自転車乗りの補給食を考える:簡単に持ち歩けるオリジナル栄養補給食を作ってみよう。美味しい補給食で美味しいライドを!

トレーニングとして軽く一時間程度走る人にとって、栄養補給は必要不可欠だ。エネルギー補給を怠れば、その後に来る疲労感は大幅に増幅され、時にはハンガーノックになってしまうことさえある。市販されているエナジーバーやエナジージェルを摂取するのもいいだろう、しかし即効性のあるそれら補給食は、胃腸に負担をかけるものもあり、また必ずしもそれらは美味しいわけではないのが難点だった。また似たような味付けのものも多く、すぐに味に飽きてしまうこともある。可能であれば、天然の栄養素、そして美味しいと思えるものを食べることも重要だ。
昨今”どうせ食べるなら美味しいものの方がいい”という考えのもと、様々な栄養食を自作する人が増えている。元プロ選手でもあるクリスチャン・ヴァンデ・ヴェルデは、短距離を早く走るトレーニングの場合はトルティーヤ(すり潰したトウモロコシや小麦から作る 薄い焼きパン)に、アーモンドバターとはちみつを加えたものを用意し、長距離をゆっくりと走るような場合には生ハムとトマトをオリーブオイル出会えたものを薄切りのバゲットに乗せたものを用意する。これらをアルミホイルなどにくるんでおけば、いつでも景色を楽しみながら補給食を楽しむことができる。

『樹上完熟するだけで味は大きく変わる (C)66』
補給の目安は一時間の走行に対し30~60g、ではどんなものが可能なのかを考えてみよう。
まず一番簡単なのはフルーツだろう。まずサイクリストにとって鉄板なのはバナナだ。カリウム、ビタミンB6を多く含み血中糖度を安定させ、汗で失われた電解物を補ってくれる。バナナはサイクリングには必要不可欠な食品となっており、嫌いでないかぎりはまず外せないフルーツだ。
炭水化物を多く含む食品を摂取すると、どうしても水分が欲しくなる。水分補給に焦点を当てた時に摂取するのをオススメするのが、この時期であればみかん、柿、りんごといったところだ。みかんはそのままポケットに入れられるし、柿は切って銀紙などで包めばいい。りんごはスライスして同じように銀紙などでくるんでおけば、歯ごたえも楽しめる。酸化をして色が変わってしまうりんごが多いが、化学肥料も有機肥料もを使っていない(食品中の窒素分が少なくなる)樹上完熟のりんごでは酸化が少なくゆっくりの為、わざわざ塩水に付ける必要が無いのでオススメだ。

『手頃な栄養補給に様々なナッツがある (C)66』
もう一つ栄養食としてオススメなのがナッツ類とドライフルーツだ。様々なナッツが市場には出回っており、好きなモノを選んでオリジナルブレンドを作るのもいいだろう。エネルギー変換が早いドライフルーツ、例えば干しブドウ(レーズン)や干しあんず(アプリコット)などと混ぜれば、味にも変化がある上に糖分も補えるのでいいだろう。またチョコやグミなどを混ぜるのもいいだろう。小さなジップロックに小分けにして持って歩けば、簡単なオリジナルの栄養食の出来上がりだ。
またもう一手間かけるのであれば、細かく刻んだドライフルーツや生フルーツをすりおろして混ぜて焼いたパンケーキやマフィンなどもいいだろう。自分の好みの味を追求する楽しみ、それもまた補給食づくりの楽しみであり、それがライドをより楽しくしてくれるだろう。美味しいものを食べて楽しいライドを!

『こだわりの栽培法で育てられた林檎達と、ワイン同様に”熟成する”ジュース (C)Kichizaemon Orchard』
Based on an article by Katie Hiscock
written by H.Moulinette
取材協力:吉ざえもん農園
吉ざえもん農園 雪会いりんごジュース
吉ざえもん農園 雪会いりんご