JAPAN CUP2017:連日の雨もなんのその、カノーラが史上初のクリテリウムとロードレース完全制覇を達成!

今年もヨーロッパでのシーズンが終わり、レースはアジアへと移ってきた。中国では新たに設立されたワールドツアーのツアー・オブ・グワンシー(広西チワン族自治区)が行われる中、毎年恒例のJAPAN CUPが今年も行われた。そして史上初、マルコ・カノーラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が同土曜日のクリテリウムと日曜のロードレースを制し、同一選手による完全制覇を達成した。

『雨が選手たちの体を冷やした ©Tim D.Waele 』

『鳥居越しにレースを望む ©Tim D.Waele 』
まず土曜日のクリテリウム、レース序盤から積極的に動いたのはなんとアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレド)、今シーズン限りでの引退を決めている男が別府史之(トレック・セガフレド)の3連覇のために牽引する。しかしこの日のレースはトレックセガフレドがその存在感を発揮するが、そのためか積極的な動きがあまりないままに、スプリント賞周回以外はただ淡々と周回をこなしていく。そして最終周回、最後のコーナーをクリアしてゴールへ向かうが、ここでも誰も積極的な仕掛けを見せない上に、おまけに落車も発生してしまう。そしてこの落車も味方につけたのがカノーラ、スペアバイクに乗っていた男がロングスパートを仕掛けると、誰もそれを捉えることが出来ず、カノーラがまずクリテリウムを制した。

『クリテリウムを制したのはカノーラ ©Tim D.Waele 』
ジャパンカップクリテリウム
優勝 マルコ・カノーラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 43’57”
2位 ホァン・ホセ・ロバト(ロットNLジャンボ)
3位 ブラム・ウェルテン(BMC育成)

『積極的な動きが連発 ©Tim D.Waele 』

『最終周回で決着 ©Tim D.Waele 』
そして台風が近づき大雨のため10周回に短縮となったジャパンカップロードレース、優勝候補に挙げられていたカノーラがここでもその実力をいかんなく発揮してみせた。
荒れた天候の中、参加している全てのワールドツアーチームが積極的な動きを見せる。それにより激しい攻防線が繰り広げられた。一時は全選手のの4分の1が逃げる展開となるが、最終ラップになり、クリテリウムを制したカノーラ、ベンジャミン・プラデス(チーム右京)、雨澤穀明(宇都宮ブリッツェン) 、トマ・ルバ(キナンサイクリング)、アントワン・トルーク(ロットNLジャンボ)に絞られる。

『力強くガッツポーズを決めたカノーラ ©Tim D.Waele 』
スプリントで先に仕掛けたのは今シーズン成長株の雨澤、だが世界を戦う男の速さはやはり凄まじかった。カノーラがまたしてもスプリントを制しての余裕の勝利、1人別次元の加速にライバルたちは圧倒された。2位にはプラデスが入り、世界レベルの速さをヨーロッパでも体感してきた雨澤が地元に表彰台フィニッシュをもたらした。
偶然か、クリテリウムでは雨乞竜己 ( キナンサイクリング )が4位、この日は雨澤穀明と、雨の降る中で”雨”を名に持つ男たちが日本人最高順位を獲得してみせた。

『カノーラが史上初のクリテリウムとロードの同時制覇 ©Tim D.Waele 』
1位 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
2位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京)
3位 雨澤穀明(宇都宮ブリッツェン)
H.Moulinette