ジロ・デ・イタリア2026第10st:個人TTを制したのは格の違いを見せつけたガンナ!エウアリオがまたしても粘りの走りでマリア・ローザを死守、ヴィンゲガードは思ったよりもタイム伸びず(ダイジェスト動画あり)

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©Giro d’Italia

一人別次元の男が混ざっていた。第10ステージ個人TTで世界最速のTTを見せつけたのはフィリッポ・ガンナ(ネットワーク・イネオス)、ただ一人45分台で42㎞のコースを駆け抜けて見せた。先にスタートした7人を追い抜くという異次元の走りで8度目のステージ優勝を挙げた。2位に入ったチームメイトのテイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)とのタイム差は1分54秒、ガンナは最後まで暫定王者が座るホットシートに余裕で座り続けた。そのアレンスマンは総合6位から一気に総合3位へとジャンプアップ、この日期待されながらもステージ13位に終わったヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク))とのタイム差を一気に1分以上縮め、1分半にまで迫ってきた。

そのヴィンゲガードはTTは得意なはずだが、この日の走りはベストからは程遠いものだった。それでも何とかまとめ上げ総合1位との差を27秒まで縮めて見せた。

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そして追われる立場だったアフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス))は事前の情報でもTTが得意というわけではなく、また大方の予想ではこの日のステージで総合リーダーの証、マリア・ローザを失うものと思われていた。しかし蓋を開ければ序盤こそ一気にタイムを失ったものの、後半にかけてそのタイムロスが徐々に少なくなっていき、結局総合リーダージャージを死守することに成功した。2分ほどヴィンゲガードにタイムは失ったが、まだプロ未勝利の男は、すべての選手の夢、マリア・ローザで大躍進中といっても過言ではないだろう。

この日のステージを終えて総合勢は大シャッフルとなった。ヴィンゲガードの最大ライバルとなるかに思われたフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)はタイムを大きく失い総合4位へと後退、総合5位から7位はオーストラリア人のベン・オコナー(ジェイコ・アルーラ)、ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング))が占めることとなった。

大会序盤に遅れたデレク・ジーウエスト(リドル・トレック)もここへきて総合8位へと順位を上げ、総合10位には過去ツール・ド・フランスで3度の表彰台、ブエルタ・ア・エスパーニャでも表彰台に上った往年の名選手ホセバ・ベロキの息子、マーケル・ベロキ(EFエデュケーション・イージーポスト)が入ってきた。

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このステージで総合勢がシャッフルされたが、総合11位のマティス・ロンデル(チュードル・プロサイクリング)までが5分差以内と山岳ステージでの逆転がありうるタイムの中にひしめき合っている。ヴィンゲガードの有意は変わらないが、攻撃の仕方によっては十分に表彰台の中央を狙える可能性を残している。またこれで表彰台争いもかなり絞られ、総合16位のクリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)までがアレンスマンから5分以内でありこちらも十分に逆転が狙える射程圏内と言えるだろう。

中でも不気味なのが総合トップ10から脱落したスカローニだ。逃げを得意としており、このステージでタイムを失ってもいいという走りをしていたことで、総合上位に危険視されるポジションからいったん外れ、その上でこれからのステージでの逃げに打って出そうな予感を感じさせる。

©Giro d’Italia

フィリッポ・ガンナ(ステージ1位)
「ようやく僕向けのフラットな個人TTに出会えたよ。この勝利であとは残りの日程をしっかりとこなすだけだよ。あとはもう一勝どこかロードステージで勝利を上げたいね。」

アフォンソ・エウアリオ(総合1位)
「このジャージを着て過ごす日々はバラ色の人生だよ。できる限りこれを着用し続けたいね。どこまでも諦めずに戦い続けるよ。例えばこのジャージを失ったとしても、僕には何もそれ以上失うものがないんだ。」ただこれ以上ない経験と皆で喜びを分かち合った日々があるだけなんだ。」

ジロ・デ・イタリア第10ステージ順位
1位 フィリッポ・ガンナ(ネットワーク・イネオス)   45’53”
2位 タイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)   +1’54”
3位 レミ・カヴァニャ(グルパマFDJユナイテッド)   +1’59”
4位 バックス・シュルト(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)   +2’04”
5位 デレック・ジー・ウエスト(ジェイコ・アルーラ)   +2’16”
6位 マックス・ワルシェイド(リドル・トレック)   +2’17”
7位 ヨハン・プライス・ペテルセン(アルペシン・プレミアテック)   +2’29”
8位 ミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツXRG)   +2’33”
9位 ロレンツォ・ミレシ(モビスター)   +2’40”
10位 ニクラス・ラーセン(ユニベット・ローズ・ロケッツ)   +2’42”

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 アフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)   39h40’34”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +27”
3位 テイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)   +1’57”
4位 フ ェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)   2’24”
5位 ベン・オコナー(ジェイコ・アルーラ)   +2’48”
6位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +3’06”
7位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)    +3’28”
8位 デレック・ジー・ウエスト(リドル・トレック)   +3’34”
9位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ   +3’36”
10位 マーケル・ベロキ(EFエデュケーション・イージーポスト)  +4’16”

H.Moulinette