もう一つの南米開幕戦、ブエルタ・シクリスタ・ア・ラ・プロヴィンシア・デ・サン・ホァンでクイックステップが今年も大暴れ!ガヴィリアが第1ステージを、リケーゼが第4ステージをスプリント制覇
南米アルゼンチンで行われているもう一つの開幕戦ブエルタ・ア・サン・ホァン、毎年クイックステップ・フロアーズが今年も大暴れだ。オープニングステージでフェルナンド・ガヴィリア(クイックステップ・フロアーズ)が難なく勝利、第2と第3ステージこそ伏兵に奪われたが、ガヴィリアが落車で勝負に絡めないとわかった第4ステージではあっさりと編成を変えてリードアウトのマキシミリアーノ・リケーゼ(クイックステップ・フロアーズ)で勝負、またしてもキッチリとスプリント勝利をあげた。これでツアー・ダウン・アンダーでのエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)の勝利と合わせて早くもシーズン3勝を3人の選手で上げ、個性派集団、誰でも勝負できるチームの強さは今年も健在というところを見せつけた。
昨年度までのチームのスプリントエース、マルセル・キッテルがカチューシャ・アルペシン兵籍をしたため、単独絶対的スプリントエースとなったガヴィリアだが、いきなり今シーズンの初レースで勝利を挙げて見せた。切れ味鋭く圧倒的な速さを見せつけ第1ステージを制して見せた。
「うちはケイセとリケーゼしか残っていなかったけど、完璧なチームワークで勝負できたね。」ガヴィリアはその圧倒的な走りを支えたチームメイトたちをほめたたえた。だがそのガヴィリアも残念ながら第4ステージの落車でリタイアしてしまったが、そステージではチームは状況を見極めあっさりと方向転換し、リケーゼをエースに切り替えると、そのリケーゼが地元アルゼンチンで、一発回答、勝利で締めくくって見せた。
「ガヴィリアのための戦略をそのまま僕が使わせてもらえることになったんだよ。完璧だったね、故郷に錦を飾れたよ。」リケーゼは喜びをかみしめた。
昨年度同様にクイックステップ・フロアーズは今年も多くの選手で勝利を狙うスタイルは変わらないようだ。状況判断が早く、そして代わりの選手が勝利を獲得できるという層の厚さは選手が入れ替わった今シーズンも変わりがないようだ。ライバルたちも順調な仕上がりを見せてきているが、例年通りオーストラリアではなくアルゼンチンを開幕主戦場に選んだチームはその思惑通りの走りを見せ手結果を残した。
また南米のレースでは例年南米の選手たちが下克上の走りを見せるが、今年もそれは健在だった。第2ステージではロマン・ヴィラロボス(カネルズ・スペシャライズド)がだれも予想しなかった勝利を奪って見せた。27歳と若くはないコスタリカ人は「これだけの世界クラスの選手たちを相手に勝てたのは夢のようだ。でもこれは現実、僕はこのステージ前に”勝ちたい”とチームに宣言していたし、その通り勝てて最高の気分だよ。」と語り、その結果を満喫しながらもステップアップへのチャンスに繋がる可能性に貪欲になっていることを語った。
第4ステージを終え、第3ステージの個人TTでステージ2位に入ったフィリッポ・ガンナ(UAEチームエミレーツ)がそのまま総合リーダーの座を奪い取り、折り返しの第4ステージを終えた時点で予想外の総合リーダとして君臨している。
H.Moulinette