ジロ・デ・イタリア第8ステージ:新鋭カラパズが飛び出し単独ゴール!新人賞ジャージをキープしながらチームのエースに!フルーム終盤落車も盛り返す、ピノーはボーナスタイム削り総合4位浮上

最後は雨が強く選手たちを打ち付ける中、優勝候補のクリス・フルーム(チームスカイ)が終盤でまさかの落車、何とかタイムロスは防いだものの、今大会ここまでまだ何か歯車があっていないようだ。そんなステージを制したのはエクアドル人初のグランツールライダーとなったリチャード・カラパズ(モビスター)だった。最後に抜け出し完勝、エトナ山で初めての新人賞ジャージを獲得すると、その勢いのままにこのステージで初優勝、プロ2年目の若人が大きな仕事やってのけた。

©Tim D Waele/Getty Images
今大会前も全くノーマーク、アシスト要員としてメンバーに顔を連ねていた男が、ここにきて誰もを驚かせるパフォーマンスを見せている。昨今活躍が続くコロンビアなど中南米選手に、新たにエクアドルが加わった。逃げの最後の一人コーエン・ボウマン(ロットNLジャンボ)を捉えたアレクサンドレ・ジェニエ(AG2R)、しかしその動きはあっという間にカラパズのアタックの前に霞んでいった。残り1kmは独走、最後までその手を緩めることなく追走してきた総合勢を振り切って見せた。

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「嬉しいよ。このジロ目指してやってきたし、参加できただけでもうれしいのに勝てたなんて夢のようだよ!残り2kmでまだ脚があると実感できたんだ。だからそこで仕掛けることを即断したよ。スプリントしたら勝ち目はないからね、僕にはあれこそがチャンスだったんだよ。まだ正直いっぱいいっぱいで毎日走るだけで精いっぱいだよ。まだローマは遠い、そのゴールまでに自分の可能性をどこまで広げられるかが楽しみだよ。」この勝利で一気にトップ10入り、総合8位となりこのままチームの新エースになりそうだ。

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その背後ではこの日もティボー・ピノー(グルーパマFDJ)がステージ3位に入りボーナスタイムを獲得、地味にタイムを刻んで総合リーダーのサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)との差を不気味に縮めてきている。

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ジロ・デ・イタリア第8ステージ
1位 リチャード・カラパズ(モビスター) 5h11’35”
2位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ) +07”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)
4位 エンリコ・バッタリン(ロットNLジャンボ)
5位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
7位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)
8位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ)
9位 マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパック)
10位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 31h43’12”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +16”
3位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +26”
4位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +41”
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ) +43”
6位 ローハン・デニス(BMC) +53”
7位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +1’03”
8位 リチャード・カラパズ(モビスター) +1’06”
9位 クリス・フルーム(チームスカイ) +1’10”
10位 ジョージ・ベネット(ロットNLジャンボ) +1’11”
H.Moulinette