ロードレースシーズン開幕:開幕戦ツアー・ダウン・アンダー総括、記念大会を制したのはイムペイ!同タイムのポートを抑えてうれしい総合優勝!昨シーズン苦悩したグライペルが大会2勝

『開幕戦を制したのは予想外の男イムペイ @Tim D Waele』
様々な難題を抱えたまま開幕した今年のロードレース、開幕戦となったツアー・ダウン・アンダー20周年記念大会を制したのは、スプリントでも山岳でも結果を残したダリル・イムペイ(ミッチェルトン・スコット)だった。第5ステージの山岳決戦を制したリッチー・ポート(BMC)と同タイムながら、各ステージごとの順位の結果イムペイが栄冠を勝ち取った。

『同タイムながらイムペイに敗れ総合2位となったポートは悔しさをにじませた @Tim D Waele』
今大会は今シーズンのスプリンター覇権争いをめぐる一つの指針となるレースだった。昨シーズン苦悩し続けた”ゴリラ”アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)が第1と第6ステージを制し完全復調の気配を見せれば、オープニングのピープルズチョイスクラシックと第4ステージを現世界チャンピオンのピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)が制し、そしてカレブ・イーワン(ミッチェルトン・スコット)が第2ステージ、新天地移籍で心機一転のエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)も第3ステージを制するなど、主役がそれぞれ勝利を分かち合った。

『僕にとっては大きなステップと語ったイムペイ @Tim D Waele』
しかしこの大会の主役はイムペイだった。スプリントで第2と第4ステージで2位に入ると、山岳決戦となった第5ステージでもポートに喰らいつきステージ2位、これにより第5ステージで同タイムながら総合リーダーの座を奪うと、最終ステージもキッチリと守り切りポートの大会連覇を阻止して見せた。イムペイは第2ステージ2位に入り総合2位となると第3ステージでは一つ順位を下げ総合3位になるも第4ステージ2位で再び総合2位へと浮上、そして山岳ステージで今大会総合リーダーに躍り出るなど、大会を通して常に集団の先頭でゴールし続けた。結果的にステージ勝利は獲得できなかったが、それでも総合勝利を確定させ、開幕戦を最高の形で締めくくった。「プレッシャーがなかったことが勝因だね。これは僕にとっては大きなステップになると思うよ。今シーズンが楽しみだよ。」普段エースとして総合優勝を狙うことがほとんどないイムペイは、自らの成長と可能性をまだまだ感じているようだ。

『サガンはきっちりと勝利を確保 @Tim D Waele』
昨シーズン圧倒的な強さを見せたサガンだが、今シーズンはライバルたちもその走りを研究、そう簡単に勝たせてはなるものかと結果を残してきた。今シーズンは昨シーズンのように簡単に勝利できることは少なくなりそうだ。「暑かったね~(最高45度の高温)、でもさ一家の大黒柱になったらそういう文句言わずに働かないと子供食わしていけないだろ(笑)。まだまだベストなコンディションには程遠いから、これから上げていくよ。、まずはストラーデ・ビアンケを狙うよ。」父親としての顔を見せたサガンは満面の笑みで語った。

『開幕戦から幸先よく2勝のグライペル @Tim D Waele』
それには何よりもグライペルの復活が大きいだろう。昨シーズン大きなケガがあったわけでもなく、またチームも何度となくこれ以上ないお膳立てをしてきたが、それでも勝つことができなかった。しかし今年はメンタルが違う。「僕は皆が言うような”強い男”ではないよ、でもそれでいいだろ?この歳になっても灼熱のこのレースで良くも悪くも新たなセンセーションを感じられるなんて素敵だろ。」と語り、昨年度勝てなかったことがプレッシャーや呪縛となっていたことから脱却したことを感じさせた。

『今年のゴリラ号 @Tim D Waele』
ツアー・ダウン・アンダー総合成績
優勝 ダリル・イムペイ(ミッチェルトン・スコット) 20h03’34”
2位 リッチー・ポート(BMC)
3位 トム・イェルト・スラフテル(ディメンション・データ) +16”
4位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ) +20”
5位 ドリエス・デベニエンス(クイックステップ・フロアーズ)
6位 エーガン・アーレー・バーナル・ゴメス(チームスカイ)
7位 ゴルカ・イザギーレ(バーレーン・メリダ)
8位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) +23”
9位 ルーベン・ゲレーロ(トレック・セガフレド)
10位 ロベルト・ヘーシンク(ロットNLジャンボ) +24”
H.Moulinette