[アブダビツアー2018] アブダビツアー2018:今年も止まらぬベテラン最強オールラウンダーの勢い!最終第5ステージを制したバルベルデが大逆転で総合優勝!快進撃のステルス走法は今年も健在

『この男の辞書に衰えという文字はあるのだろうか? @Tim D Waele』
中東決戦最終戦となるアブダビツアー、大会前半は今シーズン絶好調のエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)がここでも勝利を重ねその存在感を強く示したが、最終的にすべての話題と注目を奪い去ったのは、またしても大ベテランの最強オールラウンダー、ケガから復帰してからも絶好調のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)だった。最終ステージの頂上ゴールを制すと、そのまま総合でも大逆転で総合優勝を果たし、昨年度の序盤戦同様に今シーズンも序盤戦からその存在感を際立たせている。 これで早くも今シーズンステージレースで総合優勝2回、今年もこのまま快進撃を続けそうだ。

『クリストフがようやくの勝利 @Tim D Waele』
今大会第1ステージを制したのは新天地への移籍を決断したアレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)だった。同じく未勝利の移籍組のマルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン)、すでに新天地で勝利量産中のエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)を相手に向かい風の中で強さを発揮、ようやく勝利をつかんだ。
「アシストを失ったんだけど、イーワンがいたからそれを利用させてもらったよ。この勝利は本当に大きいね、これでようやくほっとしたよ。」クリストフは安堵の表情を浮かべた。

『ヴィヴィアーニが好調だ @Tim D Waele』
第2ステージでは今シーズン絶好調のヴィヴィアーニがきっちりと勝利、そのまま総合でも首位に立ち、勝利を量産するチームにさらに勲章を加えた。「今日の勝利はチームワーク以外の何物でもないよ、僕が望んだとおりにチームメイトたちがきっちりとお膳立てしてくれるんだ。これがチームワークの力だよ。」新天地で勝利を積み重ねる男は、いかにチーム力が勝利に直結するかを肌で感じている。

『5人の写真判定という大混戦 @Tim D Waele』
第3ステージを制したのはフィル・バウハウス(サンウェブ)だった。横一線5人の選手が同時に体を投げ出す際どい勝負は写真判定に持ち込まれた。そして今シーズン唯一勝利がなかったワールドツアーチームがここでようやくの勝利をつかんだ。勝利出来ないキッテルはここでも2位に終わり、いまだに今シーズン未勝利、こちらはまだまだ終わらないウィニングレスストリークが続いている。勝利することはできなかったが4位に入ったヴィヴィアーニは総合リーダーの座を難なく守り切った。「勝負では負けたけど、これだけの勝負が毎ステージ出来ていることの意味は大きいよ。」ヴィヴィアーニは納得の表情を浮かべた。

『デニスがこれ以上ない個人TTを披露 @Tim D Waele』
第4ステージの個人TTを制したのは元アワーレコードホールだーのローハン・デニス(BMC)だった。その力強い走りで問題なくステージ勝利を獲得すると、総合でも一気に首位に立った。このステージでアレハンドロ・バルベルデがステージ9位、これにより一気に総合8位に浮上し最終日の頂上決戦へ臨むこととなった。

『山岳勝負では譲らない @Tim D Waele』

『最後は勝利をきっちり奪い取る、これがこの男の強さ @Tim D Waele』
そして最終第5ステージ、最後にすべての話題をさらっていったのはバルベルデだった。勝負は最後ののぼり勝負となるが、モビスターとアスタナが激戦を繰り広げる。結果を残さねばチーム存続の危機となるアスタナはこのレースでも積極的な動きを見せる。残り8㎞を切り一気に加速する勝負は、残り7㎞でバルベルデが遂に戦闘態勢へと入る。ライバルのアタックに反応したバルベルデは、そのままミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)を引き連れゴールまで走り切った。一時はバルベルデに対応していたジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)はラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)やウィルコ・ケルダーマン(サンウェブ)らとともに頂上ゴールをこなしステージ3位、総合系へとステップアップが期待される若手も結果を残した。
バルベルデはこのステージ勝利で総合優勝、ケルダーマンが2位、そしてロペスが総合3位へとジャンプアップを果たして表彰台の一角を確保、アスタナにとってはこれもまた貴重な結果となった。

『表彰台の中央にはステルス走法のバルベルデ @Tim D Waele』
昨年同様に抜群の安定感と強さを見せるバルベルデ、とても40台が間近に迫るとは思えない勝負勘と切れ味で今年も年間を通して安定した結果を残してくれそうだ。年間王者を常に視野に入れている男の走りから目が離せない。
アブダビツアー2018
総合優勝 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 16h00’11”
2位 ウィルコ・ケルダーマン(サンウェブ) +17”
3位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +29”
4位 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ) +31”
5位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +45”
6位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’13”
7位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ) +1’18”
8位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +1’28”
9位 ローハン・デニス(BMC) +1’29”
10位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’37”
H.Moulinette