ツール・ド・ロマンディでも総合優勝を果たしたタデイ・ポガチャルはなぜにそんなに強いのか、昨年度からさらに進化したフィジカルで狙うは更なる高みか、それとも歴史の塗り替えか

©Tour de Romandie
ジロ・デ・イタリアが開幕したが、その前に行われた主要ステージレース、ツール・ド・ロマンディで最強の男がまた一つ称号を刻んだ。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)の次なる目標はツール・ド・フランスに他ならないが、クラシックシーズンで暴れまくり、そしてジロ・デ・イタリアに出るのではなくその前のステージレースでクラシックからのシフトチェンジを行ったこの男は今シーズンどこまでその記録を伸ばしていくのだろうか。
このツール・ド・ロマンディでは全6ステージ中4ステージ勝利という圧巻という言葉しか掲揚できない勝ち方を見せた。それも主要ライバルチームの総合系が顔を揃えているにもかかわらずこの結果をたたき出すのだからもはやお手上げ状態といえるだろう。
プロローグ(個人TT):6位(7秒差) 総合6位
第1ステージ:1位 総合1位
第2ステージ:1位 総合1位
第3ステージ:4位(同タイム) 総合1位
第4ステージ:1位 総合1位
第5ステージ:1位 総合1位
この順位を見てもらえれば、ステージレース中最悪の順位が初日の個人TTの7秒差のステージ6位という時点で、規格外、桁違いでしかない。4位に終わった第3ステージでさえもゴールスプリント勝負で敗北しての同タイム4位であり、初日以外はずっと先頭でゴールし続けたのだ。ツール・ド・ロマンディの位置づけが、ワールドツアーのステージレースの中でも主要レースに位置付けてられており、年間の中でもトップクラスのレースであるにもかかわらずこの結果なのだ。

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最終的な順位はフロリアン・リポウィッツが42秒差の総合2位だったが、総合3位に入ったレニーマルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)とは2分44秒もの大差がついている。さらに総合系グランツールライダー達とのタイム差も軒並み4分を超えており、横綱相撲とはこういうことなのだと思い知らされる6日間となった。勝利のパターンも独走からスプリントまで、オールマイティーに勝利しており、強さだけが際立っている。

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今シーズンの体つきを見ていると、確実にクラシックに合わせて体重の増加と筋力アップを図ったように思われる。パリ~ルーべのような体重が重い選手のほうが有利なレースへの対応を兼ねていたと思われるが、そこから体を絞りつつある今でも、このレースのスプリントで見せたように、パワーと出力は全く落ちてきていないと感じられた。つまり昨年度以上のスプリント力とパワーが、規格外のフィジカルにさらに上乗せされた感じなのだ。それに加えて元からの鬼のメンタルと言えるほどのメンタルの強さ、「攻撃は最大の防御」という持論をしっかりと実践し続けられるこの男は、間違いなくすべての面で現役最強と言えるだろう。今シーズンはツール・ド・フランスでの5度目の制覇がかかるが、この段階でも間違いなく優勝候補大本命と言えるだろう。

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そして現役最強の積み重ねの先にある歴代最強の称号も、まだまだ上り調子の現役真っただ中にすでに手にしつつある。このロマンディも制したことで、、またもその戦歴に新たな称号が加わることとなった。主要レースでまだ出場していないレースに、今後出場してくる可能性もあり、まだまだその称号は増えていくだろう。エディー・メルクスら偉大な先人たちの記録をどこまで塗り替えていくことができるのか、このロマンディで見せた強さもその可能性を限りなく感じさせるものとなった。
H.Moulinette
