ジロ・デ・イタリア2026第9st:頂上バトルを制したのはヴィンゲガード、ガルとのマッチアップを制し今大会2勝目、エウアリオはまたしても驚異の走りでステージ5位でマリア・ローザ死守(ダイジェスト動画あり)

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総合勢のバトルはいつ何時勃発するかわからないが、翌日が休息日となれば当然のように激しい展開となる。今大会1強といわれるヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)の牙城を崩すにはいかなる戦略が必要なのか、各チーム明確にそこは絞って戦略を立ててきたはずだ。しかしそれでも崩せないのがその牙城、そして最強アシストでグランツールも制しているセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)がまだ本格始動していないのに既にその余裕ある走りはライバルたちにとってはただの絶望感にすらなりえる状況だ。さらには新規加入のダビデ・ピガッツォーリ(ヴィズマ・リースアバイク)がクスを上回りそうなスーパーアシストを見せているのだ。

©Giro d’Italia

この層の厚さを生かした攻撃がこのステージでも炸裂、頂上ゴールまでの上りでヴィズマ・リースアバイクとデカスロンCMA・CGMがペースアップを図ると、残り3㎞でレッドブル・ボーラ・ハンスグロエとのツートップ、ジャイ・ヒンドリーとジュリオ・ペリッツァーリが二人とも遅れてしまう。すると残り2.5㎞で仕掛けたのはフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)だった。これに反応できたのはヴィンゲガードのみ、しかしヴィンゲガードは常にガルの背後を走り、ガルの先頭交代の要請にも首を振らない。それでも先行して逃げ続けていたジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)を残り1.7㎞で捉え置き去りにする。

その背後ではサイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)が追走を仕掛ける。そしてその少し後ろではマリア・ローザのアフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)もデレック・ジー・ウエスト(リドル・トレック)やマイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)らとともに踏ん張り続けている。

©Giro d’Italia

先頭では残り900mでヴィンゲガードが満を持してアタック、ガルを置き去りに独走でゴールラインでは恒例のハンドルバーと指輪にキス、圧倒的な強さで今大会2勝目、通算自身50勝目を挙げた。ガルはその背後で2位、最強ライバルとはいかずとも、ライバルとなりうる走りは見せた。そしてステージ3位に入ったのはヴィンゲガードのアシストのピガッツォーリ、想像以上の山岳での強さは今後の活躍を期待させる走りとなった。さらにアレンスマンが続き、エウアリオが5位で余裕でマリア・ローザを死守して見せた。誰も予想できなかったここまでの大健闘は称賛に値するだろう。

翌日が休息日のこのステージは、総合バトルの勃発とともに、昨日のステージのような逃げ切り勝利も予感させるステージ、しかしこの日も昨日同様に逃げが確定するまでに時間を要することとなった。しかしスタートから35㎞、アイナー・ルビオ(モビスター)、ダビデ・バレリーニ(XDSアスタナ)らを中心に8人の逃げが決まる。メイン集団とのタイム社きっちり3分ほどで、メイン集団は逃げ切りを許さないペースで展開する。

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バーレーン・ヴィクトリアスとデカスロンCMA・CGMが主導権を握ったメイン集団はペースよく走り続け、残り80㎞を切り逃げとのタイム差が1分45秒ほどにまで縮まった。するとここで逃げ集団へのブリッジを図り、昨日タイムを失ったチッコーネ、トゥーン・アールツ(ロット・インターマルシェ)、ディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ)の3人がアタック、追走を仕掛ける。実力のある3人が揃ったことで、3人は20㎞ほど走り先頭への合流を見事に果たした。

11人となった逃げだが、チッコーネ、ルビオという山岳を得意とする選手が入ったことでメイン集団もこれを警戒、2分ほどの差を保ちながら追走を続ける。残り20㎞になってもそのタイム差はほぼ変わらず、しかしメイン集団の先頭には遂にヴィズマ・リースアバイクが顔を出す。

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残り11.7㎞でチッコーネがアタック、さらにそれをルビオが追いそのまま残り10.8㎞からのゴールまでの上りへと突入していく。すると後続ではまたしてもデカスロンCMA・CGMがペースを上げ残り9㎞で1分20秒差にまでその差は縮まってしまう。そのまま徐々に縮まっていくタイム差と同時に、メイン集団もどんどんと小さくなっていく。レッドブル・ボーラ・ハンスグロエにとっては”バッドデイ”となり、そろってエースが脱落してしまうという展開になる。さらにはエンリック・マス(モビスター)も脱落、こちらもエースが総合争いに全く絡めない展開となっていく。

そして最後はガルのアタックからヴィンゲガードが余裕ある走りで制してしまった。まだ本気のアタックを見せていないヴィンゲガード、これからの山岳ステージでどこまでの実力差を見せていくのか、はたまた各選手一度は大会中に直面する”バッドデイ”が訪れるのか、そして新勢力の台頭でマティス・ロンデル(チュードル・プロサイクリング)ら若手がどこかで爆発的な走りを見せるのか、まだまだ見どころは多そうだ。

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ヨナス・ヴィンゲガード(ステージ1位、総合2位)
「今日は攻める予定ではなかったんだよ。でもデカスロンがやる気満々だったからね。でも結果的に勝てたのはうれしいよ。チームメイトも素晴らしい走りをしてくれたし最後の上りで勝利を狙うことをようやく決めたんだよ。ガルが素晴らしいアタックを決めたけど、それにうまくついていくことができたからね。あとは自分の中でタイミングを見計らって勝利を掴めたんだよ。」

アフォンソ・エウアリオ(ステージ5位、総合1位)
「今日もちゃんと守りきれたよ。総合首位というのは心地がいいし、今はチームにも僕にもいい追い風が吹いている気がするよ。今のところ大満足だよ。」

ジロ・デ・イタリア第9ステージ順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   4h20’21”
2位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)   +12”
3位 ダビデ・ピガッツァーリ(ヴィズマ・リースアバイク)   +34”
4位 サイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)
5位 アフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)   +41”
6位 デレック・ジー・ウエスト(リドル・トレック)   +46”
7位 マティス・ロンデル(チュードル・プロサイクリング)
8位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)
9位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +50”
10位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 アフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)   38h49’44”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +2’24”
3位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)   +2’59”
4位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +4’32”
5位 クリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)   +4’43”
6位 サイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)   +5’00”
7位 マティス・ロンデル(チュードル・プロサイクリング)   +5’01”
8位 ベン・オコナー(ジェイコ・アルーラ)   +5’03”
9位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ   +5’15”
10位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)   +5’20”

H.Moulinette