ジャガイモ最強伝説?ジャガイモにエナジージェル並みにパフォーマンスを向上する効果!”おなら”連発の弱点もあるが、手軽にマッシュポテト&梅干しで最強の補給食を目指せ
イモ!そうジャガイモは誰もが大好きな食材の一つだ。おふくろの味の代名詞、肉じゃが、そしてキャンプやバーベキューの定番じゃがバター、ファーストフードのフライドポテト、お菓子で言えばポテトチップスなど、ジャガイモは常に我々の生活に寄り添っている食材だ。そのジャガイモがエナジージェル並みにパフォーマンス向上に効果があると聞けば、サイクリストの耳はダンボになるのではないだろうか。
そもそもツール・ド・フランスで活躍してきたジャガイモ大好きトム・スクインス(トレック・セガフレド)が皮をむいたジャガイモが最強のガソリンになると証明してきたのだ。そして最近の研究で、このジャガイモがエナジージェル並みにパフォーマンス向上に一役買っていることが科学的に証明されたのだ。
最新の論文では大学の研究施設と「ジャガイモの研究と教育」を支援する団体により行われた。12人のサイクリストが2時間トレーニングとインターバルを繰り返し、さらにはTTを行うという形式で行い、その後エナジージェル、ジャガイモ、水のみの3班に分かれて一定時間ごとに一定量の補給を耐久自転車レースで推奨される形で摂取し、その変化を計測した。各サイクリストのパフォーマンスに加え、血糖値、乳酸、心拍数、さらには補給したエネルギーがどの程度の時間体内に残るのか、消化管の症状を観察、計測した。
その結果、エナジージェルとジャガイモで同じようなパフォーマンス向上カーブを描き、実際のタイムでも水のみを摂取したサイクリストに比べて大幅なタイムアップとなった。
エナジージェルとジャガイモでの補給をしたサイクリストは血糖値や心拍数などで上昇がみられ、被験者も直感的にパフォーマンス向上を感じ取れたという。また乳酸値も大きく上がったのは、それだけ出力が上がったからだ。
「ジャガイモは予想以上に最高の補給食かもしれないですね。コスト的にも最強かもしれない。ましてや化学合成されたものではなく野菜ですからね。予想以上に効果があったことは驚きです。」研究者は結果に驚きを見せた。「加工もいらず、家で簡単に用意できるし、エナジージェルのようにパッケージなど不要なものが必要ないですからね。という意味では最強の炭水化物ですね。それにエナジージェルでは味に飽きると言ったこともジャガイモだったら好きなように味付けできますからね。」今回の実験ではジャガイモをマッシュポテト状にして食べやすく成型したが、その味付けはお好みでいろいろアレンジできるだろう。甘いものが苦手という人もおり、エナジージェルが苦手という広にはありがたいところだ。
ただ難点もあった。どうしてもおなかにガスがたまりやすく、トレーニング後に”おなら”が止まらないという”副作用”はあるようだ。これは同じ炭水化物量を補給するためにはジャガイモの方が多く摂取しなければならなかったことが理由だろう。(エナジージェル22gに対してジャガイモ125g)
それを考えるとライド中に持ち運ぶジャガイモはそこそこの量になってしまう。ポケット満タンのジャガイモ・・・はあまり考えたくない。ということで、エナジージェルとジャガイモの併用はどうだろう?ライド中にはエナジージェルを、そしてライドの途中の食事をジャガイモで済ませるのがいいのではないだろうか?
例えば、マッシュ状にしたポテトに中に梅干しを入れたり、するのもありだろう。まずはジャガイモを茹で(電子レンジでもOK)、そしてつぶす。そして種を取り出した梅干を包丁で叩いておき、ラップに広げたジャガイモの真ん中にいれ、後はラップでくるくると巻き形を整えるだけだ。不器用な男の手料理レベルでも簡単に作れてしまう。ジャガイモに加え、梅干しの酸味と塩分が疲れた体にはちょうど良いのだ。
これはおにぎりに近い感覚で食べられるだけでなく、梅干しばクエン酸を多く含んでおり、疲労回復が見込めるからだ。乳酸を水と二酸化炭素に分解して体外へ排出してくれる役割があり、さらにはブドウ糖が分解されるのを抑制し、乳酸そのものをエネルギー物質へと変換する働きもある。疲れを取りながらエネルギーアップを果たせる梅干しとジャガイモの組み合わせはベストではないだろうか。
一つ間違えないでほしいのは、ジャガイモと聞いておやつの定番ポテトチップスを想像した人も多いかもしれないが、それは残念ながらだめだ。なぜなら、油分が多く消化が遅い為、パフォーマンス向上には「役に立たない」のだ。
サイクリングはいろいろとコストがかかる。エナジバーやエナジージェルも決して安くはない。そして味もマンネリ化していると感じたならば、ジャガイモをゆでて潰し、それに味付けをして持ち歩くのも一つの選択肢ではないだろうか。それがさらにパフォーマンス向上に繋がるのであればばっちりではないか!食生活の改善に加え、補給食でもサイクリストは強くなれるのだ。
H.Moulinette