UCI MTB 世界選手権:XCを制したのはピドコック!ロードでも世界で活躍する男が圧巻の走りで2度目の世界頂点に!同じく頂点を狙ったファン・デル・ポエルは今年も届かず30位に沈む
ロード界には多くのオフロード出身選手たちが活躍しているが、その多くがシクロクロスからの転向組だ。シクロクロスはロードバイクに近い機材でクロスカントリーのようなオフロードコースを走る競技だが、その世界チャンピオン3人が今現在ロードバイク界で現役で活躍している。トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 )、マシューファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)、ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)だ。それぞれクラシックレースで勝利する実力者であり、ロードレース界になかでも世代最強と呼ばれおり、ファン・デル・ポエルはロードレースでも世界チャンピオンとなっている。そしてそのファン・デル・ポエルが最後に狙うのがMTBの世界チャンピオンだ。この称号が取れれば、ロードレース、シクロクロス、MTBと異なる3つの主流自転車レースのすべてで頂点に立つこととなる。

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だがそこに大きく立ちはだかっているのが小さな巨人、ピドコックだ。同じくシクロクロス出身でシクロクロス世界王者にも輝いている男は、ロードレースではファン・デル・ポエルとファン・アールトの後塵を拝することが多い。だがグランツールでは昨年度のブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位表彰台、今年のツール・ド・フランスでも総合9位と一流選手であることを示している。さらにMTBにおいてはその強さをいかんなく発揮している。MTB専門の選手たちを差し置いて、ロード中心でMTBはスポット参戦ながらもオリンピックXC連覇で2つの金メダルに加え、今年のMTB世界選手権XCでも2023に続き2度目の世界王者に輝いて見せた。その圧倒的なパフォーマンスと駆け引きのうまさで現役最強のオールラウンダーとなっている。
今年の出場権を得るためにピドコックとファン・デル・ポエルはそれぞれツール・ド・フラ前後にMTBの世界選手権シリーズへ出場、一発勝負で出場権を獲得はしたが、5列目からのスタートという大きなハンデを背負うこととなる。MTBでは抜きどころが少なく、前方スタートが圧倒的に有利な競技なのだ。後方スタートの選手たち、前列の選手をすべて抜いていかねば勝てないという宿命を背負う。それは出力のパワー勝負に加え、オーバーテイク、つまり前方に選手をっどのポイントでいかに抜くかという技術とテクニックも必要となり、さらには勝負の駆け引きもできるクレバーさもなければ勝利には届かないのだ。
今年のレースでも後方スタートとなったピドコックとファン・アールトだったが、実はピドコックは本調子ではなく練習で転倒し腰を痛めていたために、本来のメリハリのある走りではなくイーブンペースで走るという選択をする。結果これが功を奏することとなった。8周回のレースのスタートから順調に番手を上げていくピドコックに対し、ファン・デル・ポエルはなかなか順位を上げられない。

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今年のコースは高速コースではないこともピドコックに大きく有利に働いた。よりテクニカルなコースだったことにより、小柄ながらも持続力のあるピドコック向きの展開となり、徐々に順位を上げていくと5周目には5人に絞られた先頭集団の先頭に躍り出るとそのままぐんぐんとペースを上げていく。これにより一人、また一人と脱落し先頭は3人に絞られた。7周目にはアルドリッジが先頭に躍り出てタイム差を広げるが、上りセクションであっさりと追いつくと、アルドリッジがボトルから水を飲み頭からかけている隙にピドコックはスパートを仕掛ける。そのまま一気に差をじわじわと広げていき独走態勢に持ち込みそのまま先頭でゴール、見事2枚目の世界チャンピオンジャージ、ラルクアンシエルを手にして見せた。2位にもチャーリー・アルドリッジが入りイギリスはワン・ツーで金・銀ダブルメダル獲得となった。
対してファン・アールトは全くいいところなくスタート順位からも番手を下げて4分40秒遅れの30位となってしまった。ツール・ド・フランスを終えてからの流れも全く同じながら、ピドコックとの間に大きな差が生まれてしまうこととなった。

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トム・ピドコック(MTB世界選手権XC世界王者)
「MTBではファン・アールトよりも強いことを示せてよかったよ。ロードでは彼のほうが強いけど、でもいつかロードの世界チャンピオンにもなりたいね。」
マシュ・ファン・デル・ポエル
「僕が弱かったということだよ。もっとシーズン中からMTBに割く時間を増やさないと勝てないかもしれない。」
2人の最強物語はまだまだ続きそうだ。果たしてファン・デル・ポエルがMTBで世界チャンピオンになるのが早いのか、それともピドコックがロードで世界チャンピオンになるのが早いのか、どちらが先に3つの異なる世界チャンピオンの座を掴み取るかに注目だ。

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2026MTB世界選手権男子XC順位
金メダル トム・ピドコック(イギリス) 1h25’26”
銀メダル チャーリー・アルドリッジ(イギリス) +17”
銅メダル コール・パンチャード(カナダ) +31”
4位 マルティン・コスマン(チリ) +59”
5位 アドリアン・ボワシ(フランス) +1’06”
ちなみに女子では現役のポーリーン・フェラン・フレヴォ(ヴィズマ・リースアバイク)が、シクロクロス世界王者(2015)、MTB世界王者(2015、2019、2020、2022、2023)、グラベル世界王者(2022)、ロード世界王者(2014)、さらにはMTBXCオリンピック金メダル(2024)、ツール・ド・フランス女子総合優勝(2025)を成し遂げている。
H.Moulinette












