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レースでは何が起きるかわからない。第4ステージで総合勢で一人だけ難を逃れ後続のライバルトンタイム差を広げたプリモズ・ログリッチ（ジャンボ・ヴィズマ）だったが、この日はステージ前半で発生した総合勢同士が絡む落車で転倒、ジャージに大きな穴を開けたまま走り続けた。総合リーダーの証・マリアー・ローザはチームの負担を減らすために「予定通り」逃げの選手に移るなど、チーム戦略としてはうまくいき、総合優勝へ向けた準備は着々と整っている。ステージを制したのはファウスト・マスナダ（アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック）、プロコンチネンタルチームにとっては大きな一勝となった。またマスナダと最後まで競り合い、ステージ2位となったヴァレリオ・コンティ（UAEチームエミレーツ）はこれでマリア・ローザを獲得、チームにとって初のグランツール総合リーダージャージ獲得となった。

©Bettini Photo

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そんなステージは大逃げが容認されるという事前の予想通りの展開となった。ただしその容認は予想に反し、ログリッチら総合勢の落車により13人の逃げがしかたなく容認されるという形となる。その中にはチームリーダーを失ったチームサンウェブのセカンドエース、昨年度デュムランのアシストをしながらも総合9位に入っているサム・オーメン（チームサンウェブ）も含まれていた。これが懸念材料でありながらも、落車からの復帰で時間がかかる間に、この日の逃げは確定する。

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そしてその逃げの中から残り28kmでマスナダとコンティがアタック、2人は協調体制を取りながら逃げ続ける。ステージ優勝が欲しいマスナダに対し、後続とのタイム差の関係で間違いなく総合リーダージャージが転がり込むコンティの思惑は一致、協調体制はゴールまで続いた。そのままマスナダがステージ勝利、コンティは笑顔でのステージ2位となった。

残り10kmを切り後続の大集団との差は縮まるかに思われたが、予想に反してタイム差が広がっていく。ログリッチ擁するジャンボ・ヴィズマ以外のチームがあまり積極的に動かないことで、追走自体のペースが落ちたのだ。それでもミッチェルトン・スコットなどもあまりにタイム差がつきすぎることに危機感はあり、なんとか7分19秒差でゴール、これでこの日の逃げ13人中10人が総合トップ10入りをする形となった。中でも総合力のあるオーメンのトップ10入りは今後の展開にも影響を与える可能性もある。

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「すごくうれしいよ！ジロでの勝利は簡単じゃない、でも僕は成し遂げたんだよ！今日の勝利はジロ開幕前に亡くなった叔父に捧げるよ。勝ってくるって言ったからね。」
～ファウスト・マスナダ　ステージ1位　総合7位

「マリア・ローザを獲得できたんだよね？正直自分が何を成し遂げたのかまだよく理解できていないよ。今日は逃げが容認された時点で、マリア・ローザの獲得に関しては可能性が出てきたことは知っていたよ。もちろん夢にまで見ていたし、誰もがそうだったと思う。でもただ夢を見ているのと、それを実際に成し遂げるのは別物だよね。だから積極的に自分から狙ったんだよ。」
～ヴァレリオ・コンティ　ステージ2位　総合1位

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ジロ・デ・イタリア第6ステージ
1位　ファウスト・マスナダ（アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック）　　　5h45’01”
2位　ヴァレリオ・コンティ（UAEチームエミレーツ）　　　+05”
3位　ホセ・ロハス（モビスター）　　　+38”
4位　ルーベン・プラーザ（イスラエル・サイクリングアカデミー）
5位　ジョバンニ・カルボーニ（バルディアーニCSF）　　　+43”
6位　ピーター・セリー（ドゥクーニンク・クイックステップ）　　　+54”
7位　ヴァレンティン・マドゥアス（グルーパマFDJ）
8位　ナンス・ピータース（AG2R）　　　+57”
9位　アンドレイ・アマドール（モビスター）
10位　アマロ・アントゥーネス（CCC）

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位　ヴァレリオ・コンティ（UAEチームエミレーツ）　　　25h22’00”
2位　ジョバンニ・カルボーニ（バルディアーニCSF）　　　+1’41”
3位　ナンス・ピータース（AG2R）ホセ・ロハス（モビスター）　　　+2’09”
4位　ホセ・ロハス（モビスター）　　　+2’12”
5位　ヴァレンティン・マドゥアス（グルーパマFDJ）　　　+2’19”
6位　アマロ・アントゥーネス（CCC）　　　+2’45”
7位　ファウスト・マスナダ（アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック）　　　+3’14”
8位　ピーター・セリー（ドゥクーニンク・クイックステップ）　　　+3’25”
9位　アンドレイ・アマドール（モビスター）　　　+3’27”
10位　サム・オーメン（チームサンウェブ）　　　+4’57”

H.Moulinette