ドバイツアー2018:総合優勝は新天地移籍のヴィヴィアーニ!個性派集団加入でステージ2勝に総合優勝といきなり結果を残す!カベンディッシュは第3ステージで復活の狼煙の勝利

『これ以上ない新天地での結果、一気に評価を上げた @Tim D Waele』
毎年のようにドバイツアーで結果を残すクイックステップ・フロアーズ、エーススプリンターだった世代最強の一人マルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン)が移籍しライバルとなる中で、新加入したのは最強とまではいかないながらも中堅として結果を残し成長してきたエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ)だった。そしてそのヴィヴィアーニは、いきなり期待を大きく上回るステージ2勝と総合優勝をチームにもたらした。

『第2ステージでバースデー勝利 @Tim D Waele』

『最終ステージでも勝利 @Tim D Waele』
今大会はスプリンターにとってステージレースでの総合優勝を狙えるという数少ないレースだけに、各チームエーススプリンターが顔を揃えた今大会は今シーズンの覇権争いを占う一つに指針となるはずだった。その筆頭となるはずだったキッテルがまったく結果を出せない中で、「組織力」という力を手に入れたヴィヴィアーニはそのメリットを最大限に生かし切り、第1ステージで3位、誕生日となった第2ステージで今シーズン初優勝のステージ優勝、第3ステージが6位、第4ステージの最大勾配17%の激坂ゴールでも第6位、第5ステージでもステージ優勝を果たすなど、すべてのステージでトップ10入りを果たす安定感を発揮して、総合優勝を手にして見せた。

『若手の成長株は結果残すもメカトラにいら立ち @Tim D Waele』
第1ステージでステージ優勝を果たしたディラン・グローネウェーゲン(ロットNLジャンボ)がその成長を感じさせる勝利を飾ったが、リーダーを着用して挑んだ第3ステージでメカトラブルに見舞われ、その際集団復帰にチームカーのスリップストリームに入りその恩恵を受けたとして20秒のペナルティーが課され、そのまま勢いを失ってしまった。しかしスプリンターとしての才能と可能性をさらにライバルたちに見せつけ、今シーズンの飛躍を予感させた。
しかしながら「ほんとふざけんな。こっちがどうしようもないメカトラが一番腹が立つ。あれで全てのリズムが狂ったし、緊張の糸も切れてしまい、モチベーションまでガタガタになってしまったよ。ほんと不可抗力のメカトラほど腹立たしいものはないよ。」とこれでリーダージャージをヴィヴィアーニに明け渡したグローネウェーゲン は最後まで怒りが収まらない様子だった。

『カベンディッシュが復活か? @Tim D Waele』
第3ステージを制したのはマーク・カベンディッシュ(ディメンション・データ)、数年前までは最強と呼ばれた男は昨シーズン苦悩し続けたが、今シーズンは幸先よく第3ステージで復活の勝利、勝負勘がまだ鈍っていないことを勝目して見せた。先に仕掛けたヴィヴィアーニをリードアウトに利用し飛び出すと、迫りくるナセル・ブアニ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)とキッテルを振り切って見せた。
「これで早くも昨シーズンの勝利数に並んだね。でもこれは皆が言うように復活ではないんだよ、僕はまだまだ結果を残せるというだけのことだよ。シーズンオフからいい感じでトレーニングができていたからね。ツールへ向けてこれからまだまだ調子を上げていくよ。」カベンディッシュに自信が戻ってきたようだ。

『19歳があわや下克上 @Tim D Waele』
第4ステージでは若き19歳の勢いがあわや大金星を上げそうになった。ラリーレーシングのブランドン・マクナルティーがこのクイーンステージでアタックを決めると、そのまま先頭でハッタダムへの激坂へと突入、残り50mまで逃げ続けたのだ。最後は迫ってきた大集団に飲み込まれたが、新たな才能がその大器の片鱗を見せつけた。そんなステージを制したのはソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)、地味ながらもここ一番での強さを見せる男が制して見せた。

『移籍して一発目で快心の総合優勝! @Tim D Waele』
最終第5ステージを残して総合リーダーのヴィヴィアーニと、総合2位のマグナス・コート(アスタナ)との差は僅かに2秒、最終ステージの結果次第では簡単にひっくり返ってしまうタイム差だったが、そんな心配は無用だった。最終コーナーでブアニが落車し、多くの選手たちがこれでチャンスを失ってしまう。ヴィヴィアーニも前の選手達との差が広がってしまうが、ここでリードアウトのファビオ・サバティーニ(クイックステップ・フロアーズ)が猛追を見せる。完全に遅れた場所からのスプリントとなったが、それでも最後は馬力の違いを見せつけ、ライバルたちをゴール前でごぼう抜きして勝利をつかむとともに、総合優勝を確定させた。
ドバイツアー総合順位
優勝 エリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップ・フロアーズ) 19h05’46”
2位 マグナス・コート・ニールセン(アスタナ) +12”
3位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ) +14”
4位 ジャン・ピエール・ドラッカー(BMC) +24”
5位 リック・ツァベル(カチューシャ・アルペシン)
6位 ネイサン・ファン・ホーイドンク(BMC) +27”
7位 ロイック・フリーゲン(BMC) +28”
8位 ティモ・ルーセン(ロットNLジャンボ) +30”
9位 ディラン・テウンス(BMC) +34”
10位 マルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン) +38”
H.Moulinette