ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ:混戦スプリントを制したのはトレンティン!第2ステージ勝利のランパートがきっちりアシストしてクイックステップは早くもステージ2勝!
個性派集団がやはり混戦では強い、すでに第2ステージで鮮やかなチームワークで勝利を収めたクイックステップが、再び勝利を奪い去った。第2ステージではアタックし勝利したアシストのイブ・ランパート(クイックステップ・フロアーズ)とそれをアシストしたエーススプリンターのマッテオ・トレンティン(クイックステップ・フロアーズ)がその役割を入れ替え、本来の形で仕事を果たして勝利、チームとして早くもステージ2勝目を挙げた。
今大会おそらくたったの3度しか無いスプリントステージ、だからこそ今大会出場しているスプリンターたちにとっては数少ないアピールのチャンス、しかしそのコースはテクニカルで難しい勝負が予想された。ランパートが本来のアシストでトレンティンを導きながら最後の右コーナーに突入するが、そこでインサイドに飛び込んだのはホァン・ホセ・ラバト(ロットNLジャンボ)だった。しかし自信を持って走るトレンティンは冷静だった。一瞬ラバトの背後につくと、それをリードアウトに自らのスプリントを開始、切れ味鋭い走りで今度は自らの勝利のためにガッツポーズを決めた。前回はあえてチームメイトのために自らを犠牲にした男は、今度はチームメイトがお膳立てしてくれた状況をきっちりと活かしてみせた。
「今日は勝利を狙っていたよ。ツールでは落車でリタイアになったけど、ここへ来て絶好調だしね。だからブエルタへは明確にステージ勝利を狙いに来たんだよ。2日前は自分でも惚れ惚れするような鮮やかな勝利を決め、総合リーダージャージを獲得したからね。今日は僕のために勝利を狙いに行ったんだよ。チームワークが素晴らしかったし、とにかく一人ひとりがかなりしっかりとレースを牽引し続けたからね。」トレンティンはチームワークの素晴らしさを強調した。
ステージ2位にはラバト、そしてトム・ファン・アスブロック(キャノンデール・ドラパック)が3位に入った。総合争いでは総合リーダーの証、マイヨ・ロホを着用するクリス・フルーム(チームスカイ)らが順当にゴールする中、救済措置が取られる3km未満の僅か手前で発生した落車に巻き込まれたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(AG2R)が大きくタイムロス、総合トップ10争いから大きく脱落した。またラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)は昨日に続いてこの日もタイムロス、総合争いからは完全に脱落をしたといえるだろう。
不要なタイムロスを避けるために、総合系の選手たちを擁する各チームが集団前方に集結するためにレースのペースは早くなり、また混沌とした展開になることが増えてきている。そのことがスプリントトレインを組むことを難しくしている。ツールでは3秒以上間が空いた場合のみタイム差を取られるが、ブエルタでは従来通り1秒となっており、それが総合系の位置取り合戦を活性化している。「皆スプリット(分断)を恐れて走っているからね。その為には余計に力を使ってでも前に位置取りたいね。チームワークのおかげで救われているよ。ブエルタでもツール同様にすべきだね。」フルームは現状に対して苦言を呈した。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ
1位 マッテオ・トレンティン(クイックステップ・フロアーズ) 4h43’57”
2位 ホァン・ホセ・ラバト(ロットNLジャンボ)
3位 トム・ヴァン・アスブロック(キャノンデール・ドラパック)
4位 エドワード・トゥーンズ(トレック・セガフレド)
5位 イェンス・デブシェール(ロット・ソウダル)
6位 サッシャ・モドロ(UAEチームエミレーツ)
7位 ロレンツォ・マンチン(FDJ)
8位 ソレン・アンデルセン(チームサンウェブ)
9位 ユセフ・レグイグイ(ディメンション・データ)
10位 ジェッツ・ボル(マンザナ・ポストボン)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 クリス・フルーム(チームスカイ) 13h37’41”
2位 ダビ・デ・ラ・クルス(クイックステップ・フロアーズ) +02”
3位 ニコラス・ロッシュ(BMC)
4位 ティージェイ・ヴァン・ガーデレン(BMC)
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ) +10”
6位 エステバン・チャベス(オリカ・スコット) +11”
7位 ファビオ・アルー(アスタナ) +38”
8位 アダム・イェーツ(オリカ・スコット) +39”
9位 ロメイン・バルデ(AG2R) +48”
10位 サイモン・イェーツ(オリカ・スコット)
H.Moulinette