クラシカ・サン・セバスチャン2018:ツール山岳賞のアラフィリップが完勝!モレンマとの逃げから最後はパンチ力でスプリント勝利!

ツール・ド・フランスの疲れ抜けないジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)が、そんな心配はどこ吹く風、終盤の勝負所で一発のアタックでライバルたちを粉砕、バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)と共に一気に後続を突き放し、最後はスプリントでモレンマをねじ伏せチームに今シーズンチームに53勝目をもたらした。

©Tim D.Waele/Getty Images
残り8kmの頂上へ向けての激坂、いつものような積極的な動きはせずに、無駄な動きを一切しないで集団に潜んでいた男が牙をむく。先行していたアントワン・トルホーク(ロットNLジャンボ)ら2人をアラフィリップを含む4人が猛追する。そして先行する二人を捉えた瞬間にその中からモレンマが一気に仕掛ける。それに反応したのはアラフィリップのみ、そこから頂上までの数百メートルで2人は一気に後続の追走に20秒の差をつけてしまう。
そのまま下りに入り、さらには残り3kmの平坦区間に入ってもモレンマとアラフィリップの勢いは衰えなかった。逆に追走がお見合いをし心理戦を始めてしまったことも、飛び出した2人には有利に働き、そのままゴールまで2人のままで逃げ切ってしまう。後続を何度も確認、追走が追い付かないことを確認したアラフィリップとモレンマは安心して2人での直接対決に時間を割くことができた。揺さぶりをかけたモレンマだったが、結局その揺さぶりに反応したアラフィリップがそのまま加速、モレンマはロケット花火の火付け役となってしまい、アラフィリップの勝利を演出してしまった。
ツール・ド・フランスでステージ勝利と山岳賞を獲得したアラフィリップは今度はクラシック勝利、自らの勝利数も8勝目、二桁勝利に手が届くまできた。

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「レースが僕向きなのはわかっていたからね。でも正直勝てるとは思っていなかったんだよ。ツールからの疲労感が凄くてね。だからあのアタックの瞬間まで、まったく動かずただひたすら耐えていたんだよ。それで一発勝負で仕掛けたらうまくいったんだよ。今日はチームが僕を守り続けてくれたおかげだよ。シーズン中盤を勝利で締めくくれて最高だね。」アラフィリップはここへ来てさらに走りに円熟味が増してきた。
「調子は良かったんだよね。でもアラフィリップを引き離せなかったことが僕の敗因だよ。協調して最後まで逃げ切れはしたけど、彼のほうがスプリントでは圧倒的に強かったからね。だから残り2kmでは彼にできる限り先頭を引かせて疲れさせたつもりだったんだけど、それでも彼のほうが速かったね。」モレンマは完敗を認め、2位に納得の表情を見せた。

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追走のスプリントではアンソニー・ルー(グルーパマFDJが取り、チームに表彰台をもたらした。
クラシカ・サン・セバスチャン2018
優勝 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ) 6h03’45”
2位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)
3位 アンソニー・ルー(グルーパマFDJ) +16”
4位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(BMC)
5位 ジュリアン・シモン(コフィディス・ソルーションクレジッツ)
6位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
7位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ)
8位 ロベルト・ヘーシンク(ロットNLジャンボ)
9位 スティーブン・クライズワイク(ロットNLジャンボ)
10位 アントワン・トルホーク(ロットNLジャンボ)
H.Moulinette