーンがライバルたちを振り切り驚きの表彰台確保、こちらも本人が驚きの結果となった。「うちはクラシック用に4人のエースがいたから、まさかここに立つのが自分だとは思わなかったよ。」アスグリーンは笑顔で語った。勝利こそ逃したが、ドゥクーニンク・クイックステップは新たな勝利のカードを手に入れた。
3位するプリントを制したのはクリストフ、なんとかファン・デル・ポエルを抑えての表彰台獲得となった。4位には終わったが、ファン・デル・ポエルの躍進は素晴らしい。ここでもきちんと結果を残すあたり、近い将来ロード界を背負っていく選手となりそうだ。
ロンド・ファン・フランデーレン
優勝 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションファースト・ドラパック) 6h18’49”
2位 キャスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ) +14”
3位 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ・アルペシン) +17”
4位 マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)
5位 ニルス・ポリット(カチューシャ・アルペシン)
6位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
7位 オリビエ・ナーセン(AG2R)
8位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
9位 ティス・ベノート(ロット・ソウダル)
10位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC)
H.Moulinette