ツール・ド・フランス2026第12st:最強はどこからともなく現れる、メリエールがラバルたちの背後から忍び寄りそのまま一気に加速して今大会3勝目!フィリップセン4度目も雪辱ならず

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今大会最後の純粋なスプリントステージとも言われた第12ステージ、予想通りのスプリント勝負となったが、満を持して4度目の正直を狙ったヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)はまたしても勝利に届かずステージ3位に沈んだ。そして今大会ここまで最強のスプリンターの称号を手にしたのはティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)、アシストがいなくてもお構いなし、ライバルたちの隙間を縫うように変幻自在の動きを見せると、そのまま一気にギアを上げトップスピードに乗ると、そのままゴールパフォーマンスまでする余裕さえ見せての勝利となった。既にステージ2勝を上げながらも、昨日のステージでスプリントにもかかわらず影も形もなかった男が、仕切り直しのこの日のステージでは鮮やかに勝利を挙げ今大会3勝目、ハットトリック達成となった。

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この日の逃げの最後の一人、バプティスト・ヴェイストロファー(ロット・インターマルシェ)は今大会3度目の敢闘賞を確保したが、逃げ切れるほどこのステージは甘くなかった。早めの残り31㎞でヴァイストロファーが捉まると、この日波状攻撃を仕掛けたのはリドル・トレックだった。クイン・シモンス(リドル・トレック)のアタックを皮切りに、まディアス・スケルモース、デレク・ジーウエスト、トム・スクインス、マッズ・ペデルセン(すべてリドル・トレック)が代わる代わるアタックを敢行する。目的は分かりやすく、スプリンターたちをかき回すことトレースを盛り上げること、チーム総合でUAEチームエミレーツXRGを抑えて首位に立つ強豪チームだからこそできる芸当で残り5㎞の救済措置区間を迎えるまで激しい動きを繰りた。

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そして迎えたスプリント。マティアス・ヴァチェック(リドル・トレック)の先導でピーダースンが、そしてこの日も最強のお手本のようなトレインを見せたのはアルペシン・プレミアテックだった。さらに残り1㎞を切るとメリエールはヤスパー・ストゥーヴェン(ソウダル・クイックステップ)に導かれて戦線に顔を出すが、ストゥーヴェンがパンクしていたことで、リードアウトを失いここから彷徨うこととなる。先行するのは完璧なリードアウトトレインのアルペシン・プレミアテック、その左後方にいたメリエールは進路がなくなったように思われた。だが次の瞬間だった。目の前のミラン(コフィディス)が右寄りに進路を移すことを察して一瞬足を止めたメリエールは、フレティンをやり過ご巣とその逆サイドのひだ入側に開いた隙間に体を捻じ込んでいく。蛇がうねるかの如くうねったまま視野が開けると、そこからターボ全開、爆発的な加速でライバルたちを一気に突き放して勝利を射止めた。これで自身通算75勝目の勝利となり通算100勝も視野に入り始めるころだろう。

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ステージ2位にはオラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)が入り、今回も勝てなかったフィリップセンは3位が入り、ポイント賞争いを繰り広げているビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)が4位に入った。そしてこのステージではゴール前でフェルナンド・ガヴィリア(カハルーラル・セグロスRGA)の落車をきっかけに大落車が発生、昨日の勝者ソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ)もその犠牲となり路面に叩きつけられた。

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この日も総合勢は動くことはなかったが、本来ならゆっくりとできるはずのステージだったが、リドル・トレックの荒れた戦法に振り回され、かなり脚を使わされる結果となった。

この日も序盤から昨日同様にジュリアン・アラフィリップ(チュードル・プロサイクリング)が元気なところを見せる。だがその動きは実らず、結局ヴァイストロファーを中心とした4人がこの日のペースメーカーとなった。しかし昨日同様にこの日もハイペースな展開に、逃げもあっという間に疲労で分散、順番に吸収されてしまい、ヴァイストロファーは最後まで残って見せた。今大会3度目の逃げだが、一度は終始単独というかなりレアケースとなり、結局今回も最後はソロで逃げ続けることとなった。
そして迎えたスプリントでは、勝負勘抜群のメリエールがライバルたちの動きを巧みに利用してステージ勝利を挙げた。

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ティム・メリエール(ステージ1位)
「うちの息子はまだ幼いけど、今日の勝利は覚えているかもね。まあ万が一忘れててもあとから見れるからね。息子が来てくれていたのはモチベーションアップにつながったよ。今日は無線が壊れてしまっていたので、それを調整している間に逃げが決まってしまったんだよ。あとはひたすら耐えるだけだったね。最後の上りを上り終えた時点で脚が好調だったんで行けると思ったよ。昨日は結果的に囲まれてしまって出られなかったんで、今日は視野が開けるような位置に陣取っていたんだよ。あとは冷静に自分の間合いまで待つだけだったよ。」

ヤスパー・フィリップセン(ステージ3位)
「敗北は敗北、それだけのことだよ」

ツール・ドフランス第12ステージ順位
1位 ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)  3h38’53”
2位 オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)
3位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)
4位 ビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)
5位 ミラン・フレティン(コフィディス)
6位 アンソニー・チュルギス(トータルエナジーズ)
7位 マックス・カンター(XDSアスタナ)
8位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJユナイテッド
9位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック))
10位 フーブ・アルツ(ロット・インターマルシェ)

ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   43h04’01”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +3’36”
3位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +4’06”
4位 ホァン・アユソ(リドル・トレック)   +4’22”
5位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)   +4’35
6位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +4’44”
7位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)   +5’08”
8位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)   +5’45”
9位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)   +6’34”
10位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)  +11’49”

H.Moulinette