ツール・ド・フランス2026第11st:史上最速の平均時速50.91㎞で161.3㎞を駆け抜ける驚異のハイスピードバトルはワーレンショルトが混沌のスプリントを早仕掛けで制す、フィリップセン三度勝利を逃す

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1999年伝説のスプリンター、マリオ・チッポリーニがステージ勝利した際のステージ平均速度は時速50.36㎞だった。それから27年、ついにツール・ド・フランス最速ステージ平均時速の記録が破られる瞬間が来た。ソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ)がスプリント勝利したこのステージ、記録した平均時速はなんと驚異の時速50.91㎞、過去の記録を大幅に上回る大記録の樹立という予想できなかった結末が待っていた。
そんなスプリントステージは、ゴール前でここまでスプリント勝利できていないヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)のためにこの日もスプリントトレインを形成、またもお手本のような隊列で勝利を目指す。だがこの綿密に計算された戦略をぶち壊してくれたのは、シース・ボル(デカスロンCMA・CGM)だった。残り1㎞を切ってからの攻防で、ボルは会心のリードアウトを見せるが、チームのエース、オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)はボルについていくことも反応もせず集団内で機が熟すのを待つ。当然マークするのはチームが完璧なお膳立てを目論むアルペシン・プレミアテックだったが、ここでほとんどのスプリンターが大きな過ちを犯す。

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ボルは後続、ましてやチームのエースが自分の走りについてこれない状況で踏むのをやめるが、この飛び出したボルを最高の形で活かしたのがワーレンショルトだった。コースバリア脇の狭いスペースを駆け上がった来たワーレンショルトは、そのまま一気に差がついていたボルへと早仕掛けをする。そして一瞬ボルの背後に入ったかと思うとそのままゴールラインまで猛然とペダルを踏みぬいて見せた。それに立ち遅れたライバルの選手たちは必死に追いすがったが、完全にしてやられたり、結局コーイが2位、フィリップセンが3位に終わり、このステージでもまたしても勝つことができなかった。さらにフィリップセンは一度降格処分が宣告され、その後それが撤回されたが勝利できなかった事実は変わらず2度あることは3度ある、またしてもチームのぜん立てを不意にした。
ワーレンショルトは今大会のスプリントでもいい走りを見せていたが、ここへきて大博打のロングスパートを見事成功させて見せた。これでUno-Xモビリティは昨年度のツールステージ優勝に加え、今年もツールでステージ勝利を挙げ通算2勝目となった。今大会ステージ3勝目を狙ったティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)だったが、このステージではいいところなくトップ10にすら入ることができなかった。またポイント賞ジャージのマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)もこの日もトップ10入りを逃し、ステージ6位のビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)との差が縮まる形となった。

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大会中盤の第11ステージ、スプリントステージとなることが予想されたこのステージは、ジュリアン・アラフィリップ(チュードル・プロサイクリング)を含めた4人の逃げが序盤に形成される。このままレースは大きな動きがないまま推移するが、途中アラフィリップが脱落市。逃げは3人へと数を減らす。この日はハイペースでレースが推移し続けるが、それでも逃げとメイン集団の差は残り25㎞を切り50秒を残している。だがスプリンターチームは明確にゴール勝負を欲しており、逃げ切りが飲み込まれるのは時間の問題だった。
そして残り6㎞で遂に逃げが吸収されると、展開は一気にスプリンターチームによる主導権争いへとシフトしていく。この日積極的に主導権を握ったのはMSNサイクリング、デカスロンCMA・CGM、さらにはUno-Xモビリティだった。だがどこの動きも決定打とはならず、残り1㎞を迎え状況は混沌とする。そんな中でもアルペシン・プレミアテックはきっちりアシストがエースを牽引し隊列を形成する。だが早めに動いたボルの速度が速すぎたために誰もそれを追随しようとしない。気づかないままボルが大きく先行し後ろを振り返ったが、そこからこのボルを生かすべく猛然と集団を飛び出してきたのはワーレンショルトだった。ライバルチームのアシストであると利用できるものは利用する、それが結果スポーツのロードレースであり勝利のチャンスを目の前にしたワーレンショルトはの勇気ある早仕掛けは鮮やかに決まることとなった。

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ソレン・ワーレンショルト(ステージ1位)
「正直結構後ろにいたんで半ばあきらめ気味だったんだけど、見たらコース右側の壁沿い、普段なら確実に閉められている場所がすっと開けていたんだ。オムループ・ヘット・ニウスブラッドの勝利の時と同じだったよ。急に勝利への道筋がそこに見えたんだ。信じられなかったよ。今大会調子もよかったし、運が良ければ勝利できるかなとは思っていたんだ。でも調子の浮き沈みが激しくてね。でも最後の進路が見えた瞬間にアドレナリンがドバッと出たんだよ。今日勝てるとは思ってなかったのに勝てたことは本当にマジか!って感じだったよ。」
ツール・ドフランス第11ステージ順位
1位 ソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ) 3h10’06”
2位 オラフ・コーイ(デカスロンCMA・CGM)
3位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)
4位 ミラン・フレティン(コフィディス)
5位 フーブ・アルツ(ロット・インターマルシェ)
6位 ビニアム・ギルメイ(MSNサイクリング)
7位 アンソニー・チュルギス(トータルエナジーズ)
8位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJユナイテッド
9位 フェルナンド・ガヴィリア(カハルーラル・セグロスRGA)
10位 パスカル・アッカーマン(ジェイコ・アルーラ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 39h25’08”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +3’36”
3位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +4’06”
4位 ホァン・アユソ(リドル・トレック) +4’22”
5位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM) +4’35
6位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +4’44”
7位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +5’08”
8位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +5’45”
9位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス) +6’34”
10位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング) +11’49”
H.Moulinette












