チームオーダーに従わなかったツール・ド・フランス山岳賞のワーレン・バルギルがブエルタから強制送還に!

あまりにも突然だった、今年のブエルタ・ア・エスパーニャで結果を期待されていたワーレン・バルギル(チームサンウェブ)がチームオーダーに従わなかったとして明日以降の出走取りやめ、強制送還となった。今年のツール・ド・フランスで総合10位に入り、また山岳賞も獲得したが、その直後に来シーズンのフォーチュネオ・オスカロへの移籍を発表しただけに、いろいろな憶測が立てられるが、真相としては今大会でチームのナンバーワンエースのウィルコ・ケルダーマンが第7ステージパンクで遅れた際に、チームオーダーが出ていたにも関わらずそれをアシストしなかったこと、それに加えて自分の走りに徹したいという本人からの要請がチームの和を乱すと判断されたようだ

『バルギルがまさかの強制送還 ©Tim D Waele 』
バルギルは自らの結果を求め、山岳では自由に走れるようにして欲しいとチームに嘆願していたが、今シーズン限りでチームを去る人間にその勝手を許せば、チームとして戦っている以上示しがつかないとして、チーム判断による強制送還となったようだ。
「きちんとしたチームオーダーが可能なうちは、それに従って走るのがチームスポーツとしてのロードレースだ。自由気ままに勝手に仕掛けていいような個人競技ではないんだ。バルギルがきちんと自分の口で、自由に走りたいという意思を示してくれたことには感謝しているが、結果としてそのような姿勢の選手がいることで、チームの和が乱されるのは避けたいがゆえの苦渋の決断となった。」チーム関係者は苦しい胸の内を語った。
現在バルギルは総合13位だが、総合14位と15位にチームメイトのウィルコ・ケルダーマンとサム・オーメンがおり、当初の予定通りケルダーマンを軸としてチームはレースを続行する。今回のような決定は極めて稀ではあるが、このレースのために準備してきた選手がいる以上、その選手たちを差し置いて自由に結果を求めて走らせると言うのは道理がまかり通らないということだ。
「今の僕ならツール同様に山岳でアタックをして結果を残せるんだよ。でもチームが下した判断は受け入れなければならないよ。」バルギルは悔しげに語ったが、今成長著しいこの男が山岳でどんな走りをするか見てみたかった気もする。
H.Moulinette