ジロ・デ・イタリア第4ステージ:イタリア本土上陸最初のステージ、上りゴールを制したのは勝てる男へと進化したウェレンス、一気に総合でも4位へと浮上!フルームはまたしてもタイムを失う

クラシックのようなコースとなったこのステージは、ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)にとってはお手の物だった。クラシックから一週間程度のステージレースまで、勝てる男へと変貌を遂げた男がイタリア上陸最初のステージでその本領を発揮した。

©Tim D.Waele/Getty Images
険しい上りゴール勝負となったこのステージ、同じタイプのクラシックレーサー、クライマーが見事に先頭に終結しアップヒルスプリントを開始する。ウェレンスは最後の最後まで動かず先頭を行く~の背後につけ2番手で様子を伺うと、残り200mを切り最後の最後で一気に加速、勝負勘抜群の飛び出し一撃で勝利を仕留めた。ステージ2位には昨年度グランツールライダーとして急成長を見せたマイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール)が入り、エンリコ・バッタリン(ロットNLジャンボ)が3位に入った。

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「今日は簡単ではないめまぐるしいステージだったよ。でも最後はチームメイトが完璧なお膳立てをしてくれたよ。ハンセン、そしてファン・デル・サンドがしっかりと僕を連れていてくれたんだ。そのパワーアシストのおかげで僕らの後ろで集団が分裂したからね。今日はゴールまできついのがわかっていたから最後の最後まで迄に出ないようにと思っていたんだ。今日は優位な立場でスタートできたから自分の間合いに勝負を持ち込めたんだよ。前回のジロでの逃げ切り勝利(2016)よりも今回のほうが気持ちいいね。最後まで勝負がわからなかったからね。」勝ち癖をつけてきたウェレンスは勝利の喜びを噛みしめていた。

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しかしこの日のドラマはその背後でも起こっていた。まずは総合6位だったサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が先頭集団でゴールし総合3位へとジャンプアップを果たす。それ以外の総合上位勢が次々と後続集団でゴールする中、タイムを失う総合勢も続出した。大会連覇を狙うトム・デュムラン(チームサンウェブ)やマリア・ローザ着用のローハン・デニス(BMC)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)が4秒遅れの第2集団でゴールするが、まずはファビオ・アルー(UAEチームエミレーツ)、ルイス・メインチェス(ディメンション・データ)らがそこから遅れタイムを失い、そしてクリス・フルーム(チームスカイ)はそこからもさらに後れを取り、先頭のウェレンスから21秒遅れでのゴールとなった。
「残り1㎞を切ってから位置取りが悪かったんだよ。でも調子自体は戻ってきているし、今日もトラブルなく終えられてほっとしているよ。長く神経質なステージだったからね。まあ少しタイムは失ったけど、それがレースだよ。ここからいかにその失った分をリカバーしていくかだよ。」フルームは初日の落車の影響から徐々に脱しているようだ。
ジロ・デ・イタリア第4ステージ
1位 ティム・ウェレンス(ロット・フィックスオール) 5h17’34”
2位 マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパック)
3位 エンリコ・バッタリン(ロットNLジャンボ)
4位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)
5位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ)
6位 ロマン・クロイツィゲル(ミッチェルトン・スコット) +04”
7位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
10位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ローハン・デニス(BMC) 14h23’08”
2位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +01”
3位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +17”
4位 ティム・ウェレンス(ロット・フィックスオール) +19”
5位 ペッロ・ビルバオ(アスタナ) +25”
6位 マキシミリアン・シャッフマン(クイックステップ・フロアーズ) +28”
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(バーレーン・メリダ)
8位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +34”
9位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +35”
10位 カルロス・ベタンクール(モビスター)
H.Moulinette