ツール・ド・フランス2026第21st:最終ステージはファン・デル・ポエルとポガチャルのアタックの応酬、最後はファン・デル・ポエルが2勝目、ポガチャルは総合優勝、山岳賞カラパズ、ポイント賞ピーダースン
今年のツール・ド・フランス最終ステージは山火事の関係もあり大幅にコースが短縮された。それにより選手たちはスタート地点までバスで移動となった。また総合のタイム計測も残り47㎞ほどのゴールライン通過時点で計測となり、この時点で全ての総合順位と各賞が確定となった。だがそれで終わりではない。最終日のステージ優勝争いはここから勃発することとなる。シャンゼリゼ通り、凱旋門、オベリスク、そしてモンマルトルの丘を周回するコースは、クラシックライダーたちの本能に火をつけた。今大会既にステージ勝利を挙げているクラシックの帝王マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)、歴代最強のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)、その二人と対等にクラシックで渡り合う世代最強のレムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、さらにはこのメンバーに喰らいつくのは複数のクラシック覇者のマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)がモンマルトルの丘で爆発的な加速を見せる。

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毎周回一度は後続集団に飲み込まれるが、次の周回ではまたもファン・デル・ポエルとポガチャルがアタックを仕掛ける。そして最終週界でも同じ二人がアタックを決めるとそのままゴールまで逃げ続けるべくペダルを踏み続ける。後続の集団はスプリンターがゴール勝負を目指し猛追してくる。ゴール前のストレートに入るとポガチャルはここで脚を緩め、それをスプリンターたちがあっという間に飲み込んでいく。コース左をファン・デル・ポエルが必死で踏み続ける中、ピーダースンがコース右側を猛然と爆走する。そしてその脇を駆け上がったのはヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)、ファン・デル・ポエルの位置を確認しながらのスプリントとなったが、ファン・デル・ポエルには届かず2位、だがそれを指で示して自チームでワン・ツーであることを高らかに宣言した。今大会フィリップセンは常にファン・デル・ポエルに助けられてきた中で、最後はそのファン・デル・ポエルとのワン・ツーをあえて狙ったようにも思えた。

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今大会を制したのは現役ながらに歴代最強男で、今大会でもステージ5勝のポガチャル、これが歴代最多タイ5度目のツール・ド・フランス制覇となった。他に5度制しているのはベルナール・イノー、エディー・メルクス、ジャック・アンティクス、ミゲル・インデュラインと伝説クラスの選手ばかりだが、なんとポガチャルはそれを史上最年少でやってのけた。長らく歴代最強と呼ばれ続けてきたメルクスは「ポガチャルなら同一年度すべてぼグランツール制覇ができる。」と断言している。

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総合2位には今大会ステージ2勝を挙げたエヴァネポエル、ワンデイクラシックではポガチャルとの直接対決で勝利も上げてきたが、ステージレースでは「ポガチャルは一人別世界の住人」と評するほどにその実力を認めている一人だ。だからこそポガチャルに次いでの総合2位には納得の表情を見せた。総合3位にはポガチャルの弟分アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)が入り、新人賞ジャージも獲得した。本来はポガチャルのアシストのラストマンだったが、疎のポテンシャルは高く評価されており、それを認めたポガチャルが英才教育とばかりにアシストしてのこの順位となった。だがいくらポガチャルにアシストされたからと言ってこの順位を獲得できるものではない。やはりその素質と可能性はこれから間違いなくレースシーンを盛り上げてくれるだろう。そしてそれは総合4位に入った驚異の19歳ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)にも同じことが言えそうだ。
山岳賞は今大会第3週目に逃げまくったリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)が獲得した。ポガチャルに勝利を奪われもしたが、ポガチャルが「カラパズの日は来る」という予言通り、その後ステージ2勝を挙げ、さらには最難関ステージの今大会最高標高ガリビエ峠で山岳賞を確定させるというドラマチックな展開を見せつけた。結果総合も一桁の8位、その走りが評価され、総合敢闘賞も獲得、手術から復帰してきた中堅総合系はまだまだこれから暴れてくれそうだ。

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ポイント賞はマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)が初めての栄冠に輝いた。過去にはブエルタ・ア・エスパーニャで2度、ジロ・デ・イタリアで1度ポイント賞を獲得しており、これですべてのグランツールでポイント賞ジャージを獲得したことになった。これは過去に5人しか達成しておらず、ピーダースンは6人目となった。今大会では平坦スプリントステージでは第4ステージは優勝したが、それ以外ではトップ10入り程度の順位が多かった。それにより前半ではビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)と中盤ではティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ))と、終盤にはフィリップセンとの争いになったが、最終的にものを言ったのは山岳ステージでの中間スプリントポイントの積み重ねだった。フィリップセンが純粋なスプリンターで上れないのに対し、ピーダースンはクラシックもこなせ上りもそこそこ走れてしまうタイプだ。それを生かしてのこのポイント賞獲得は、見応えがあった。

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チーム総合はリドル・トレックが獲得した。一時はUAEチームエミレーツXRGに逆転されたものの、ホァン・アユソとマティアス・スケルモースの二人が総合トップ10に入る走りを続け、また安定して毎ステージ計測対象の3人目の選手(アシストの誰か)も上位に入り続けたことで、病人とけが人で山岳をこなせるアシストが少なくタイムを伸ばせなかったUAEチームエミレーツXRGを再逆転した。
マシュー・ファン・デル・ポエル(ステージ1位)
「去年体調不良でテレビでこのステージを見たときから、自分だったらどう走るかをイメージしていたy。そしてその通りの展開に持ち込めて勝てたんだから、夢のようだよ。本当にきつかったよ。世界トップクラスの選手たちが集まっているからね。特にポガチャルは尊敬しているんだ。でも正直捉まると思ったんだけど、顔を上げずに最後までペダルを踏み続けたんだよ。」
ツール・ドフランス第21ステージ順位
1位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック) 1h58’49”
2位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)
3位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
4位 マックス・カンター(XDSアスタナ)
5位 オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)
6位 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 リック・プラマース(チュードル・プロサイクリング)
8位 アンソニー・チュルギス(トータルエナジーズ)
9位 ミラン・フレティン(コフィディス)
10位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJユナイテッド)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 73h53’26”
2位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +6’26”
3位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +9’42”
4位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM) +11’56”
5位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス) +13’02”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +14’59”
7位 ホァン・アユソ(リドル・トレック) +17’48”
8位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +20’00”
9位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング) +29’28”
10位 ジョーダン・ジェガット(トータルエナジーズ) +33’21”
岳賞
リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)
ポイント賞
マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
新人賞
アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)
総合敢闘賞
リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合
リドル・トレック
H.Moulinette












