アルーとD.マーティンがUAEチームエミレーツに移籍!ブエルタで躍動した遅咲きの元陸上選手ウッズはキャノンデールの新チームに残留決定

かねてから噂されれていた通り、ファビオ・アルーのアスタナからUAEチームエミレーツへと移籍が決定した。中国企業のスポンサー白紙でチーム存続の危機から、中東マネーがスポンサーに付きなんとか首がつながったチームは今シーズン予想以上の活躍を披露、それによりさらなるスポンサーマネー獲得に成功したことで、来シーズンはファビオ・アルー(アスタナ)、さらにはダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ)、アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ・アルペシン)という3人の主力をライバルチームから獲得することに成功、一気にグランツール、ワンデイクラシック、スプリントのエースを獲得するという大補強に成功した。

『アルーは新天地で活躍できるか? ©Tim D Waele』
アルーの移籍は以前より噂にでていたが、本人が頑なに口を開かなかったことでアスタナチームとしても引き留めようがなかったようだ。ヴィノクロフ監督も「アルーがチームを去りたいと本気で思っているとは考えていなかった。」としており、アルーの流出がチームには大きな損失であることを口にしている。
またもとよりクラシックレースで強さを見せていたダニエル・マーティンは今シーズングランツールでも上位を狙えるポテンシャルを見せた。オールラウンダーとして新天地を選び、来シーズンはさらなる活躍が見られそうだ。
そして今年のブエルタで躍動し、総合7位に入ったマイケル・ウッズは、解散の危機を乗り越えたキャノンデール・ドラパックの新チームとの契約延長となった。ブエルタ期間中に解散危機に直面したチームだったが、クラウドファンディングでの資金集めを始めたところ、新スポンサーが名乗りを上げ、無事チーム存続が決まった。新チーム名はEFエデュケーションファースト-ドラパックp/bキャノンデール、そして31歳の遅咲きエースは新チームでグランツールのエースを任されることとなりそうだ。

『遅咲きの男はどこまで伸びる? ©Tim D Waele』
マイケル・ウッズはカナダ出身で2007年までは中距離陸上選手として活躍しており、パンアメリカン陸上競技大会ジュニアで金メダルを獲得する将来を有望視された選手だった。しかし疲労骨折をし手術、それがうまく行かずリハビリのために自転車に乗り始めたところ、友人からのすすめで本腰を入れる様になった。だが本格的にレースに参加し始めたのは2013年、初めてクラブチームでレースに参加し始めると、あっという間にブエルタ総合7位まで上り詰めた。実は期待されながらも昨年度は体調不良などに泣かされたが、それでもチームは辛抱強くウッズ開花を待ち続けたのだ。そして今年のブエルタで大躍進、並み居るクライマー達相手に真っ向勝負で互角の戦いを見せたのだ。
これでチームはリゴベルト・ウランと合わせて2枚のグランツールエースが確定、来シーズンのチーム飛躍に期待がかかる。
かなりの主力級がチーム間で移籍をし、また新チームとなるキャノンデール・ドラパックもスポンサーが決まったことでその陣容が固まり、来シーズンへ向けた勢力図がだんだんと見えてきている。ロード戦国時代はますます加面白くなっていきそうだ。
H.Moulinette