今年のブエルタはハイレベルバトルへ!暫定出走リストに、フルーム、バルデ、ニーバリ、アルーという豪華メンバーが、アダム・ハンセンの連続グランツール出場・完走記録が18で途切れることに
今シーズン最後のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャが近づいてきたが、その出走メンバーがだんだんと決まりつつある。その中で暫定的出走リストにはツール・ド・フランスを制したクリオス・フルーム(チームスカイ)を含め豪華なメンバーが勢揃い、近年稀に見る豪華メンバーによる派手な山岳総合バトルが勃発しそうだ。しかし残念なことにグランツール連続出場・完走を果たしてきたアダム・ハンセン(ロット・ソウダル)が選考漏れ、その記録が途絶えることになりそうだ。
ツール・ド・フランスを制したフルームは、ブエルタに出場をしてダブルツールを狙うのは「もはやミッションのようなもの」と話しており、今大会では終了したばかりのツール・ド・ポローニュ最終ステージ3位で総合3位に入った好調ワウト・ポエルスのアシストを受けることになる。
そしてツールでは喘息で後半失速したファビオ・アルー(アスタナ)、同じくツール後半で体調不良に泣かされ総合3位に終わったロメイン・バルデ(AG2R)も再びフルームに挑む。そしてここへもう一人強者が挑戦をする。世代最強の1人、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)の出走が決定的、これでフルームとニーバリの頂上バトルが実現することとなった。しかしジロを制したトム・デュムラン(チームサンウェブ)、そしてツール・ド・フランス総合2位にリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)、またナイロ・キンターナ(モビスター)らは出走しないことが確定的だ。
そしてツール・ド・フランスではいいところなく沈んだアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレド)のブエルタ出場は流動的だ。本愛予定にはなかったレースではあるが、ツールでの納得の行かない結果を踏まえた上で本人が出場を希望しているようだ。
ただ今回のブエルタでどのチームよりも気合が入っているのがオリカ・スコットだ。今シーズン前の予想では、アダムとサイモンのイェーツ兄弟とエステバン・チャベスで総合も狙えると言われていたものが、予想を下回る結果しか残せておらず、今大会になんとその3人を揃って出場させてくる。なんとしても総合トップ3という結果がほしいという意図が感じられる。
またチームサンウェブからの移籍が決まっているワーレン・バーギル、そして総合系で結果を残せていないボーラ・ハンスグロエはラファル・マイカとレオポルド・ケーニッヒのダブルエース体制で挑んでくる。また純粋な総合系ではないが進化を見せ結果を残しつつあるボブ・ユンゲルス(クイックステップ・フロアーズ)も今大会の出場が濃厚、ジロ・デ・イタリアでみせたような走りができれば怖い存在となりそうだ。
ただ残念なニュースは、18大会連続出場・完走を続けてきたハンセンがブエルタの出走リスト、そして控えメンバーからも漏れたことだ。本人は「チームが決めることだからしょうがないよ。でもこんな形で記録が途切れるのだとしたら残念でしょうがないよ。」とコメントしており、悔しさを滲ませている。36歳の大ベテランはここで一息つくことになりそうだ。
早くも激戦の臭いがプンプンする今年のブエルタ、灼熱のスペインの大地の勝利の女神は選手たちに過酷なノルマを課しそうだ。
H.Moulinette