ジロ・デ・イタリア2026第1st:ブルガリアでの開幕を制したのはマニエ、残り700mでの集団落車を回避した12名のスプリントを制してマリア・ローザ獲得!1強のこの大会の行方や如何に
ついに開幕した今年の三大ツールの一つ、ジロ・デ・イタリア。今年はブルガリアをスタートしたこのレースは、昨年の総合優勝のサイモン・イェーツが1月に突然の引退宣言、彗星のように現れた総合2位のアイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツ)がツール・ド・フランス出場予定のため不在、そして総合3位のリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)が会陰嚢胞の手術からの復帰途中で未出場と昨年のトップ3が不在だ。そして多くの総合系選手がツール・ド・フランスに焦点を当てたために、今大会は実質的にヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)の1強といわれているが、果たして新星の誕生、唐突な才能、予想だにしない一発屋の降臨など、どんなドラマが待ち構えているのだろう。

©Giro d’Italia
そんなレースの最初のステージはゴールスプリントへ向け順調に進んでいった。しかし残り700mで集団落車が発生、コース左右から広がった落車により大集団は完全に進路をふさがれてしまう結果となった。しかし難を逃れた一握りの選手たちはそのままゴールスプリントへと向かっていく。先行したのは3度目のポイント賞ジャージを狙う本命ヨナタン・ミラン(リドル・トレック))のリードアウトマックス・ワルシェイド(リドル・トレック)だった。ミランの優位かに思われた展開はすぐに覆る。12名の中に3名を残したのはソウダル・クイックステップ、エースのポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ)を筆頭にアシストとリードアウトを残した完璧なお膳立てを披露した。
残り200mで先に仕掛けたトビアス・ランド・アンドレセン(デカスロンCMA・CGM)に対し、余裕をもって対応したのはマニエ、その背後に一瞬入りそのまま進路左へと展開しスプリントを開始する。ミランは完全に機を逃し後方からスプリントするが、22歳の勢いは止められなかった。マニエがそのまま先頭でゴール、ステージ勝利に加え、初日勝者の特権でもある総合リーダージャージ、マリア・ローザを獲得して見せた。2位にはアンドレセンがそのまま入り、イーサーン・ヴァーノン(MSNサイクリング)が表彰台最後の一角を手にした。
初日勝利したマニエはこれで総合リーダージャージのみならず、ポイント賞ジャージ、新人賞ジャージも手にすることとなった。昨年だけプロ19勝を荒稼ぎしたスプリンターは今シーズンもこれで早くも3勝目、ジュニアとしてMTBとシクロクロスでも経験を積んできた若人は、パワーとボディーバランスを兼ね備えた最強スプリンターへの道を着実に歩んでいる。

©Giro d’Italia
世界遺産の街をスタートした初日のステージはお約束通り即逃げが発生するが、これはペースメーカーとしての役割となる。マニュエル・タロッツィ(バルディアー二CSF7セイバー)とディエゴ・パウロ・セヴィリア(ポルティ・ヴィジットマルタ)の二人はここから淡々と展開し続ける。昨今のレースでは逃げを大きく容認することは減り、常に手綱が引ける射程距離においての展開となることが多い。この日もメイン集団は常に先頭の二人の2分ほど後方を走り続けた。
セヴィリアはトルコとの国境線に近づく山岳ポイントをトップ通過し、この日の山岳賞ジャージを確定させた。タロッツィはレッドブルキロメーターポイントをトップ通過し2500ユーロの賞金を獲得、それぞれしっかりと役割をこなしメイン集団へと吸収されていった。スポンサースポーツであるこの競技では、テレビカメラに映る時間も勝利同様に絶対正義であり、この日の逃げ二人はその任務を完遂した。

©Giro d’Italia
そして展開は一気に集団スプリントへ向けペースアップ、各チームがエーススプリンターを温存しながら隊列を組み、主導権争いを繰り広げる。そしてそのままコースは細くなっていき集団自体も長く引き伸ばされていった。そんな主導権争いの先に待っていたのはまさかの落車、これにより多くのエースが地面に叩きつけられた。カデン・グローヴス(アルペシン・プレミアテック)、ディラン・グローネウェーヘン(ユニベット・ローズ・ロケッツ)、マッテオ・マシェッティ(Q36.5 ピナレロ)らがその犠牲となった。そしてそのまま小集団に勝負となったが、ミランは惜しくも4位に沈み、念願だった自身初のマリア・ローザ獲得は夢と消えた。代わりに成長著しいマニエが袖を通した。

©Giro d’Italia
ポール・マニエ(ステージ優勝)
「去年は多くの勝利を積み重ねて成長することができた。今年はそれをより大きなステージで達成していくのが目標なんだ。去年のように年間19勝はできないかもしれないけど、ジロ・デ・イタリアで勝利できたことは誇りに思うし、夢にまで見た最高峰での勝利に感動しているよ。クラシックでは不運続きだったけど、そこで気持ちを入れ替えたんだ。そしてジロを意識して専念してトレーニングを積んできたんだ。ここでの勝利を積み重ねるためには山岳も超えていかねばならないので、リタイアしないための体作りもしてきたんだ。今日はこのマリア・ローザを着て眠るかだって?今日はしないだろうけど、レースが終わって家に帰ったら間違いなくこれを着て寝るね(笑)。」

©Giro d’Italia
ジロ・デ・イタリア第1ステージ順位
1位 ポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ) 3h21’08”
2位 トビアス・ランド・アンドレセン(デカスロンCMA・CGM)
3位 イーサン・ヴァーノン(MSNサイクリング)
4位 ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
5位 マディス・マイケルス(EFエデュケーション・イージーポスト)
6位 ジョバンニ・ロナルディ(ポルティ・ヴィジットマルタ)
7位 パスカル・アッカーマン(ジェイコ・アルーラ)
8位 トルド・グドゥメスタッド(デカスロンCMA・CGM)
9位 マックス・ワルシェイド(リドル・トレック)
10位 ドリエス・ファン・ゲステル(ソウダル・クイックステップ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ) 3h20’58”
2位 トビアス・ランド・アンドレセン(デカスロンCMA・CGM) +04”
3位 マニュエル・タロッツィ(バルディアー二CSF7セイバー)
4位 イーサン・ヴァーノン(MSNサイクリング) +06”
5位 ディエゴ・セヴィリア(ポルティ・ヴィジットマルタ)
6位 アントニオ・モルガド(UAEチームエミレーツXRG) +08”
7位 ヨナタン・ミラン(リドル・トレック) +10”
8位 マディス・マイケルス(EFエデュケーション・イージーポスト
9位 ジョバンニ・ロナルディ(ポルティ・ヴィジットマルタ)
10位 パスカル・アッカーマン(ジェイコ・アルーラ)
H.Moulinette












