いよいよROTORの油圧コンポUNOが2018年度はレースシーン挑戦へ!油圧軽量コンポに未来はあるのか?

電動コンポ全盛期の今、あえてそこにスペインのローターが油圧コンポーネントで挑戦をする。2015年に初めてそのプロジェクトが公表され、2016年度にはマーケットに登場する予定だったが、特許問題が足かせとなり、販売にこぎつけることができなかった。シマノとカンパニョーロ、さらにはスラムという3強の時代に、多くのトッププロチームがあえてカスタマー扱いとなってまでもローターのクランクを使用していることからも、その信頼性は高かった。

『油圧軽量コンポに未来はあるのか? @Rotor』
だからこそローターが開発をしているUNOの油圧コンポへの関心は高かった。しかしその実戦投入が遅れたことで、3強はそれぞれさらに進化を遂げ、ローターにとってはよほどのアドバンテージを見出さない限り、実戦投入はプラスにならなくなってきていた。しかしすべてがクリアになり、問題となっていたカセット部分を新たにオリジナルで設計し制作したことで、ついに2018年度からの販売と実戦投入に目途がついた。

『プロチームがどう活躍できるか @Rotor』
使用するのは女子プロチームのWIN-ROTOR、WINはROTORがそのカセットを制作する際に使用した切削工具メーカーであり、チームはORBEA(オルベア)のフレームを使用することから、ほぼスペイン同盟でのチームとなる。
ローターとしては軽量かつ迅速なシフトが可能な油圧コンポのUNOは電動コンポに比べてもメリットが多いとしている。フルコンポで1655g、かなり軽量であり、そのメリットは間違いなくあるだろう。ただ果たしてどこまで実際に結果が残せるかはまだ未知数であり、この女子チームの活躍次第では、2019年度にワールドツアーチームの使用に繋げたいところだう。いくつかのチーム関係者に話を聞いたが、その多くのチームがクランクのみならず、そのクランクとチェーンリングにベストマッチといえる形でのフルコンポーネントの使用を望んでいる、としていることからも、2018年度はROTORにとって大きな意味のあるシーズンとなりそうだ。

『高級コンポすぎるのもネックになるか @Rotor』
過去にはMAVICが電動コンポを投入しフルコンポメーカーを目指したが、結局失敗に終わりMAVICの経営は窮地に立たされることとなった。ROTORにとってもその二の舞もありうる今回のUNO開発と投入、気軽には買えないレベルの超高額コンポ(国内販売は40万弱)だけにこのコンポの成功にROTORの社運がかかっている。
H.Moulinette