ジロ・デ・イタリア第3st:連日逃げるセヴィリアが残り400mまで逃げる大健闘も勝負は集団スプリントへ、制したのは開幕ステージに続きマニエ!しなやかにコースど真ん中を駆け抜けミランを撃破

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スプリンターの覇権争いというのはグランツールでの魅力の一つでもある。しかし昨今総合争いを面白くするために山岳やクラシックのようなステージが増えたことで、活躍の場は限られたステージのみとなることが多い。そして今年のジロ・デ・イタリアはブルガリアのオープニング3ステージでスプリンターたちに活躍の場がしっかりと与えられた。そんな開幕3ステージの最初の勝利を掴んだ22歳のポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ)がこのステージでもその強さを発揮、ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)をまたしても力でねじ伏せ今大会2勝目を挙げた。クライマーとしてスタートしたロード人生だったが、スプリンターとして世界最高峰の脚を見せるまでに急成長を遂げている。

©Giro d’Italia

山岳賞ジャージを守るためにこのステージでも大逃げを演じたディエゴ・パブロ・セヴィリア(ポルティ・ヴィジットマルタ)がチームメイトに加え初日にも一緒に逃げたマニュエル・タロッツィ(バルディアー二CSF7セイバー)と共に諦めない姿勢を最後まで見せ続け、残り400mまで逃げ続けた。しかし大集団はこれを波のように飲み込んでいき、混沌のスプリントへと持ち込まれる。先に仕掛けたのはミラン、独特の頭を上下に振りながらのカクカクとした馬力のスプリントを見せるが、その背後から飛び出したマニエが左へと展開、しなやかで滑らかなスプリントでコースど真ん中を駆け抜けた。さらに左へと展開したディラン・グローネウェーヘン(ユニベット・ローズ・ロケッツ)だったがこちらは僅差に迫りながらもマニエとミランにわずかに届かず3位に終わった。それでも新天地のユニベット・ローズ・ロケッツのチームにとっては貴重な3位なった。

第3ステージ、ブルガリア最終ステージはコース中盤に山岳が配された175㎞のステージ、昨日落車でけがをしながらもゴールまで走り切ったアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツXRG)だったがこの日のスタート前までにリタイアとなった。また同様に背骨3か所に亀裂骨折を負ったアンドレア・ヴェンダラメ(ジェイコ・アルーラ)もこの日のステージ前にリタイアとなった。そんなステージは最初の二日間同様にで山岳ポイントとジャージを獲得し続けたセヴィリアがこの日もすぐさま動く形となった。さらにセヴィリアとともにチームメイトのアレッサンドロ・トネッリ(ポルティ・ヴィジットマルタ)、タロッツィが3名の逃げを形成、この日のペースメーカーとなった。

©Giro d’Italia

最大で4分差近くまでその差は広がるが、そこから少し縮まり3分ほどで推移し続ける。さらに中盤の山岳の上りに入るとその差は縮まるが、それでも先頭の3人は快調に飛ばし続け、この日もセヴィリアはしっかりと山岳賞ポイントを積み重ねた。通常であればここでこれから先のステージのことも考えメイン集団に吸収されるという選択肢もあるのだが、翌日が休息日ということもあり3人はそのまま躊躇なく逃げ続ける。そしてこの可能性に賭ける貪欲さが最後までレースを盛り上げる結果となった。

後続の集団はスプリントになることを見越して体制を整えていくが、カウンターアタックを恐れて先行する3人に追いつこうとはしない。ゴールまで8㎞の直線道路に入ってもわずか20秒ほどの差が縮まらず、それを見た3人は必死の形相で最後まで諦めないという選択肢をする。これがレースを最後まで面白いものとしてくれた。残り2㎞で17秒差、残り1㎞で10秒差と追い詰められながらも諦めなかった3人だが、スプリンターたちを牽引するトレインのスピードは爆発的に上がり、最終的には残り400mで逃げ切りの夢は潰えてしまうこととなった。

©Giro d’Italia

そしてそのままスプリンターたちの力勝負へと持ち込まれると、ジロでののポイント賞ジャージを明確に狙っているミランに対し、怖いもの知らずのマニエが真っ向勝負を挑み、そしてこのステージでも掌理を掴みとって見せた。もはや運でもフロックでもなくこのスプリント力は本物、昨年度一杯で総合系エースのレムコ・エヴァネポエル(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)を失ったチームだったが、以前の曲者集団だった時代のようにまたも勝利を量産するチームへと変貌を遂げつつある。

総合リーダージャージはトーマス・シルヴァがキープ、マリア・ローザを着用してイタリア本土へと乗り込むこととなった。

©Giro d’Italia

ポール・マニエ(ステージ1位)
「初日に勝利して、もう一度あれを再現することを夢見ていたんだよ。チームは最高の仕事をしてくれたよ。今日はずっと集団の主導権を握り続け、残り1㎞を最高のポジションで迎えられたんだ。でも正直勝てるかなんてわからなくて、つい勝利したと思ってガッツポーズもしたんだけど、急に不安になってあれ勝ったのかな?って自問自答してしまったよ。でも結果的に勝利できていたから、本当にうれしいよ。この勝利で世界最高峰のスプリンターとも対等に勝負できる自信がついたよ。この調子でもっと勝利を積み重ねていきたいね!」

ジロ・デ・イタリア第3ステージ順位
1位 ポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ)   4h09’42”
2位 ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
3位 ディラン・グローネウェーヘン(ユニベット・ローズ・ロケッツ)
4位 マディス・マイケルス(EFエデュケーション・イージーポスト)
5位 マッテオ・マルッチェリ(XDSアスタナ)
6位 アーランド・ブリクラ(Uno-Xモビリティ)
7位 パスカル・アッカーマン(ジェイコ・アルーラ)
8位 ダビデ・バレリーニ(XDSアスタナ)
9位 トビアス・ランド・アンドレセン(デカスロンCMA・CGM)
10位 エンリコ・ザノチェッロ(バルディアー二CSF7セイバー)

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 トーマス・シルヴァ(XDSアスタナ)   13h10’05”
2位 フロリアン・ストーク(チュードル・プロサイクリング)   +04”
3位 イーガン・ベルナル(ネットワークカンパニー・イネオス)
4位 サイメン・アレンスマン(ネットワークカンパニー・イネオス)   +06”
5位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)
6位 ヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)   +10”
7位 ヨハネス・クルセット(Uno-Xモビリティ)
8位 マルティン・チョッタ(Uno-Xモビリティ)
9位 エンリック・マス(モビスター)
10位 レナート・ファン・イートヴェルト(インターマルシェ・ロット)

H.Moulinette