ツアー・オブ・ターキーで3連勝を含め6ステージ4勝!サム・ベネットが来シーズンへ向け大きなステップ!最強スプリンター争いに名乗りを上げる!
昨日まで行われていたツアー・オブ・ターキー、ワールドツアーに格上げされた今シーズン、そのレースで圧倒的な存在感を見せたのはサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)だった。ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ)が逆転総合優勝を飾ったこのレースで、第1ステージからまず3連勝、山岳ステージを挟んだ第4ステージも勝利と全6ステージ中4勝を挙げた。最終ステージも勝利のチャンスが有ったがまさかの落車となってしまったが、それでも今大会を通じて来シーズンの最強スプリンター争いに名乗りを上げた形だ。
ベルギー生まれの26歳、今シーズン初めてワールドツアーチームに昇格を果たし、世界最強の男、世界チャンピオン、ピーター・サガンのチームメイトでもある。ここまで際立った成績は収めては来なかったが、ボーラ・ハンスグロエに移籍しサガンのチームメイトととなり、より高いレベルで自らを高めることが出来るようになったことにより、今シーズンはここまでかなりのレースで目立つ存在となっていた。
そして主力級選手がヨーロッパでのシーズンを終え、オフシーズンと入っていく中で、ワールドツアーのツアー・オブ・ターキーは若手選手たちにとっては格好のアピールのチャンスとなった。第1ステージで勝利を上げると、その勢いのままに第3ステージまで連勝でハットトリック達成、そのままさらに第5ステージでも勝利を重ねると、最終ステージでも落車こそしたものの、勝負勘の良さは見せてくれた。
今シーズンはかつての最強スプリンターと呼ばれたアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)やマーク・カベンディッシュ(ディメンション・データ)が勝利できなくなり、代わりにマルセル・キッテル、エルナンド・ガヴィリア、マッテオ・トレンティンのエティックス・クイックステップトリオ(来シーズンは2人が移籍)、アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ・アルペシン)、カレブ・イーワン(オリカ・スコット)ら新たな選手たちがその覇権を競い合っている。そこに来シーズンベネットが新たに名乗りを上げた形だ。もちろんチームとしてはスプリントに圧倒的な自信を持つサガンが中心となるが、サガンが出場する以外のレースでは間違いなくその役割はベネットに任せられることとなるだろう。今シーズンの経験が、間違いなく来シーズンへと繋がることが予想される。
「この大会にはステージ優勝を目的できたんだよ。それがまずできたことで目標は達したね。もちろん今大会には第一線級の選手が来ていないとはいえ、このレースはワールドツアーであることには変わりないし、UCIポイントを獲得できるからね。正直僕は本命視されていないと思っていたから、そこまでマークされているという感じはなかったね。でもだからこそ勝たなきゃいけないというプレッシャーに襲われたよ。これで負けたら皆の思っていたとおり、本命レベルの実力がなかったということになるからね。でも勝利数を重ねたら皆が僕をマークしてきて、実はそれでレースはやりやすくなったんだよ。皆が僕の一挙手一投足に注目するから、僕は他の選手を気にせずに思い通りに走れたんだよ。」
「毎年目標は10勝だったけど、この4勝で合計10勝になったよ。これは毎年目標にしているんだけど、達成は容易じゃないんだよね。今年はじめてそれを達成できたよ!この勝利は間違いなく来シーズンに向けての自信になるよ。今シーズンはツアー・ダウン・アンダーから始まり、このレースまで長かったから、これからゆっくり体を休めるよ。」
2018年度はこの男に注目だ。
H.Moulinette