UCIシクロクロス第5戦ツェーフェン:世界チャンピオンの意地炸裂!泥沼コースでアートが独走でファン・デル・ポエルのUCI世界戦連勝を4でストップ!僅かワンミスで優勝遠のく
第2周回でチェーンを落としてしまったマシュー・ファン・デル・ポエル(ベオバンク・コレンドン)、そのたった一度のミスがUCI戦5連勝を逃すきっかけとなってしまった。そしてそれを逃さなかったのは世界チャンピオンのアルカンシエルを着用するワウト・ファン・アート(クレラン・チャールス)、ようやく世界チャンピオンがその意地で勝利をつかんで見せた。
「ようやく勝てたよ。勝利というのはやっぱりホッとするね。今日の泥沼のコースは僕向きだったよ。勝利して次戦をホームで迎えられるのは嬉しいね。」アートは安堵の笑顔を見せた。
スタート直後は先日のレースと同じだった。ファン・デル・ポエルがいきなりのハイペースでレースを展開、それにほかの選手が必死に食らいつく展開となる。泥沼地獄では前の選手が跳ね上げる泥が目に入るため、あまり接近してその背後を走りたくないことからも、先手をとることはレースを優位に進めるには必要不可欠だ。ファン・アート、コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ)らが何とかくらいつきオープニングラップをこなすと、ドラマはいきなり第2周目にいきなりやってきた。なんとファン・デル・ポエルがまさかのチェーン脱落、これにより一気に17位まで順位を下げてしまう。
このタイミングで早くも世界チャンピオンが勝負に出る。「ファン・デル・ポエルが止まっているのが見えて、勝負はここしかないって思ったから早かったけどそのまま勝負に出たんだ。」そう語るファン・アートはそのままぐんぐん加速、2位以下の選手たちを一気に引き離し独走態勢を築いていく。その背後ではファン・デル・ポエルが抜きどころの少ない泥沼地獄をかき分け、徐々に順位を上げてくる。しかし先頭とのファン・アートとの差は全く縮まらない。トゥーン・アールツとファン・ケッセルのテレネット・フィデア・ライオンズコンビがファン・デル・ポエルの前に立ちはだかり、なかなかファン・アートの追走に入れない。
ようやく二人を抜き2位まで順位を上げたが、その時点でファン・アートとの差は30秒差、そこから何とか縮めようと必死の追走を見せるが時すでに遅し、余裕をもってファン・アートは頻繁にピットインしバイク交換を繰り返してペースを落とさない。そして障害物もバニーホップでクリアし、世界王者の貫録を見せつけた。
追走でスタミナを浪費したファン・デル・ポエルは最終ラップでアーツに追いつかれるも何とか踏ん張り切り2位をキープ、この二人に続く形でまたしてもアーツが表彰台を確保した。
5連勝を逃したファン・デル・ポエルは、「しょうがないよ。2位が今日のベストだったということ、今日は僕が最強ではなかったいうだけのことだよ。」とコメントした。
UCIシクロクロス第5戦順位
1位 ワウト・ファン・アート(クレラン・チャールス) 1h07’32”
2位 マシュー・ファン・デル・ポエル(ベオバンク・コレンドン) +47’
3位 トゥーン・アーツ(テレネット・フィデア) +50’
4位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア) +1’39’
5位 マイケル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ナポレオン・ゲームス) +1’57’
6位 ケヴィン・パウエルス(マーラックス・ナポレオン・ゲームス) +2’16’
7位 クラース・ファントルノート(マーラックス・ナポレオン・ゲームス) +2’25’
8位 マルセル・メイセン(スタイラーツ・ベットファースト) +2’34’
9位 クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ) +2’42’
10位 トム・ミーウセン(ベオバンク・コレンドン) +2’46’
H.Moulinette