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ここにきて急転直下、ついに個性派最強集団のメインスポンサーが確定した。長きにわたりチームを支えてきたクイックステップ・フロアーズのセカンドスポンサー降格に伴い、メインスポンサー探しをしてきたパトリック・ルフェーブル代表だったが、世界経済が低空飛行の中で20億以上位も言われるスポンサー費用を捻出する企業はなかなか見つからなかった。その為チームはエーススプリンターのフェルナンド・ガヴィリアに他チームとの交渉を承認し、ブエルタで総合2位を獲得したエンリック・マスのアスタナ放出も現実味を帯びてきていた。

しかし来シーズンへ向けてのライセンス更新の為の猶予が少なくなる中で、ここへ来てPVC大手のDeceuninckがメインスポンサーとして名乗りを上げた。ドアや窓、インテリア関係企業であり、床材メーカーのクイックステップ・フロアーズがメインスポンサーだったチームからすれば引き続き、建材系メーカーがメインスポンサーを続けることとなった。

「長年の活躍により、我々が自転車競技にとっては不可欠な存在であるとともに、我々が勝利を積み重ねることでのスポンサーへの対費用効果を感じてもらえたんだと思う。我々に投資することは企業にとっても大きなメリットがあることを理解してもらえたと思う。これだけ大きな国際企業に携わってもらうことができるのは素晴らしいことだよ。これから経験と価値観を共有していければと思う。そして僕らは「結果」で彼らにその価値を示せると思うよ。」ルフェーブルは力強くそう語った。

「我々は自転車界で最強のチームとパートナーになれたことを誇りに思うよ。間違いなくPR戦術としてこのスポンサードは間違っていないと思うし、我々は今までのPR方法では手の届かなかった客層にまで、我々の情報がいきわたると思うね。」Deceuninckの会長はそう語った。これでチーム名はDeceuninck-Quickstepとなることで確定的だ。

一つ気になるのは、スポンサーが決まらなかったことで、経費削減の観点からフェルナンド・ガヴィリアに、他チームとの交渉を承認していた件だ。今出場中のツアー・オブ・ターキーの開幕ステージで骨折をしてしまったガヴィリアだが、UAEチーム・エミレーツ入りが秒読みと思われていたが、潤沢な資金をチームが獲得したことで、急転直下残留の可能性も出てきたのだ。今シーズン大活躍し、このタイミングで骨折ということもあり、まったくどうなるかが読めない状況となっているが、これで移籍ありきだったものが、残留という路線も開けたことになる。

育成に長けているチームだけに、ガヴィリアが抜ければ次の才能が台頭するとは思われるが、まだまだ本格的に世界のひのき舞台に登場して数年のこれからのスプリンターの放出はチームにとってはマイナスとなり兼ねない。この決着はどうなるかわからないが、少なくともクイックステップ・フロアーズというチームが、名を変えても最強チームという立ち位置は失わなくて済みそうだ。

H.Moulinette