台湾KOMチャレンジでニーバリが圧倒的なタイムで優勝!シーズンを貫禄の勝利で締めくくる、そして2016年度に鎖骨骨折固定の為入れた金属を外す手術をうける
今シーズンなかなか思うようにグランツールで結果を残せなかったヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)だが、その強さは変わることはない。シーズンの締めくくりに台湾のKOMチャレンジに挑戦したニーバリは圧倒的な強さを発揮、文句なしのレコードタイムを記録し見事優勝、世界の走りの違いを見せつけた。
今シーズンは悔しいシーズンだった。新チームのエースとして選ばれ、それをサポートする選手たちも充実、まさにドリームチームのような雰囲気さえあったバーレーン・メリダだが、ジロ・デ・イタリアでは進化を遂げたトム・デュムランが立ちはだかり、そしてブエルタ・ア・エスパーニャでは王者フルームの前に屈した。それでもシーズン最後のクラシック、ジロ・デル・ロンバルディアを制し、その貫禄を見せた。
そしてシーズンオフを迎える前のレースに選んだのは台湾のKOMチャレンジ、距離は106km、標高0mから3257mまでを一気に駆け上がる、まさにヒルクライム地獄と言えるレースだ。今回は元ツール覇者のカデル・エヴァンスや、元キャノンデール所属のフィリップ・ガイモンなど、元トップクラスの選手たちも参加した。その中で現役最強選手の1人とも言えるニーバリの参加は大いに大会を盛り上げた。
そしてその結果は予想通り3:19:54 というコースレコードを叩き出しての優勝、優勝賞金約185万を手にした。「人生でこんなきついレース走ったこと無いよ。だって標高0から3257mまでひたすら上るんだよ。自分がアタックするのは残り10kmまで待ったんだよ。ライバルたちがつかれた表情を見せたときがチャンスだからね。これでようやく休みに入れるよ。ホリデーシーズン到来だね」ニーバリは満足気に語った。
そしてそのニーバリはそのままヨーロッパへ戻ると、2016年のリオ・オリンピックで骨折した鎖骨に埋め込まれている金属を除去する手術を行った。1週間ほどで傷口はふさがることから、来シーズンへ向けて最高のタイミングでの手術を決断、2018年度シーズンこそはグランツールを再び制したいところだ。
脂の乗り切った32歳、過去にはグランツールでチームカーに捕まり失格になるも、「皆やってるだろ」と開き直る強気な側面も持ち合わせている。しかしその勝利への貪欲さで、立ちはだかるデュムランやフルーム撃破を狙っている。
H.Moulinette