ブエルタ・ア・エスパーニャ2026展望:初優勝狙うポガチャルがどんな走りを見せるのか、世界戦を前に「効率的に勝ちたい」と発言、最大ライバルはいるのか?表彰台狙いははガル、マス、カラパズ

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史上初の3大ツール全てを招聘した国となったモナコ公国、そんなモナコと言えばF1で有名でありアップダウンとくねくねとテクニカルなコースが展開する難コースとして有名だ。そんな面白いスタートを迎える今年のブエルタは、7度の頂上ゴールとまさに山岳頂上決戦となる。ジロ・デ・イタリアを1度とツール・ド・フランスを5度制覇している歴代最強モンスターのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)だが、ブエルタは2019年のグランツールデビューで走って以降出場がなかった。しかし世界選手権3連覇を目標に掲げる男は、貪欲にブエルタへの出場を決めただけではなく、世界選手権の為に「効率よく勝ちたい。」と発言するなど明確に勝利を宣言している。今年のツール・ド・フランスツールの時も力を温存するような走りを終盤に見せ、「無理なく効率よく勝てた」としていただけに、同じような走りに終始する可能性は高いだろう。圧倒的な独走よりは、勝負所でのアタック一撃で仕留める、そんな形でステージ勝利を量産しそうな雰囲気を感じる。

ポガチャルはチームメイトに昨年度ブエルタ・あ・エスパーニャ総合2位のジョアオ・アルメイダと2年連続ブエルタ・ア・エスパーニャ山岳賞のジェイ・ヴァイン、パヴェル・シヴァコフという総合上位を狙えるクライマー系アシストを揃えているが、ツールの時同様にチームメイトとともに表彰台に上がる可能性もあるだろう。

そんなポガチャルの総合優勝を狙う上での対抗馬となりそうな選手は、現段階では見当たらないといえるだろう。グランツールでは最大ライバルであり、唯一グランツールでポガチャルを脅かせるヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)はツールでの落車での骨折の影響で今シーズンを早めに終了、来年度へ向けての調整となった。そのため今大会でポガチャルを脅かしそうな選手は見当たらない。代わりに総合表彰台争いは面白くなりそうだ。ツールでも縦横無尽に駆け巡ったグランツール覇者のリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)、怪我からの復帰途中でリハビリ中ではあるが4度のブエルタ・ア・エスパーニャ制覇者のプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、2023年度ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)らベテラン勢に対し今年のジロ・デ・イタリアで総合2位に入ったフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)、過去ブエルタで3度の総合2位と1度の総合3位のエンリック・マス(モビスター)あたりの実績ある中堅も元気いっぱいだ。

若手に関しては読めない展開が大きい。多くの若手選手が急激に頭角を現す可能性も多いのがブエルタ、ここでの活躍でスターダムへとのし上がる次世代の選手たちを探すのもこの大会の見どころの一つだろう。また総合順位争いをあえて捨てての山岳賞争いを狙うクライマーも当然出てくることが予想され、このあたりが今年のブエルタの見どころとなりそうだ。

大会は序盤から総合系にとっては勝負所のステージが多く、さらに最終山岳では拷問のようなコースレイアウトも用意されており、一筋縄ではいかない展開が待っているだろう。代わりにスプリンターは少なく、パンチャー系などにもポイント賞獲得の可能性があるだけに、このあたりも激しい展開となる可能性がある。ただし潰しあいになれば、最終的には総合上位の選手が持て行ってしまうかもしれない。

H.Moulinette