[オムループ・ヘット・ニウスブラッド2018] オムループ・ヘット・ニウスブラッド2018:「やばい、全力勝負できるのマジで楽しいわ!」無給のアスタナのヴァルグレンがソロアタックで快心の勝利!クラシック得意のファンマルケは3位に沈む
『揺さぶりを仕掛けながら隙あらば @Tim D Waele』
今シーズンもいよいよ始まった春のクラシックシーズン、その行方を占う上でオープニングレースとなるオムループ・ヘット・ニウスブラッドは重要なレースとなる。そんなレースを制したのはエースだったファビオ・アルーがチームを去り、グランツールのエース格を失ったことでメインスポンサーであるカザフスタン政府からスポンサー資金を暫定的に停止されてしまい苦境に立たされることが予想されていた悩めるアスタナの中堅、ミカエル・ヴァルグレンだった。
「勝負どころのミュール(丘)で勝敗を左右する逃げ集団が形成されたんだよ。その時僕らは3人も集団に送り込んでいたから、何か仕掛けなければならないと思ったんだ。オスカル・ガットとアレクセイ・ルチェンコが僕と一緒にいたんだけど、ルチェンコが今絶好調で彼がエースだったんだよ。だからそこは僕がどう動くかに勝負がかかっていたんだ。だからファンマルケのアタックに対してカウンターアタックを仕掛けたんだよ。そうしたら誰が僕を追うかでお見合いしたんだよね。その5秒が僕にとっては十分なタイムとなったんだよ。本当にこの勝利が嬉しいよ!出来れば今シーズンはビッグなクラシックレースのタイトルに挑戦したいね。去年初めて挑戦させてもらえたんだけど、ツアー・オブ・フランダースで11位だったからね。あと勝利には実力だけじゃなくて運も必要だよね。やばい、全力勝負できるのマジで楽しいわ!」勝負運も手にしたヴァルグレンの走りは今後要注意だろう。
クラシックシーズンの開幕は氷点下を少し上回る寒さの中でスタートをする。序盤から中盤にかけ積極的に動きを見せたのはフィリップ・ジルベール、ゼネク・スティバーのクイックステップ・フロアーズコンビ、さらにはグレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(BMC)やアンダルシアで総合優勝を果たしたティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)らだ。それに対してクラシックの勝利を狙っているマイケル・マシューズ(サンウェウブ)やジャコモ・ニッツォーロ(トレック・セガフレド)は落車でそのチャンスを逸してしまう。
さらにはこの日は向かい風が選手たちを苦しめた。そして勝負どころとなったミュール・ファン・ガーズベルゲンでセップ・ファンマルケ(EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール)のアタックに合わせて動いたのは13人、新天地移籍のマッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)やシクロクロス世界選手権3連覇のワウト・ファン・アールト(ヴェランダズ・ウィレムス・クレラン)など強豪が含まれるその中にアスタナは3人を送り込むことに成功する。何度となく積極的に仕掛けるのはヴァルグレン、ルチェンコとガットのために揺さぶりをかけ続けるが、ライバルたちもそれにきちんと対応し続けた。
しかし残り2.5㎞でのヴァルグレンのアタックに対してファンマルケらはお見合いをしてしまう。この一瞬の間の間にヴァルグレンは抜群の加速をもせ一気に集団を引き離していく。しびれを切らしファンマルケが自ら追うが時すでに遅し、勝負は決していた。2位争いを制したのはルーカス・ウィニオウスキー(チームスカイ)、ファンマルケは徹底したマークにあい続け、3位に沈んだ。
アスタナは今シーズン序盤から死に物狂いでのアピールを続けている。そしてそれがきっちりと結果に繋がっている。グランツールでの苦戦は予想されるが、それでも今現在無給で既存の選手たちは戦前の予想を上回る活躍をシーズン序盤で披露、勝利を量産中だ。ハングリーさと必死さが加わったアスタナの猛者どもは手強い。
オムループ・ヘット・ニウスブラッド2018
優勝 ミカエル・ヴァルグレン(アスタナ) 4h50’14”
2位 ルーカス・ウィニオウスキー(チームスカイ) +12”
3位 セップ・ファンマルケ(EFエデュケーション・ファーストドラパックp/bキャノンデール)
4位 ジャスパー・ストゥーヴェントレック・セガフレド)
5位 フィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ)
6位 エドワード・テウンス(チームサンウェブ)
7位 バート・ファン・レーベルへ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)
8位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)
9位 アルノー・デマール(FDJ)
10位 マーカス・ブルグハート(ボーラ・ハンスグロエ)
H.Moulinette