パリ~ニース第3&4ステージ:イベールにステージ勝利を譲ったLLサンチェスが総合首位に!第4ステージで個人TTでポエルス勝利!総合上位大シャッフルもLLサンチェスが首位キープ
激しくなるバトル、ステージ優勝のみならず総合優勝を目指す駆け引きも激しさを増してきている。合計で7ステージで争われる大会、第3、第4ステージはその折り返しにあたり、ここで総合上位につけておくことが今後の戦略に大きな影響を与える。ましてや第4ステージは個人TTであり、得意不得意がはっきりする為ここで大きくその行方が変わってしまう。そんな中盤戦、第3ステージを制したのは今シーズン好調のジョナサン・イベール(ダイレクトエナジー)、総合優勝を狙うエースではないが先日の大会で総合優勝を果たした男がここでも結果を残した。そのイベールに勝利を譲ったルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)、窮地のチームにとっては結果が全て、このステージでの勝利を捨ててまでも総合優勝に賭けている男は総合リーダーに立つと、ワウト・ポエルス(チームスカイ)が勝利した第4ステージの個人TTでも踏ん張り切り総合リーダーの座をキープしている。
第3ステージ
ステージは3つ巴の勝負となった。集団から3級山岳で飛び出したレミー・ディ・グレゴリオ(デルコ・マルセイユ・プロヴィンス)、LLサンチェス、イベールによる駆け引きが繰り広げられる。揺さぶりをかけるのはディ・グレゴリオ、スプリント力で劣るだけに何とか抜け出そうと必死の動きを見せる。しかしこれにことごとく反応するのはLLサンチェス、イベールはその背後で全く動かない。LLサンチェスにとってはステージ勝利も欲しいが、それよりも総合での順位のほうが勝ちがあることから、後続とのタイム差を考え、自らが浪費しても積極的な動きに終始した。
そしてゴール前で満を持してイベールが飛び出し渾身のガッツポーズ、状況判断をしっかりと見極めた男がまたも勝利をつかみ取った。「今シーズンは序盤から絶好調だから、パリ~ニースでも結果が欲しかったんだよ。雨の中での第1ステージでは気持ちが折れたけど、今日はよかったね。チームにとってはこの1勝はとても大きな意味があるんだ。このまま好調を維持していきたいね。」イベールは冗舌に語った。
ステージ4位争いも激しいものとなり、スプリント勝負でアルノー・デマール(グルーパマFDJ)がきっちりと番手を確保した。これでLLサンチェスは総合首位に浮上、アスタナにとってこの総合リーダージャージ獲得は大きな意味のあるものとなった。
パリ~ニース第3ステージ
1位 ジョナサン・イベール(ダイレクトエナジー) 5h22’49”
2位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) +01”
3位 レミー・ディ・グレゴリオ(デルコ・マルセイユ・プロヴィンスKTM)
4位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) +38”
5位 マイク・テウニッセン(チームサンウェブ)
パリ~ニース総合順位
1位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) 13h21’56”
2位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) +28”
3位 ゴルカ・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +35”
4位 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ) +38”
5位 マイク・テウニッセン(チームサンウェブ) +41”
第4ステージ
僅か18.4㎞の個人TTは総合順位を大きく揺さぶるには十分な距離だった。得意な選手にとってはここは大きく順位を上げるチャンスでもあるが、それは裏を返せば苦手な選手にとってはいかにタイムロスをしないかを計算して耐えなければならない地獄でもある。特にこのTTは丘を駆け抜けるだけに、山岳の力が試されることとなった。
そんなステージを制したのはワウト・ポエルス(チームスカイ)、ダイナミックな走りでトップタイムをたたき出し、圧勝ともいえる結果だった。11秒差の2位にはマルク・ソレル(モビスター)が入り、16秒差の3位には総合を狙うジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ)が入った。アラフィリップは下りの最終コーナーでミスをしており、これがなければもう一つ上の順位が可能だったかもしれない。そして驚きのステージ4位にはフェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ)が飛び込んできた。
総合首位のLLサンチェスは粘りの走りでステージ7位に入り、総合首位の座を守り切った。ステージ優勝のポエルスが総合2位へとジャンプアップ、アラフィリップが総合3位、ステージ2位のソレルが総合4位へとジャンプアップを果たした。
「このTTは結構きつかったね。前半の上りと後半のちょっとした上りが特に難しかったよ。でも僕向きとも言えたね。」ポエルスは勝利を喜んだが、ドーピング問題最中のチームのことに話が及ぶと、口は重かった。
グランツール総合組がこのステージでは軒並み大苦戦、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)、ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ)、バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)、イルヌール・ザッカリン(カチューシャ・アルペシン)などはすでに総合優勝の蚊帳の外となった。
パリ~ニース第4ステージ
1位 ワウト・ポエルス(チームスカイ) 25’33”
2位 マルク・ソレル(モビスター) +11”
3位 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ) +16”
4位 フェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ) +20”
5位 ヨン・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +27”
パリ~ニース総合順位
1位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) 13h47’57”
2位 ワウト・ポエルス(チームスカイ) +15
3位 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・フロアーズ) +26”
4位 マルク・ソレル(モビスター)
5位 ゴルカ・イザギーレ(バーレーン・メリダ) +34”
H.Moulinette