ブラバンツ・ペイル2018:オールラウンダーのウェレンスが終盤抜け出しそのまま独走勝利、勝利は先週無くなったホーラールツに捧ぐ
先週のホーラールツのパリ~ルーベでの死の衝撃がいまだにヨーロッパレース界の中に残る中で所属チームであったヴェランダズ・ウィレムス・クレランが先頭となり、黙祷からブラバンツ・ペイルは開幕した。そんなレースを制したのは今シーズンステージレースでも総合優勝を果たし、オールラウンダーとしての成長著しいティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)だった。
この日は圧倒的にロット・ソウダルが積極性を見せた。マクシム・モンフォール(ロット・ソウダル)、がライバルたちの逃げを潰すと、トッシュ・ファン・デル・サンド(ロット・ソウダル)が揺さぶりをかけるなど、レースの主導権を握る。ファン・デル・サンドはジャック・ヘイグ(ミッチェルトン・スコット)と残り12kmまで逃げ続けると、こんどはイェーレ・ファネンデール(ロット・ソウダル)が動きを見せる。この動きを利用しエースのウェレンスは残り7.5kmが飛び出すと、追いすがるライバルたちを得意のTTスキルで置き去りにして独走態勢へと持ち込む。
後続の追走集団はウェレンスを掴まえるどころか、ゴール前最後の上りで背後から来た大集団に飲み込まれてしまう。勝利を確信したウェレンスはジャージの前を閉じると、人差し指を天に掲げグーラールツへその勝利をささげた。その背後ではスプリントとなり、ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)が2位、そしてティス・ベノート(ロット・ソウダル)が3位を獲得した。これでロット・ソウダルはワン・スリー、表彰台の2スポットを獲得して見せた。
「このレース以降アルデンヌクラシックも含めて4勝のチャンスがあったけど、その最初のレースで勝てたのは嬉しいね。もちろん他の3つのレースに比べると、規模も価値も落ちるけど、でもこの勝利はチームにとっては貴重な一勝だよ。どんなレースでも勝利は簡単じゃない、それだけは言えるよ。とにかく勝ててうれしいね。そして何よりもこの勝利はマイケル(ホーラールツ)に捧げるよ。僕は個人的に彼を知っているわけではないけど、同じレースで走ってきた”仲間”であることには変わりないし、レース界全体が彼の死を惜しんでいる。今日は祝杯ではなく厳かにしたいと思ったんだよ。」レース後ウェレンスは淡々とその思いを語った。
この日のレースは重々しい雰囲気に包まれていたが、心機一転、次のアルデンヌ・クラシックからは再び激しいバトルが予想される。
ブラバンツ・ペイル2018
優勝 ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル) 4h42’48”
2位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ) +09”
3位 ティス・ベノート(ロット・ソウダル)
4位 ピーター・セリー(クイックステップ・フロアーズ)
5位 ヤン・トラントニック(CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
6位 アンドレア・パスカロン(ワンティ・グルーブゴベール)
7位 ディラン・テウンス(BMC)
8位 ハーブ・ドゥイーン(ヴェランダズ・ウィレムス・クレラン) +12”
9位 トーマス・スプレンガーズ(スポルトフランデーレン・バロワーズ) +14”
10位 ダリル・イムペイ(ミッチェルトン・スコット)
H.Moulinette