ヨーロッパ選手権ロードもポガチャルが制覇!75㎞独走で圧勝、2位は世界選に続いてエヴァネポエル、ベルギー陣営は「勝てる方法があるなら教えてほしい」と嘆き節、セクシアスが台頭

©UEC
ルワンダでの世界選手権での66㎞独走に続いて、ヨーロッパ選手権も狙ったタデイ・ポガチャル(スロヴェニア)はヨーロッパ選手権でもまたしても75㎞の独走勝利を決めて見せた。分かっていてもその攻撃を受け、そして何とか食らいつきながらも、僅かに開いた差を最後まで維持され続けたレムコ・エヴァネポエル(ベルギー)が世界選手権に次いで単独走での2位となった。またしても2位という結果に「必然だった」とあきらめにも近い表情を見せた。自身は前週に行われたヨーロッパ選手権個人TTを制したが、またしてもロードではポガチャルに屈する形となった。
このレースでは3位に19歳の新星ポール・セイクサス(フランス)が単独で入り、世界選で見せた力強い走りがフロックではないことを示し、新たな世代の台頭を予感させた。202.5㎞、総獲得標高3400m越えのレースでも、今最強と呼ばれる2強に続いてここまで走れた結果は、セイクサスのポテンシャルの高さを実感するには十分だった。来シーズンに向けて大きな戦力補強をしているデカスロンAG2Rだけに、来シーズンの更なる飛躍が楽しみだ。

©UEC
レースはベルギー包囲網が何とかポガチャルを孤立させるべく仕掛けをし続けたが、結局それをしのいだポガチャルが逆襲の早仕掛けを見せる。ポガチャルが残り76㎞でアタックを決めると、エヴァネポエルが唯一反応を見せる。だがその加速についていくことができずに脱落、すぐに合流してきたセイクサスと共に追走をするが、そこで開いた20秒ほどのタイム差が果てしなく遠かった。エヴァネポエルの追走むなしく、タイム差はただ平行線をたどる。その中でもエヴァネポエルは残り38㎞で独走態勢へと持ち込むと、最後まであきらめずに踏み続けた。しかしポガチャルの背中は遠く最後まで追いつくことはできなかった。

©UEC
セイクサスはホァン・アユソ(スペイン)とクリスチャン・スカローニ(イタリア)らとの3位争いでアタックを連発、見事単独3位を獲得して見せた。
タデイ・ポガチャル(金メダル)
「先頭でいい感じで後続とのタイム差を維持できたよ。でもレースを支配したとまではいかなかったかな。エヴァネポエルが追ってきてたし最後まで一瞬たりとも気を抜くことができなかったよ。とにかく最後までプッシュし続けなければいけない本当にきついレースだったよ。また一つ勲章が増えて嬉しいよ。」
「アタックを決めた局面も、ベルギーが数的有利だったので、打破するには自分から仕掛けるしかないと思ったんだ。それで仕掛けたら、うまくいったんだよ。」
レムコ・エヴァネポエル(銀メダル)
「この結果は成るべくしてなったものだね。世界でもヨーロッパでも銀だよ。ほんとがっかりだよ。ポガチャルの加速が長すぎたんだよ。さすがにあれにはついていけなかったよ。あとは自分のペースで走り続けるだけだったよ。でも30秒ほど届かなかったんだよ。だからこの結果は必然だよ。」
ティス・ベノート(ベルギー)
「あんなゴール手前の上り坂の上り初めで仕掛けられたら、もはや僕らになす術はないよ。ただポガチャルが凄すぎるんだよ。他に何かできたかって?ポガチャルを倒す方法があるなら誰か教えてほしいよ。」

©EUC
ヨーロッパ選手権男子ロード順位
金メダル タデイ・ポガチャル(スロヴェニア) 4h59’29”
銀メダル レムコ・エヴァネポエル(ベルギー) +31”
銅メダル ポール・セイクサス(フランス) +3’41”
4位 クリスチャン・スカローニ(イタリア) +4’04”
5位 トム・スクインス(ラトヴィア) +4’16”
6位 ホァン・アユソ(スペイン) +4’21”
7位 マティアス・スケルモース(デンマーク) +5’01”
8位 パヴェル・シヴァコフ(フランス) +5’55”
9位 ジャンマルコ・ガルフォリ(イタリア) +5’59”
10位 ロメイン・グレゴワール(フランス) +6’52”
H.Moulinette












