ツール・ド・フランス2026第19st:パンターニ越え!ラルプ・デュエズを制したのは史上最速ポガチャル!カラパズ連日の逃げで3位で山岳賞首位に、ピーダースンも大逃げで中間スプリント制す

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アシストが体調不良などで少ないのであれば、その残り少ないアシストが機能する戦略を立てればいいだけだった。13.8㎞の名物峠ラルプ・デュエズのゴールへの上りに入る時点で、先頭はこの日の逃げから飛び出していた昨日の覇者リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)、総合7位のレニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)さらにはエースを失った最強アシスト、ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)だった。3分半差で上りに突入したポガチャルはホァン・アユソ(リドル・トレック)を早々と脱落させると、残り12㎞でそのままアタック、あっという間に単独で先行する3人を追い始める。

©ASO

先頭ではカラパズがステージ連勝を狙い何度となくアタックを繰り返す。しかしこれにマルチネスもクスも何度となく対応する。しかしクスは力尽き脱落、カラパズとマルチネスの一騎打ちかと思われた。だがそこに猛烈なスピードで追い上げてきたのはポガチャル、途中逃げに乗っていたアシストのサポートを受けさらに加速すると、沿道の観衆が明らかに邪魔となっている中でもスピードを緩めず爆走、残り3㎞を切り遂にポガチャルが追いついてしまう。ここからは新たな3名による力比べとなるが、ポガチャルは頭一つ抜きんでていた。残り1.8㎞でポガチャルがアタックを仕掛ける。これにすぐさまカラパズがカウンターアタックを仕掛けるが当然決まらない。そして残り800m、ついにポガチャルが最後のアタックを仕掛ける。これで勝負あり、ポガチャルは何度となく後ろを振り返りながら手を緩めることなくゴール、鮮やかに今大会5勝目を挙げるとともに、総合2位のレムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)との差を大きく広げ、その差はついに7分11秒差にまで広がった。また海賊マルコ・パンターニの保持していたラルプ・デュエズの最速登坂記録も1分以上大幅に更新して見せた。

ステージ2位にはマルチネスが入り総合5位へとジャンプアップ、また連日逃げ続けたカラパズはステージ3位ながらもこの日も山岳ポイントを集めポガチャルを1ポイント逆転、ついに山岳賞ジャージを手にした。またポイント賞争いも昨日に引き続きマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)がこの日も逃げの乗り山岳をこなしていくと、中間スプリントを先頭通過、これによりヤスパー・フィリップセン(アルペシン・プレミアテック)とのポイント差をさらに大きく広げた。スプリントステージではなく山岳ステージの中間スプリントでのポイント積み重ねによる躍動は、なかなか男気がある走りと言えるだろう。

またこのステージではラルプ・デュエズの上りで観客が邪魔となりUAEチームエミレーツXRGのチームカーが急ブレーキで停車、その背後を走っていたアイナー・ルビオがそのまま避けきれずにリアガラスに顔面から突っ込みガラスを粉砕、これにより顔面20針を縫う大怪我をしそのままリタイアとなってしまった。熱くなった沿道の観衆はほかの選手たちとも接触が繰り返され、ポガチャルも”どけ”と手を振りながらの走行、また総合2位のレムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)も単独でアタックを決めたが前方の選手とその背後のチームカーが進路をふさぐ形となりそれ以上加速ができないなど改めて課題を突き付けられる形となった。

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第19ステージは僅か127.9㎞のショートステージながら4つの山頂を超えての超級ラルプ・デュエズ山頂ゴール、総合バトルは当たり前の中でどのような展開になるのかに注目が集まった。まずは山岳賞ジャージを狙うヴァレンティン・パレ・パントレ(ソウダル・クイックステップ)が飛び出しそれをカラパズが追う展開となる。そこにトビアス・ヨハネセン(Uno-Xモビリティ)、デレク・ジー・ウエスト(リドル・トレック)、ルビオが合流していく。最初の先頭通過はパレ・パントレ、これで暫定山岳賞首位となる。そしてこの動きが最終的に42名の大所帯の逃げを形成することとなった。体調不良ながらもここ数日踏ん張り切ったアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツXRG)も最終局面でのアシストをすべくこの逃げに乗る。さらにはポイント賞争いのピーダースンは連日の逃げ合流、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、タイメン・アレンスマン(ネットカンパニー・イネオス)、さらにはセップ・クス、マッテオ・ヨルゲンセン、ダビデ・ピガッツァーリのヴィズマ・リースアバイクトリオに加え、総合7位のマルチネス、総合11位のヤニス・ヴォイサード(チュードル・プロサイクリング)までもが合流した。

そして二つ目の山頂をパレ・パントレが先頭通過、カラパズは仕掛けるも一歩届かずすべて2位通過となる。そんな中メイン集団は数少ないアシストが奮闘しUAEチームエミレーツXRGが何とか逃げ集団との差をぎりぎり射程圏内にとどめ続ける。残り54㎞の中間スプリントではピーダースンが粘って山岳を超えた末にトップ通過、チームカーからの檄を糧にこの日もポイントを積み重ねた。

だがこの日三つ目の山頂への上りでパレ・パントレが脱落してしまう。逃げも一気にその数を減らし15名にまでなる中、今度こそカラパズが先頭通過を果たす。そして3分半のアドバンテージをもって最後のラルプ・デュエズへと突入していく。すると上り始めてすぐに逃げ集団はカラパズ、アレンスマン、マルチネス、クスら6名にまで人数を減らす。その背後では中間スプリントを取ったあと番手を下げたピーダースンが最後の仕事としてメイン集団を牽引し、ダブルエースのホァン・アユソとマティアス・スケルモース(共にロドル・トレック)をラルプ・デュエズの上りへと導いた。

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先頭ではさらに人数が減りカラパズ、マルチネス、クスの三つ巴によるバトルとなる中、残り12.1㎞でまずアユソが脱落、それに合わせるかのようにポガチャルが一気にアタックを仕掛ける。しかし誰もこのペースに反応はせず、総合表彰台争いのバトルがここから始まる。エヴァネポエル、総合3位のアイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)、総合4位のポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)はお互いをきっちりマークさらにはスケルモースとセクサスのアシストニコラス・プルドム(デカスロンCMA・CGM)も仕事を淡々とこなす。

残り10㎞では先頭集団から番手を下げてきたAイェーツが渾身の引きでポガチャルをアシスト、苦しい体調の中でもしっかりと仕事をやってのけた。カラパズはこの日ステージ連勝を狙い何度となくアタックを繰り返す。だが総合でのジャンプアップが見えているマルチネスもこれに食い下がる。ペースは安定せず加速と減速を繰り返すが、その背後からポガチャルが猛然とその差を詰めてくる。その背後ではエヴァネポエルがアタックを仕掛けるが、沿道の観衆とチームカーが進路をふさぐ形となり、残り4㎞からコースがクリアになってようやく抜け出していく。さらに・デル・トロもアタックを仕掛けセクサスを突き放す。

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残り3㎞を切ると遂にポガチャルはカラパズらを視界に捉えると残り1.8㎞で遂に合流、カラパズも粘りの走りでポガチャルのペースについていく。だがポガチャルのエンジンが最終的にそれを上回る。残り800mでさらにギアを上げ加速したポガチャルに対し、カラパズとマルチネスはついていくことができなかった。カラパズはステージ3位に終わったが山岳賞ジャージを獲得、その背後では白熱した総合3位と新人賞ジャージを巡るバトルの末にデル・トロがセクサスに対して僅か4秒だが差をつけゴールし、そのポジションとジャージを自力で守り切った。

タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合1位)
「ここで勝てたのは最高だね。途中沿道の観客の熱狂もやばかったね。チームのおかげで何とか結果を残せてよかったよ。今日はチームメイトたちの頑張りに報いるための走りだったんだよ。ラルプ・デュエズに入ってからは脚がよく回っていたし、アタックを仕掛けたら誰もついてこなかったんだ。だからそこからはもうひとりで行けるとこまで行くと高をくくったよ。体調悪いながらも懸命にアダム・イェーツがアシストしてくれたのもさらに僕もモチベーションを上げたよ。最後はカラパズとマルチネスがお互い仕掛けあってくれて、それで一気に差が詰められたことが勝因だよ。」

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ツール・ドフランス第19ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)  3h17’57”
2位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)    +06”
3位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)   +09”
4位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)    +1’14”
5位 トビアス・ヨハネセン(Uno-Xモビリティ)    +2’07”
6位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +2’29”
7位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)    +2’41”
8位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)   +2’45”
9位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)
10位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ)   +3’22”

ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   67h53’00”
2位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +7’11”
3位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)  +9’42”
4位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)   +10’06”
5位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)   +13’00”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)   +13’09”
7位 ホァン・アユソ(リドル・トレック)   +15’58”
8位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)   +21’15”
9位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)   +21’30”
10位 ジョーダン・ジェガット(トータルエナジーズ)   +23’21”

H.Moulinette