ツール・ド・フランス2026第10st:攻撃は最大の防御、マイ鉄則貫くポガチャルがまたしても一撃必殺、今大会3勝目の圧勝、エヴァネポエルが意地の走りでステージ2位、総合はシャッフル

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総合上位勢によるバトルが確実とみられたこのステージ、その予想通りの展開となったが結果はまたしてもタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)の貫録勝ち、圧倒的な爆発力で残り15.5㎞を独走勝利、今大会3勝目を挙げるとともに総合首位をさらに盤石なものとした。その最大ライバルだったはずのヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)は粘りの走りを見せ続けたものの、ゴールまでの最後の上りで失速、総合2位こそ死守したが、44秒差とボーナスタイム10秒で54秒ものタイムを失う結果となった。ポガチャルは2024年にヴィンゲガードに敗れたこの地で、見事にリベンジを果たした。だがもう一人のUAEチームエミレーツXRGのエース格、アイザック・デル・トロはこのステージでタイムを失い総合で表彰台県内の3位から7位まで後退した。

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レースが動き出したのは終盤、パ・デ・ペロルでUAEチームエミレーツXRGが山岳ポイントでいつも通りの十八番の鬼引きペースアップを開始する。これによりこの日の逃げが吸収されメイン集団は一気に一絞られていく。その最中残り38㎞でリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックを仕掛ける。だがこれには誰も反応せず、カラパズは一気に差を広げ単独でゴールを目指す。そのまま先頭でカラパズが山頂を通過する中、後続のメイン集団では今大会の事前の予想で上位候補に入りながら、結果が伴わないタイメン・アレンスマン(ネットカンパニー・イネオス)やデレク・ジー・ウエスト(リドル・トレック)らが次々脱落していく。さらに頂上間近で何を思ったかデカスロンCMA・CGMが主導権を握りペースを上げていく。

UAEチームエミレーツXRGへの対抗心なのか、自らのアシストを削る動きを見せたデカスロンCMA・CGMの牽引で、セップ・クスとマッテオ・ヨルゲンセンのヴィズマ・リースアバイクのダブルアシストが脱落していく。そのままカラパズを追ってメイン集団は下りに入るが、今度はデカスロンCMA・CGMがブレーキとなり下りのペースが上がらない。すると下りを得意とするトム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)がまさか落車、路肩に止めていた車に突っ込んでしまう。さらには脱落したはずの選手たちも続々と合流、結果的にデカスロンCMA・CGMは何のために牽引をしているのかわからない動きとなってしまう。

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頂上では17秒だった差は、下って次の上りに入るまでに1分以上にまで広がり、カラパズはそのまま次の頂上を目指していく。そしてここへきてUAEチームエミレーツXRGはいつも通りアダム・イェーツが牽引を始めるが、普段先に牽引を務めるブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツXRG)は仕事ができぬまま脱落してしまった。すると今度はまたしてもデカスロンCMA・CGMがニコラス・プルドムでペースアップを図る。だがこのペースアップは経験不足からチームのエース、ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)の位置を見ておらず、結局アダム・イェーツがあえてペースを落としプルドムを孤立させたことで失敗に終わる。

その間にもカラパズは好調に逃げ続ける中、今度はフロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)がペースを上げていく。この段階で集団はポガチャル、ヴィンゲガード、レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、ホァン・アユソとマティアス・スケルモースのリドル・トレックコンビなど僅か12名にまで絞られてしまう。だがこれもつかの間のことだった。

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残り15.5㎞でポガチャルがアタックを仕掛けると、それに対して誰も反応せず、あっさりとポガチャルの一撃が決まってしまう。一気に差を広げていく、残り14.8㎞でと早くもカラパズに追いつくと、そのまま置き去りにしてしまう。その背後にはエヴァネポエルらが何とか踏ん張りながらペースを刻むが、ここでデル・トロがまさかの展開で脱落してしまう。

カラパズはそのままずるずると順位を下げていき後続の集団からも脱落していく。そしてリポウィッツがエースのエヴァネポエルを差し置いてアタックを仕掛けると、残り5.5㎞で遂にエヴァネポエルが脱落していってしまう。残り5㎞でポガチャルとヴィンゲガードら5名まで24秒、さらにその5秒遅れてエヴァネポエル、さらにポガチャルの後方1分以上にデル・トロという布陣となる。このタイム差は次の1㎞でさらに広がり、順位は変わらぬままタイム差だけがさらに7秒ほど広がってしまう。

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もうこうなればポガチャルはただひたすらゴールを目指すだけ、淡々と漕ぎ続け、見事に今大会3勝目をまたしても独走で決めた。圧倒的な速さのみならず、途中では慎重に走りペースを落とすなどの余裕もあり、またしても圧巻の勝利だったと言えるだろう。その背後でエヴァネポエルが驚異の走りで気が付けば先行していた5人に追いつき、追いつきざまに置き去りにする爆走を披露、見事に上りスプリントでステージ2位をむしり取って見せるとともに、総合でも3位へとジャンプアップを果たした。このゴールまでの駆け引きの中でヴィンゲガードが失速、結局ステージ7位に終わってしまう。これにより先着したエヴァネポエルとリポウィッツのレッド・ブル・ボーラ・ハンスグロエコンビ、アユソとスケルモースのリドル・トレックコンビ、さらにはセクサスに総合でタイム差を詰められる形となった。これにより総合2位から総合6位までが1分強の中にひしめき合う展開となっている。

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この日も序盤は中間スプリントを巡るバトルとなる。昨日同様にマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)がしっかりと最大ポイントを確保、じわじわとスプリントステージ外の中間スプリントで着実にポイントを積み重ねている。そしてその後スタートから46㎞を要して30名ほどの大所帯の逃げが決まるが、この日は勝負所とみていたUAEチームエミレーツXRGが大きなリードを許さない。そしてUAEチームエミレーツXRGがそのままレースペースを作っていくと、逃げは徐々に崩壊、順番に吸収されて行ってしまう。そして最後の一人が捉まると、いよいよ総合バトルが勃発した。

組織力のあるUAEチームエミレーツXRGの安定感あるペースづくりは、ライバルチームにとってはサバイバルの始まり、気が付けばエースと主要アシストしか残らない集団となっていた。さらにそこからペースアップでエースまでもが削られていく展開となると、結局総合上位による直接対決へと持ち込まれ、ポガチャルが自らの鉄則である「攻撃は最大の防御」を見せつけていく。ライバルたちはすでに総合2位争いを現実的な目標としてリセット、ポガチャルの盤石の態勢はさらに強固なものとなった。

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タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合1位)
「完璧だったね。今日もチームにとっては最高の予定調和、そして最後は僕が仕上げの勝利だよ。でもこれがいつまで続くかはわからないからね。今はただこの瞬間に感謝、世界最高峰のレースで結果を出せていることに感謝しつつ、このレース自体を楽しんでいるよ。」

ヨナス・ヴィンゲガード(ステージ7位、総合2位)
「ポガチャルが仕掛けたときに、これはもう自分のペースでいくしかないと思ったんだ。」あとはもうゴールまで個人TTのつもりだったけど、少しだけ協調性が追走で取れていたのが救いだったよ。まあ最悪は逃れたというべきかな。」

レムコ・エヴァネポエル(ステージ2位、総合3位)
「UAEのペースアップで走りづらかったんだよ。それで足が攣りそうになってマイペースで走ったんだ。でも下りで調子が戻ったので、最後はゴールまで勝負できたよ。」

フロリアン・リポウィッツ(ステージ4位、総合6位)
「最終的には僕は集団の中で協力はしなかったんだ。本当はポガチャルを追いかけてステージ優勝を狙うつもりだったんだけど、エヴァネポエルが遅れていたからね。だからそれ以上やることもなかったしエヴァネポエルが戻ってくることを願っていたよ。最終的には彼は戻ってきたし、チームとしては成功だよ。総合首位のポガチャルはもう別の話なので、今は総合2位が狙えるのでそこをチームとして狙っていくよ。」

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ツール・ドフランス第10ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   3h58’08”
2位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)    +32”
3位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)   +34”
4位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
5位 ホァン・アユソ(リドル・トレック)   +38”
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)
7位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +44”
8位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)   +1’31”
9位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)   +1’59”
10位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)   +2’03”

ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   36h15’02”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +3’36”
3位 レムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +4’06”
4位 ホァン・アユソ(リドル・トレック)   +4’22”
5位 ポール・セクサス(デカスロンCMA・CGM)   +4’35
6位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +4’44”
7位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)   +5’08”
8位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)   +5’45”
9位 レニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)   +6’34”
10位 トム・ピドコック(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)  +11’49”

H.Moulinette