ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.2&St.3:第2Sはベネットが快心のスプリント勝利!第3Sもベネットが連勝で完全復活、マイヨ・ロホはユンボ・ヴィズマ内で連日の受け渡し(ダイジェスト動画あり)
オランダで行われた第2ステージ、スプリント勝負となったこのステージを制したのはサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)だった。昨シーズンは当時所属していた現クイックステップ・アルファヴァイニルで監督とぶつかり居場所を失い、今シーズンから出戻りでボーラ・ハンスグロエへと復帰していた。それでも今シーズンわずか一勝しかできず、苦悩する日々が続いていたが、ブエルタ最初のスプリントステージでいきなり結果を残し手見せた。そして翌第3ステージでもベネットが快心のスプリントでコースど真ん中で力でライバルたちを振り切り連勝、強いベネットが戻ってきた。
第2ステージでは初日マイヨ・ロホ獲得のロベルト・ヘーシンク(ユンボ・ヴィズマ)から着順の関係で、チームメイトのマイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィズマ)が母国オランダで嬉しい総合リーダージャージ受け渡しとなった。そして第3ステージでは今度はエドアルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ)がまたしてもチームメイトからジャージを引き継ぐ形となった。これで3日でチームメイト3名が総合リーダージャージを着用する珍しい形となった。
第2ステージでは逃げが決まるが、残り60㎞でスプリンターチームのペースアップにより早くも逃げは吸収、レースは振出しに戻ってしまう。ここからレースは混とんとするが、各チームスプリンターでの勝利を狙い隊列を組む。しかしこの日はボーラ・ハンスグロエのダニー・ファン・ポッペル(ボーラ・ハンスグロエ)が完璧なお膳立てをし、さらにトップスピードのままベネットを送り出して見せた。ファン・ポッペル自身優れたスプリンターでもあり勝負できるだけの資質を持ちながら、あえてそのレベルの選手がアシストに回るという作戦で、ボーラ・ハンスグロエは幸先よく圧勝して見せた。
「ファン・ポッペルは僕を発車してくれたんじゃないよ。彼は僕を発射してくれたんだよ。最後の最後まで牽引し、その流れのままに一瞬間を置いて飛び出したんだ。グランツールでまた勝利できるとは思っていたよ。でもそれはその間合いをつかめるかだったんだ。これで2018年以降の出場したグランツール全てで勝利を挙げるというウィニングストリークを守れたね。」31歳のベネットは満足げに勝利に酔いしれた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ順位
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 3h49’34
2位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
3位 ティム・メリエール(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィズマ)
5位 パスカル・アッカーマン(UAEチームエミレーツ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィズマ) 4h14’14”
2位 エドアルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ)
3位 サム・オーメン(ユンボ・ヴィズマ)
4位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
5位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
第3ステージは193.2㎞の完全フラットなステージ、スプリント勝負は揺るぎない状況だった。そんなレースはコロナ感染症で亡くなった方々を追悼するキャンドルサービスも行われる中スタートを切った。平坦ステージは平均スピードが上がることが多く、落車を最も恐れる状況だ。そのステージでワールドツアー降格圏争いをしているイスラエル・プレミアテックのエース、マイケル・ウッズが落車で脳震盪を起こしリタイアとなった。チームとしては大きな痛手でもあり、残るクリス・フルーム(イスラエル・プレミアテック)らもコロナ感染症からの病み上がりということもあり、今後もきつい展開となりそうだ。
この日の逃げはミスター逃げ男こと、トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)が飛び出し7人の逃げが決まる。しかしメイン集団はそれを逃げ切らせるほど甘くはなかった。徐々に射程圏内にまで追い詰めると、残り11㎞で逃げをすべて吸収、スプリントへ向け各チームが動き出す。ユンボ・ヴィズマはマイヨ・ロホを着用するマイク・テウニッセンがチームを先導、エーススプリンターはチーム内でのリーダージャージ受け渡しを想定していたかのような動きで、救済措置県内の残り3㎞を通過する。そのまま連日のスプリントとtなったが、コース左端をファン・ポッペルに牽引され駆け上がったベネットが、そのままコース中央へと進路を変え力でライバルたちをまたも蹴散らして見せた。
「2連勝はうれしいね。自信にもなるよ。そして今日もチームメイトには感謝だよ。隊列を組んで風から僕を守り、番手を上げ、最後はまたもファン・ポッペルが職人芸のアシストだったよ。」ベネットは古巣復帰から、このブエルタで間違いなく本来の輝きを取り戻した。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ順位
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 4h05’53”
2位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
3位 ダニエル・マックレイ(アルケア・サムシック)
4位 ブライアン・コカード(コフィディス)
5位 ファビアン・リンハード(グルーパマFDJ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 エドアルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ) 8h20’07”
2位 サム・オーメン(ユンボ・ヴィズマ)
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
4位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
5位 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィズマ)
H.Moulinette