イル・ロンバルディア2018:落ち葉のモニュメントでニーバリ連覇ならず、昨年ニーバリに下りでちぎられたピノーが抜け出し独走勝利!ニーバリは粘りの走りで2位確保
今年最後のクラシック、落ち葉のクラシック、イル・ロンバルディアは連覇を狙ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)とティボー・ピノー(グルーパマFDJ)の二人が先頭争いをする、昨年度の再現映像を見ているような展開となった。しかし昨年度苦手とする下りでニーバリに置き去りにされたピノーが、この日は下りでも攻めの姿勢を貫くと、そのまま上りでニーバリを突き放し独走で初のモニュメント制覇を果たした。
グランツールライダーのイメージが強いピノー、実際にワンデイクラシックなどでの勝利はこれまでほとんどなかった。しかし今年は先日のミラノ・トリノでの勝利に引き続き、モニュメントと呼ばれるクラシックレースの最高峰のうちの一つを制し、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)やニーバリのようなオールラウンダーとしての可能性を示してみせた。まだ28歳、これからの進化が楽しみだ。
この日のレースでは今シーズン飛躍の年となっているプリモズ・ログリッチ(ロットNLジャンボ)の動きで一気に絞られることとなる。この動きに反応できたのがニーバリとピノー、さらにここに次世代のチームスカイのエースと噂されるイーガン・ベルナル(チームスカイ)が合流を果たす。
しかし残り19kmでログリッチとベルナルは脱落、勝負は昨年同様にピノーとニーバリの一騎打ちの様相を見せる。しかしここから去年と違ったのはピノーだった。先日のレースでの勝利が勢いをつけたか、下りでも攻めの姿勢を見せると、上りでも躊躇なく攻め続ける。その走りについていくことができずニーバリは苦悶の表情を見せながら脱落していってしまう。
ピノーがそのまま最後まで独走し続け貫禄の勝利を飾ったが、その背後ではニーバリが一度は追走に掴まってしまう。しかし諦めずにそこからもう一度飛び出し、単独2位でゴールラインを迎えた。
「イル・ロンバルディアは特別だよ。いつかここで勝ちたいと思っていたんだよ。体調もいいし、何よりもニーバリに勝てたのが大きいね。彼が動いた時に、「ここだ!」って思ったんだよ。彼のアタックが僕の勝利への序章だったんだよ。」ピノーは冷静に語った。
「いい2位じゃないかな。でも悔しさもあるよ。」ニーバリは悔しさをにじませた。3位に入ったのはディラン・テウンス(BMC)、さらにはリゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)と続いた。
イル・ロンバルディア
優勝 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) 5h53’22”
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ) +32”
3位 ディラン・テウンス(BMC) +43”
4位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
5位 ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)
6位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ)
7位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
9位 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ) +48”
10位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +1’22”
H.Moulinette