新UCI会長ラパルティアンの目指すツールは選手が僅か6人でショートステージ、果たして実現は可能なのか?レースの選手削減で各チーム契約人数を縮小へ、トッププロ全体も縮小へ

来年度から選手が削減され1チーム8人となるツール・ド・フランス、新UCI会長となったラパルティアンにはその縮小はまだまだ足りないようだ。将来的には1ステージ100kmほど、1チーム6人がベストと考えているようだ。果たしてそれは可能なのか?そしてそれは面白いのか?全く未知数なそのイメージの全貌は全く想像がつかない。

『果たして新会長が目指すところは? ©Tim D Waele 』
すでに決定されてるグランツールの8人体制に加え、今まで8人だったクラシックレースなども来シーズンからは7人となる。すでにその意影響は出始めており、ワールドツアーチームの幾つか、モビスターやBMCなどはすでにトータルの選手契約数を縮小して、チームのスリム化を決めている。これは言い換えればワールドツアーレベル全体での選手数縮小となり、ワールドツアープロとなるのはますます狭き門となるということだ。
選手の縮小は機材の進化とともにレーススピードが上がり、集団走行での危険が増しているということが理由の一つとされている。たしかにその側面もあるとは言えるが、過度の縮小は果たしてレースを面白くするのだろうか?戦略的パターンが減り、面白みが無くなる可能性もそこにはあるだろう。ショートステージにすることでより攻撃的になることは容易に想像でき、疲れを残さず翌日のステージへと進めることも理解できるが、選手を少なくすることがレース自体をワンパターン化したパワープレイレース、レッドブルなどで見かけるようなエンターテイメント性のみが追求されるショーレースになる危険を孕んではいないだろうか。
どちらにせよ即6人までの縮小やコース短縮は行われることはないだろう。しかし今そのようなことが議論され始めているというのは紛れもない現実、変わりゆくレース界は一体どこへと向かっていくのだろう。過度の機材競争とエンターテイメント性重視へとシフトしつつあるロードレースは今転換期に差し掛かっているのかもしれない。
H.Moulinette