ジロ・デ・イタリア第8ステージ:テクニカル高速スプリント決戦を制したのはイーワン、ヴィヴィアーニとアッカーマンは一歩届かず!
ここ2ステージ平坦ステージでありながら逃げ切りが容認されたために、スプリンターたちにとっては勝負できないもどかしい日々だった。その間にフェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)がリタイア、最強スプリンターの一角が消えてしまった。そうなれば今大会最強の名を欲しがるのは今大会2勝のパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグロエ)、降格処分で勝利を逃し集中力を欠いていたが気を引き締めなおしたエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、そしてポケットロケットと呼ばれる小粒だが馬力あるカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)の3人に絞られた。そして勝利したのはここまで3位、2位、4位と安定して勝負に絡み続けてきたが未勝利のイーワンだった。
高速かつテクニカルなコースとなったこのステージ、この日の逃げの二人を残り30kmほどで早々と吸収すると、新たなアタックを警戒してハイペースで展開していく。ボーラ・ハンスグロエとグルーパマFDJ)がいい気にペースを上げ、さらにはカテゴリーさえついていないアップダウンがどんどんと集団を削っていく。気が付けばメイン集団はかなり人数が減っているが、それでもペースは衰えない。
そのまま主導権をどこも握れない状況で、ゴール手前の曲がりくねった高速コーナーで隊列はさらに絞られると、残り200mでの最後のカーブを抜けると、気が付けばアッカーマン、ヴィヴィアーニ、イーワンの三つ巴のスプリントバトルとなっていた。コーナーを抜け残り100mで仕掛けたのはアッカーマンだったが、小さく体を丸めて突進してくるイーワンの加速はそれを上回った。イーワンはようやくの勝利、感情を爆発させた。ヴィヴィアーニは何とかアッカーマンに先着、しかし勝利はならず表情は冴えなかった。
総合上位勢はこの日も安泰、翌日の個人TTで大きく順位変動が見込まれる中、コンティはこの日も総合リーダージャージを守り切り満面の笑みを見せた。
「ずっと勝利を狙ってきたんだよ。なかなか勝利できなかったけど、ようやく勝利出来たよ。最後のコーナーをうまく抜けられればと思ってはいたんだけど、コーナーを抜けてもしっくりは来ていなかったんだよ。本当にきつい勝利だった。ここまできついとは思ってもいなかったよ。ただアッカーマンをマークすることだけに専念していたんだよ。この勝利で肩の荷が下りたね。チームは勝利を期待して僕を送り込んでくれているわけだし、でも今シーズンここまで言うほど勝利を積み重ねられていなかったからね。」
~カレブ・イーワン ステージ1位
「毎日なんて勝てないからね。イーワンが最速だったということだけだよ。最後は彼の強さが際立ったということだよ。ポジショニングなのかはわからないけど、彼のほうが速かったね。まあでも今日も3位だし、ポイント賞ジャージも守れたし満足だよ。」
~パスカル・アッカーマン ステージ3位
ジロ・デ・イタリア第8ステージ
1位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル) 5h43732”
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ファビオ・サバティーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 マニュエル・ベレッティ(アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック)
6位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ)
7位 ダビデ・チモライ(イスラエル・サイクリングアカデミー)
8位 マルコ・カノーラ(ニッポー・ヴィーニファンティーニ・ファイザン)
9位 ジャコモ・ニッツォーロ(ディメンション・データ)
10位 ルディガー・セリグ(ボーラ・ハンスグロエ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ヴァレリオ・コンティ(UAEチームエミレーツ) 35h13’06”
2位 ホセ・ロハス(モビスター) +1’32”
3位 ジョバンニ・カルボーニ(バルディアーニCSF) +1’41”
4位 ナンス・ピータース(AG2R) +2’09”
5位 ヴァレンティン・マドゥアス(グルーパマFDJ) +2’17”
6位 アマロ・アントゥーネス(CCC) +2’45”
7位 ファウスト・マスナダ(アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック) +3’14”
8位 ピーター・セリー(ドゥクーニンク・クイックステップ) +3’25”
9位 アンドレイ・アマドール(モビスター) +3’27”
10位 サム・オーメン(チームサンウェブ) +4’57”
H.Moulinette