ツール・ド・フランス2026第17st:5度目の正直、フィリップセンが遂にステージ勝利!さらにポイント荒稼ぎで一気にピーダースンと僅差に!リドル・トレックの作戦は完全に裏目に
展開というのは最後まで分からないものだ。この日は中間スプリントがゴールに近く、そのポイントを獲得するためには逃げに乗る必要があるというのが見立てだった。さらにこのステージで中間スプリントをしっかりとれば、この日の結果次第でポイント賞ジャージを高確率で確定的に持っていけると可能性もあったためリドル・トレックはポイント賞ジャージをリードするマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)の為に動いた。それによりライバルの一人ビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)を離脱させることに成功した。しかし今大会未勝利ながら中間スプリントで荒稼ぎしポイント賞ジャージ争いに名乗りを上げているヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)は振り落とすことができなかった。
そして迎えた中間スプリントではリドル・トレックのチームワークが機能、逃げ集団からさらに早目に飛び出していく作戦でピーダースンがトップ通過しポイントを稼ぎ出した。さらに芽を摘むべくリドル・トレックのほかメンバーが粘って抑え込もうとしたが、フィリップセンに後続集団での先頭通過を許してしまう。そしてここから再び集団が一つになると、フィリップセンのアシストマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)の存在感が展開を大きく変える。今大会既にステージ勝利を挙げており、またクラシックライダーとしてこの日のようなステージを得意としており、勝利を狙いに来るのではという推測もできる状況に、リドル・トレック以外のチームが警戒した動きを見せたのだ。

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これにより人数を減らしたスプリント勝負の中で、リドル・トレックはアシストを使い果たしピーダースンが単独となったのに対し、フィリップセンは最強リードアウトのファン・デル・ポエルが機能する条件が整う。この申し分ない状況にフィリップセンは5度目の正直で遂に今シーズンツール初ステージ勝利、しかも後続を大きく突き放す快心のスプリントとなった。これでポイント賞争いで一気にピーダースンとの差を7ポイントにまで詰め逆転が射程圏内に入った。リドル・トレックとしてはまさに悪夢のような展開、この日ポイント賞ジャージを確定的にさせるどころか、上り調子のフィリップセンをさらに勢いづかせてしまう結果となった。
ステージに2位には先日逃げ切り勝利を決めたマウロ・シュミット(ジェイコ・アルーラ)が大方の予想を覆して入り、オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)が3位に入った。ピーダースンはスプリントで埋もれてしまい8位、長らく着用し続けてきたポイント賞ジャージが遂に危険水域に入ってしまった。また総合勢はこの日は動かず、翌日からの最後の山岳バトルに脚を温存した。
175㎞のこのステージは、リドル・トレックが最初から狙っていた。そのため前半から逃げの飛び出しを許さず、自分たちのタイミングで逃げを形成できるまでメイン集団を抑え込む展開となる。途中トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)とレニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)が落車に見舞われたが、それでも展開の激しさはなかなか落ち着かなかった。
たいしてアルペシン・プレミアテックも黙っていない。ファン・デル・ポエルがアタックを仕掛け逃げを形成するような牽制を見せると、これにピーダースン自身が反応しこれを潰していく。この日は山岳ポイントも多く、逃げ切りの可能性もあるだけに多くの選手たちがアタックの応酬を繰り返す。リドル・トレックとしては、ここでの労力の消耗が最終的にボディーブローのように効いていくこととなった。そしてこの段階でギルメイは早々と脱落、リドル・トレックの思惑の一つは成功する。

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そしてステージ中盤、ファン・デル・ポエルを中心に16名の逃げが決まる。総合争いから脱落したジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)やイーガン・ベルナル(ネットカンパニー・イネオス)さらにはクラシックを得意とするヤスパー・ストゥーヴェン(ソウダル・クイックステップ)もそこに加わる。リドル・トレックもここにクイン・シモンズを送り込んだことで、この逃げの追走を役割づけられたのはコーイで勝利が欲しいデカスロンCMA・CGMだった。逃げにさらに3人がブリッジをかけ19名になると今度はUno-Xモビリティが追走の役割を担う。そして残り65㎞、先頭と追走の差が20秒まで縮まると、ピーダースンが自ら逃げへの合流を目指して動く。これに反応したのはコーイら10名、だがこの段階でフィリップセンはこれには反応できずに置き去りにされてしまう。
ピーダースンの合流とフィリップセンの位置を確認すると、リドル・トレックはシモンスがフィリップセンをさらに突き放すべく力強く牽引を始めると、中間スプリントを前にピーダースンは先頭グループからアタックを仕掛け、先頭グループを分断する。ピーダースン、ストゥーヴェン、ミカル・クウィアトコウスキー(ネットカンパニー・イネオス)ら強力な6名はそのまま後続との差を一気に1分以上にまで広げていく。
だがこれにより分断された逃げ集団はペースが落ち、追走してきていたフィリップセンらと合流する形となる。残り42㎞の時点でピーダースンとの差は1分16秒にまで広がり、中間スプリントまでに追いつくことは困難となった。この段階で6名の先頭集団に対し追走のフィリップセンらは38名にまで膨れ上がり、そのさらに後方に総合勢の集団という形となった。

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残り28㎞での中間スプリントはピーダースンが難なくトップ通過するが、その背後の集団ではフィリップセンがリドル・トレックのアシストを封じて先頭の7位通過を果たす。先頭ではここからストゥーヴェンがアタックを仕掛け単独となるが、これによりポイントがさらに広がりポイント賞争いで優位となったことでピーダースンは脚を緩め、フィリップセンら追走集団に追いつかせることを選択した。

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自ら動き続けつかれたピーダースンに対し、大人数での追走にさらにファン・デル・ポエルの存在がこの語大きく展開を変える。ストゥーヴェンの単独逃避行は残り3.7㎞で潰えると、ここからゴールスプリントへ向け激しい展開となる。だがスプリントに持ち込みたくないチームは早仕掛けに打って出るなど、ペースが高いまま激しい応酬となる。ファン・デル・ポエルもアシストとしてではなくステージ勝利も狙えるというそぶりを見せることでハイペース化を加速、それによりここへきてリドル・トレックはエースのピーダースン1枚しか残らない状況となった。これを確認するかのようにファン・デル・ポエルはフィリップセンを引き連れ今大会5度目の完璧なお膳立てを披露、満を持して飛び出したフィリップセンは切れ味鋭くライバルたちを圧倒して見せた。

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ヤスパー・フィリップセン(ステージ1位)
「今大会は気分がアップダウンが激しくローラーコースターのようだよ。第17ステージまで勝利できないなんて思ってもいなかったからね。第12ステージまでは本当に酷かった、自分自身勝てないことで負のループに落ち込み、チームの努力をすべて無駄にしてきたからね。でもここで勝ててよかった、この勝利は僕を信じ続けてくれたチームのものだよ。」
ツール・ドフランス第17ステージ順位
1位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック) 3h41’13”
2位 マウロ・シュミット(ジェイコ・アルーラ)
3位オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)
4位 レニー・アスキー(MSNサイクリング)
5位 リック・プラマース(チュードル・プロサイクリング)
6位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJユナイテッド)
7位 フーブ・アルツ(ロット・インターマルシェ)
8位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
9位 マイケル・マシューズ(ジェイコ・アルーラ)
10位 アーロン・ゲイト(XDSアスタナ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 60h04’17”
2位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +4’32”
3位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +6’51”
4位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM) +7’11”
5位 ホァン・アユソ(リドル・トレック) +9’22”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +10’14”
7位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス) +12’50”
8位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング) +12’58”
9位 ジョーダン・ジェガット(トータルエナジーズ) +22’50”
10位 ヤニス・ヴォイサード(チュードル・プロサイクリング) +24’18”
H.Moulinette












