世界選手権の本命はだれか?ポガチャルのいない世界戦を狙うのは174㎞独走勝利のファン・デル・ポエルか、個人TT制したエヴァネポエルか、それともブエルタで縦横無尽大暴れのファン・アールトか
今年の世界選手権は予測困難だ。大会3連覇を狙っていたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)が骨折で出場できなくなったことにより、大本命の枠が一気に3人へと広がった。今年のカナダの世界戦コースはクラシックレースのような設定であり、クラシックスペシャリストがその表彰台の中央に立つべく準備万端で挑んでくる。その中でも抜きんでた才能の3人が覇権を狙っているのが今年の世界選手権だろう。

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まずその筆頭となりそうなのがマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)だろう。最終調整で出場したツアー・オブ・ルクセンブルグでは、その最終ステージで177㎞のうち174㎞を独走で勝利するという離れ業をやってのけた。このステージは総獲得標高が3000mを超えるハードなステージながら、最終的に後続に1分以上のタイム差を保ったまま勝利を挙げた。メイン集団も最大で5分差以上にまで広がったその差を詰めるべく追走を仕掛けたが、結果的に追走集団が一列に引き伸ばされてしまう状態となった。それほどまでにファン・デル・ポエルの速さが際立ち、集団での追走が困難となる状況を生み出した。ロードレースでは2023年に世界チャンピオンになっており、今年もシクロクロスでは8度目の世界チャンピオンを獲得している。2023年に引き続いて異種世界チャンピオン2冠を狙うのには視界良好、絶好調と言えるだろう。

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その対抗馬となりうるのはレムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラハンスグロエ)だろう。クラシックレースからグランツールでの総合争いまで演じる世代最強の一人ではあるが、ポガチャルという歴代最強の陰に隠れてしまってはいるのが現状だ。しかしながら個人TTに関しては史上初の4連覇を成し遂げ、今まさに絶好調と言えるだろう。ロードレースでは2022年に世界チャンピオンに輝いているが、その翌年から個人TTを勝利してもロードでは勝てないでいる。狙うは個人TTとロードの2冠、こちらも絶好調でモチベーション高く挑んでくるだろう。

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そのエヴァネポエルのチームメイトとなるのがワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)だ。シクロクロスの世界ではファン・デル・ポエルと最強ライバル関係にあり、シクロクロスの世界王者には3度輝いている。またファン・デル・ポエルに敗れて5度の世界戦2位ともなっている。今年のpブエルタ・ア・エスパーニャでは縦横無尽に駆け巡り、スプリント賞と総合敢闘賞、自らもステージ勝利2勝を上げつつチームメイトのマシュー・ブレナン(ヴィズマ・リースアバイク)の5勝をアシスト、さらには山岳賞ジャージ争いも繰り広げるなど、オールラウンドに暴れまくった。前での二人とは違いロードレースでの世界戦勝利はないが、個人TTで2位に2度、ロードレースでも2位に二度入るなど、あと一歩のところまで来ている。今回はベルギーチームとしてレムコとチームメイトでもあり、お互いをアシストしあう可能性はある。調子がいいほうが勝つという戦略になりそうな予感はしているが、それは裏を返せばファン・デル・ポエルに対して1対2の数的優位を作ることができることを意味している。
ポガチャルに続き、マティアス・スケルモース(リドル・トレック)とリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)の有力2人もブエルタ・ア・エスパーニャでの疲労から世界選手権を辞退しており、そうなればこの最強クラシックライダー3人の対抗馬となるのはいったい誰だろう。成長著しい若手選手たちもその表彰台の中央を狙うべく牙を研ぎ澄ませており、簡単なレースになりそうもない。一発勝負なだけではなく、通常の所属チームとは異なる国別対抗、しかしながら同じ所属チームの選手のアシストを受けることなどもあり、展開は複雑必死、今年の世界選手権は間違いなく歴史に残る大激戦となりそうだ。
H.Moulinette












