さいたまを彩った年間最後のビッグイベントさいたまクリテリムを制したのはカベンディッシュ!別府が惜しくも2位、畑中が3位!チームTTは宇都宮ブリッツェン、スプリントはキッテル

今シーズン日本で行われる最後のビッグサイクルイベント、現役世界最強のダブルツール覇者クリス・フルーム(チームスカイ)を筆頭に世界の大物がさいたまに顔を揃えた。前日のプレゼンテーションでは今年は忍者と侍に扮し大いに観衆を盛り上げた。

『ニンジャ&サムライ ワールドツアラー ©Tim D Waele』
そんなさいたまクリテリウムは今年はさいたまアリーナが使えないためにコース変更を余儀なくされた。それでもさいたまは例年通り大きな盛り上がりを見せた。そしてそのクリテリウムを制したのは今シーズンいいところがまったくなかったマーク・カベンディッシュ(ディメンション・データ)、そして僅差で別府史之(ツール・ド・フランスジャパンチーム)が2位に入り、また3位にも畑中勇介(チーム右京)が入るなど、例年以上の日本人選手の活躍は今大会を大きく盛り上げた。
そして今年の日本人選手の活躍はそれにとどまらなかった。チームTTでは宇都宮ブリッツェンが優勝、また今回初開催のスプリントレースでも大久保陣(ブリヂストンアンカー)が決勝に残る活躍を見せ、日本勢にとっては世界の強豪選手が集まるイベントで最高の演出となった。

『豪華な逃げが発生 ©Tim D Waele』
今年のクリテリウムレースは例年以上に日本勢が活発だった。別府と畑中に加え、窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)らが逃げを構成、更には新城幸也(バーレーン・メリダ)も何度となく果敢に逃げを見せた。今年の海外招待選手は、例年に比べると少し寂しさを感じるメンバーだけに、日本勢にとっては見せ場を多くつくるチャンスだった。

『別府は迫ったが ©Tim D Waele』

『カベンディッシュが初制覇 ©Tim D Waele』
そして10周回目に入り世界の選手達がその実力を見せつける。まずはリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)とグレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(BMC)が飛び出すと、そこにマイヨ・ジョーヌのフルーム、更には山岳賞ジャージのワーレン・バルギル(チームサンウェブ)が合流、世界で最も豪華な逃げが形成された。そこからバルギルが最後まで残ったが、スプリント勝負に持ち込みたいクイックステップ・フロアーズとディメンション・データがペースアップ、残り300mでバルギルを吸収し、そのままスプリント勝負となる。最後はカベンディッシュが迫る別府に対して堪え切って大会初優勝を飾った。
チームTTでは地元の利を活かした宇都宮ブリッツェンが強さを見せた。各チーム3名ずつ出走のこのレースで増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲がチームサンウェブを2秒抑えて結果を残した。5秒差の3位にはチームBMCが入った。

『悪魔おじさんと悪魔ガールス ©Tim D Waele』
今回はじめての開催となったスプリントは、競輪を公道で行うスタイルのレース、4名の1周回一発勝負、残り500mでスプリントが開始され、トップでゴールラインを通過した選手が勝ち上がるシステムだ。グループAからDまでが行われ、それぞれカベンディッシュ、マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)、大久保陣、ニキアス・アルント(チームサンウェブ)が勝ち上がった。そしてこのガチンコスプリント勝負を制したのはキッテル、今シーズン世界の大舞台で14勝を挙げていた男が勝利を積み重ねた。

『表彰台の2角を日本人選手が確保 ©Tim D Waele』
さいたまクリテリウム順位
優勝 マーク・カベンディッシュ(ディメンション・データ)
2位 別府史之(ツール・ド・フランスジャパンチーム)
3位 畑中勇介(チーム右京)
4位 ワーレン・バルギル(チームサンウェブ)
5位 アルベルト・ベッティオール(キャノンデール・ドラパック)
山岳賞 クリス・フルーム(チームスカイ)
ポイント賞 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(BMC)
敢闘賞 ワーレン・バルギル(チームサンウェブ)
新人賞 アルベルト・ベッティオール(キャノンデール・ドラパック)

『フルーム・オン・ザ・ラン ©Tim D Waele』
さいたまクリテリウム チームTT
優勝 宇都宮ブリッツェン
2位 チームサンウェブ
3位 BMC
さいたまクリテリウム スプリント決勝
優勝 マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)
2位 マーク・カベンディッシュ(ディメンション・データ)
3位 ニキアス・アルント(チームサンウェブ)
4位 大久保陣(ブリヂストンアンカー)
H.Moulinette