シクロクロスワールドカップ第3戦コクサイデ:最強のファン・デル・ポエルの勢い止まらず、世界チャンピオンファン・アールトはコース逆走してピットインの珍事で3位に終わる

第1戦第2戦が米国で行われた今年のシクロクロスワールドカップ、第3戦でようやくヨーロッパ開幕となり、強豪たちがシクロクロスの聖地とも言えるコクサイデに勢揃いした。そして今シーズンも最高のスタートを切った最強デュオの一人、マシュー・ファン・デル・ポエル(ベオバンク・コレンドン)が圧倒的なパフォーマンスを見せUCI世界選手権シリーズ開幕からの3連勝を決めた。対してアメリカでは全く調子が上がらなかったもう一人の最強シクロクロッサー、世界チャンピオンのワウト・ファン・アールト(クレラン・チャールス)はようやく表彰台を獲得、しかし前代未聞のコース逆走でピット・インして車体交換という珍事まで演出してみせた。

『最後は独走勝利 ©Tim D Waele 』
過去に何度となく怪我に泣かされてきたファン・デル・ポエル、先日のスーパープレステージシクロクロスでも落車をして今回はテーピングをしての出走だったが、この日も好調を維持、今のところ手のつけようがない快進撃を見せている。

『ファン・デル・ポエルは担がず走行 ©Tim D Waele 』
「僕は砂地のレースが大好きなんだ。今日はそんな大好きなコースで勝ててよかったよ。いいスタートダッシュが切れたね。こういうコースではそうしないと自分のペースで走れないんだよ。まあでもそれだと轍のない砂地を走ることになるんで、かなり力技になるんだけどね。きついけど楽しかったよ。肩は全く気にならなかったね、でも腰が痛かったよ。ただ調子はかなり良かったから、いい結果に繋がったよ。」ファン・デル・ポエルは例年以上に充実した開幕ダッシュを決めた。
今回のレースで2位に入ったのはラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ)、小さな巨人と呼ばれ強さを誇った男は、ここ数シーズン苦戦を強いられてきたが、今シーズンはいい感じで2位をキープした。

『砂地バトル ©Tim D Waele 』
そのファン・デル・ハールの後塵を拝したのがファン・アールト、アメリカでの連戦では表彰台にさえ近づけなかった男は、ここへ来てようやく本来に姿を取り戻しつつある。レース中盤には最速ラップを叩き出し、5位争いから抜け出し単独2位に躍り出るが、しかしこのレースでは砂地でファン・デル・ポエルに遅れを取り、そしてメカトラにも泣かされ最終ラップで順位を落とした。ローレンス・スウィーク(エラ・サーカス)に一度は抜かれるが、すぐさま順位を奪い返した。しかしピット横を走行中にまさかのパンク、ピット入り口まで逆走してバイク交換をして再スタートを切った。その間に再びスウィークとファン・デル・ハールに抜かされるが、最後は地力で3位表彰台を確保してみせた。

『トップ4の顔ぶれを見れば世代交代を感じる ©Tim D Waele 』
ケヴィン・パウエルスとクラース・ファントルノート(マーラックス・ナポレオンゲームス)、トム・ミーウセン(ベオバンク・コレンドン)らベテラン勢は完全に若い勢いに押されて下位に沈んだ。シクロクロス界での世代交代が進んでいる。

『ファン・アールトの表情は渋い ©Tim D Waele 』
ワールドカップシクロクロス第3戦コクサイデ
1位 マシュー・ファン・デル・ポエル(ベオバンク・コレンドン) 1h02’41”
2位 ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ) +39”
3位 ワウト・ファン・アールト(クレラン・チャールス) +50”
4位 ローレンス・スウィーク(エラ・サーカス) +1’15”
5位 ダビ・ファン・デル・ポエル(ベオバンク・コレンドン) +1’29”
6位 ダーン・ソーテ(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’30”
7位 クインテン・ハーマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’47”
8位 マイケル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ナポレオンゲームス) +2’00”
9位 ヴィンセント・バエスタンス(フリー) +2’12”
10位 イェンス・アダムス(パウエルス・サウゼン・ファスゴエサービス) +2’18”
H.Moulinette